【Excel基本】500種類以上の固有の計算/処理を自動化できる「関数」の前提知識や使い方まとめ
AさんAさん

デスクワークでExcel使って数値を入力していますが、手作業で計算するのが面倒で計算ミスも怖いです・・・。
もっと楽に、正確にできる方法ありますかね?

森田森田

デスクワークの効率化には「関数」を使うと良いですね。
良くある作業に適したものから少しずつ覚えていけば難しくないですよ!
では、順番に解説していきますね。

Excelステップ講座

解説動画:【数式/関数#2】500種類以上の固有の計算/処理を自動化できる「関数」の前提知識/使い方まとめ

この記事の内容は下記の動画でも解説しています。

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はじめに

この記事は数式の概要を把握していることが前提です。

参考記事

数式の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。

関数とは

関数とは、数式の構成要素の1つであり、固有の計算/処理の機能がセットされた数式のことです。
本記事の関数は、ワークシート上で用いる「ワークシート関数」を指す。

関数は202311月時点で500種類以上あり、多様な計算/処理が可能です。

一例として、同じ元データを対象に「合計」を集計する「SUM」、「平均」を集計する「AVERAGE」等を使用したイメージは以下の通りです。

ご覧の通り、用いる関数が変われば、その機能に応じて結果(戻り値)も変わります。

なお、500種類以上もある関数をすべて覚える必要はありません。

そのうち1~2割程度を覚えれば、関数によってワークシート上の手作業の大半を自動化でき、作業の時短やミス抑止につながります。

実務で使用頻度の高い関数を作業別に例示したものが以下です。

  • 数値の計算/集計(合計や個数等)
    SUMCOUNTASUMIFSCOUNTIFS
  • 条件に合致するデータの検索/転記
    VLOOKUPINDEX
  • 条件に応じた値の表示(条件分岐)
    IF
  • 日付/時刻の取得/計算(年//日から日付作成、日付間の日数等)
    DATEWORKDAYNETWORKDAYS
  • 文字の抽出/分割
    LEFTMIDFINDLEN
  • 文字の整形/変換
    VALUETEXT
  • セル番地/行数/列数の取得
    MATCHROW

【注意事項】Excelのバージョンによって使用可能な関数の種類が変わる

Excelのバージョンアップに伴い、より便利な関数が追加されていきます。

よって、基本的に自身のExcelバージョンで使用可能な関数で効率化していきましょう。

ただし、自身と関係者でExcelのバージョンが異なる場合、新しいバージョンでしか使用できない関数を用いたExcelブックをやり取りすると、古いバージョンではエラーとなってしまうといった互換性の問題が生じます。

そのため、関係者とやり取りするExcelブックでは、新しい関数を使う場合は上記リスクに留意してください。

関数の構成要素

関数を構成する要素は全関数共通で次の3つです。

  1. 関数名
  2. カッコ()
  3. 引数

②カッコはすべての関数で共通ですが、①関数名と③引数は関数によって異なります。

なお、引数とは、「関数の材料となるデータ」を指し、各関数の引数ごとに設定できるデータの種類(データ型)が決まっています。

その他、引数のルールとして、以下があります。

  • 引数が複数ある場合はコンマ(,)で区切る
  • ワークシート上の関数のヒントで角カッコ([])に囲まれた引数は省略することも可能
    ※省略した場合にどうなるかは、各関数の詳細を要確認

関数名の記述誤りや、引数に設定不可のデータを指定した場合等、戻り値がエラーとなるため、ご注意ください。

参考記事

関数の引数に指定できるデータの詳細を知りたい方は以下の記事をご参照ください。

関数の活用ステップ

関数を活用する際の大枠の流れは、次の3ステップです。

では、各ステップの詳細を順番に解説していきましょう。

STEP1】元データを準備

STEP1は、関数で参照する元データを準備することです。
セル参照する必要がない場合は、このステップは不要。

なお、準備する元データは、使用する関数の引数で指定されたデータ型(SUMなら数値データ等)にすることを留意しましょう。

特に制約がない場合、元データにする表は「テーブル」にしておくことがおすすめです。

参考記事

テーブルの詳細は以下の記事をご参照ください。

STEP2】ベースの数式を挿入

STEP2は、ワークシート上の任意のセルへ関数の数式を挿入することです。

事前にIMEの入力モードは「半角英数」にした上で以下の手順を実施していきます。

  1. 関数を挿入するセルを選択
  2. =」を入力
  3. 任意の関数名の1~3文字入力
    SUMなら「su」等
  4. サジェストから該当の関数名を選択し、「Tab」キーで確定
  5. 任意の引数を設定
  6. Enter」キーで確定

手順⑤でSTEP1の元データを参照する。
手順⑥で数式の最後の「)」が自動入力される。

STEP3】ベースの数式をコピー&ペースト

STEP3は、STEP2で挿入したベースの数式をその他のセルへコピー&ペースト(コピペ)することです。
STEP2をセットしたセルがテーブル内で自動的にコピペされた場合、あるいはそもそもコピペが不要な場合は、このステップは不要。

コピペはベースの数式をコピー(Ctrl+C)し、他セルへペースト(Ctrl+V)が基本です。

ただし、コピー元と貼り付け先のセルの書式が異なる場合、表の体裁が崩れてしまうため、「形式を選択して貼り付け」で数式のみを貼り付けしましょう。

コピペ後の数式の結果が問題ないか、F2」キー等で忘れずにチェックすることをおすすめします。

参考記事

数式の代表的なチェック方法は以下の記事をご参照ください。

【応用】関数で実務の作業効率を上げるアプローチ2

関数を用いて実務の作業効率を上げるには、次の2つのアプローチが重要です。

  1. いかに手早くベースの数式を挿入するか(STEP2
  2. いかに同じ数式を複数セルへ使い回すか(STEP3

それぞれ具体的にどんなことを行えば良いか、順番に解説していきます。

【アプローチ①】数式をキーボード操作中心で入力する

関数の数式挿入を「関数の引数」ダイアログ経由で解説する書籍やネット記事は多いですが、私は先述のSTEP2で解説した直接入力する方法をおすすめしています。

その理由は以下の3点です。

  • キーボード中心で操作でき、スピードが速いこと
  • 複数の関数を1つの数式に組み合わせて使う際、数式の記述がしやすいこと
  • セル以外の場所(条件付き書式やデータの入力規則等)への数式入力にも慣れやすいこと

また、引数の指定もマウスよりキーボード操作で行うと、より効率的です。

特に、連続するセル範囲を指定する場合、次のようなショートカットキーを併用すると良いでしょう。

  • 起点セルから終点セルまで一括で選択したい場合:「Ctrl+Shift+矢印キー(終点セルの方向)
  • 起点セルから1セルずつ範囲選択したい場合:「Shift+矢印キー
参考記事

関数の数式挿入の詳細は以下の記事をご参照ください。

【アプローチ②】ベースの数式をコピペで再利用しやすい参照の種類にする

コピぺで数式を再利用する際に最重要となるのが、STEP2の時点でベースの数式の参照の種類(絶対参照/相対参照)を適切に設定しておくことです。

ベースの数式で参照しているセルを固定するなら絶対参照、スライドさせるなら相対参照を設定することで、他のセルへ数式を再利用できます。

逆に、こうした参照の種類を設定していないと、同じ数式を1セルずつセットする手間が発生してしまいます。

これでは、せっかく関数を用いても時短効果が小さくなるため、参照の種類を活用し、再利用できる数式をセットしましょう。

参考記事

絶対参照/相対参照の詳細は以下の記事をご参照ください。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

関数は、表計算ソフトであるExcelの主要機能の1つであり、これからちゃんとExcelを学びたい方は、最初に覚えるべき機能です。

それは、関数には次のような特性があるからです。

  • セルが対象なので、使う場所の制約が少ない
  • 関数は一つひとつが独立しているため、必要なものを都度学習すれば実務ですぐ使える

こうした特性を踏まえ、SUM等の簡単なものから順に主要な関数を1つずつ覚えていくと、ステップアップしている実感が得られ、「もっと新しい関数を覚えたい!」というモチベーションが高まります。

なお、関数の各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

関数はある程度使えるようになった際は、ピボットテーブルやパワークエリといったExcelの他の主要機能にもチャレンジしてみると良いでしょう。


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ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

私がExcelに最初にハマったのはVLOOKUPでした。
1つのセルを書き換えただけで、複数セルの値が瞬時に切り替わるのが魔法のようでワクワクしたのを覚えています。

こうした体験をすると、「自分が知らないだけで、もっと他にも便利な関数や機能があるのでは?」と考えられるようになり、意識せずともスキルアップするものです。
ぜひ、そうした経験を一人でも多くの方に実感していただきたいですね。