本来、英字の先頭の文字だけ大文字に統一する文字データを手入力していくと、たまにルール外のものが混在してしまい、いちいち置換などで直すのが面倒です・・・。
こうした場合、もっと楽に修正することができないですかね?
その場合は、関数の「PROPER」を活用すると良いですよ!
では、PROPERの使い方について解説していきますね。
はじめに
この記事は関数の概要を把握していることが前提です。
関数の概要については以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は数式の概要を把握していることが前提です。 参考記事 数式の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。 関数とは 関数とは、数式の構成要素の1つであり、固有の計算/処理の機能がセットされた数式のことです。 …
元データの英字を先頭文字のみ大文字で表記を統一したい場合は「PROPER」が有効
手入力するデータは「表記ゆれ」が起きてしまうもの。
表記ゆれとは、人から見れば実質同じデータなのに、PC(Excel)から見ると別の表記になってしまっていることを指します。
その一例が、英字の大文字⇔小文字の混在です。
英字の大文字⇔小文字の表記ゆれがあると、これをキーにした場合の検索や集計ができない、あるいは結果が狂うというリスクがあります。
よって、事前に英字の表記ルールを統一することが必要です。
こんな場合、関数の「PROPER」を使うことで、文字列に含まれる英字を自動的に「先頭文字のみ大文字(以降は小文字)」へ変換することが可能となります。
ちなみに、PROPERは「プロパー」と呼びます。
よって、英字を先頭文字のみ大文字(以降は小文字)で表記を統一したい場合はPROPERを使用していきましょう。
「大文字」で表記を統一したい場合は「UPPER」、「小文字」で表記を統一したい場合は「LOWER」を使用してください(詳細は以下の記事を参照)。
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照 …
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照 …
PROPERの構文
PROPERの構文は以下の通りです。
=PROPER(文字列)
文字列中の各単語の先頭文字を大文字に変換した結果を返します。
文字列に含まれる英字をすべて小文字に変換します。
引数名 | 必須 | データ型 | 説明 |
---|---|---|---|
文字列 | ○ | 文字列 | 変換対象のセル(値が文字列)を指定します。 |
文字列に英字が含まれない場合は、文字列は変換されません(戻り値=引数「文字列」に指定した値)。
【参考】PROPERは「文字列操作関数」
あくまで参考情報となりますが、PROPERはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「文字列操作」に分類されています。
実際にPROPERを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。
PROPERの使用結果イメージ
PROPERで英字を先頭文字のみ大文字(以降は小文字)へ変換したイメージは以下の通りです。
今回は「商品名」列の英字を先頭文字のみ大文字(以降は小文字)へ変換しました。
なお、PROPERは原則一つの関数で一つのセルのみが変換対象です。
ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。
【参考】PROPERの変換対象は文字列中の各単語
PROPERの変換対象は、類似関数のUPPERとLOWERと異なります。
- PROPER:文字列中の各単語(先頭文字および記号の次の文字)
文字列中に記号がある場合、記号の前後がそれぞれ単語と認識される - UPPER・LOWER:文字列すべて
イメージは以下の通りです。
こうした仕様だと理解しておきましょう。
PROPERの数式の挿入手順
上記の結果を得るための手順は以下の通りです。
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はH2セル - 「=prop」と入力
- サジェストから「PROPER」を選択し、「Tab」キーで確定
- 変換対象のセルを選択
※今回はD2セル - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はH3~H21セルへペースト
手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
テーブルの場合、手順⑥は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
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ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はH2セル - 「=prop」と入力
- サジェストから「PROPER」を選択し、「Tab」キーで確定
- 変換対象のセルを選択
※今回はD2セル - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はH3~H21セルへペースト
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
PROPERは表記ゆれを修正する際に役立つ関数のうちの一つです。
定期的に同じ表記ゆれを修正する機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。
なお、PROPER以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
PROPERとセットで覚えておいた方が良い関数は大文字に変換するUPPERと小文字に変換するLOWERです。
文字列操作関数は大体は同じ使い方になるため、関数ごとの機能を把握すればOKです。