売上が目標達成しているか、前月比より向上しているかの2つの条件のいずれか一方がクリアしているか判断したいです。。
この場合はどうすれば良いですかね?
その場合は、関数の「OR」を活用すると良いですよ!
では、ORの使い方について解説していきますね。
はじめに
この記事は関数の概要とIFの使い方を把握していることが前提です。
関数の概要とIFの使い方の詳細は以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は数式の概要を把握していることが前提です。 参考記事 数式の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。 関数とは 関数とは、数式の構成要素の1つであり、固有の計算/処理の機能がセットされた数式のことです。 …
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照ください。 条件判定の結果を値で表示したい場合は「IF」が有効 実務では、既存データに対して基準値を条件に評価 …
論理式をOR条件にしたい場合は「OR」が有効
通常、IF等の論理式は1つの条件で行うものです。
ただし、実務では複数条件で判定することもあります。
たとえば、集計した売上金額が「目標達成しているか否か」と「前月比より向上しているか否か」といったイメージです。
この複数条件のいずれか1つをクリアすることを条件にしたものを「OR条件」と言います。
このOR条件を判定したい場合、関数の「OR」を使うと良いです。
ORは「オア」と読む。
ORを使うことで、複数の論理式をOR条件にして真偽(TRUE/FALSE)の判定ができます。
論理式をAND条件にしたい場合は「AND」を使用してください(詳細は以下の記事を参照)。
はじめに この記事は関数の概要とIFの使い方を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要とIFの使い方の詳細は以下の記事をご参照ください。 論理式をAND条件にしたい場合は「AND」が有効 通常、IF等の論理式は …
【参考】AND条件とOR条件の違い
2つの条件の場合を例として、AND条件(条件1かつ条件2)とOR条件(条件1または条件2)の違いを次の通りまとめてみました。
このように、AND条件はすべての条件をクリアしたい場合のみ「TRUE」になるのに対し、OR条件はいずれかの条件をクリアすれば「TRUE」になります。
AND条件の方が厳しく、OR条件の方が緩いとも言えますが、どちらが良い等はありません。
実務上のケースに合わせて最適な方をお使いください。
ORの構文
ORの構文は以下の通りです。
=OR(論理式1,[論理式2],…)
いずれかの引数がTRUEのとき、TRUEを返します。引数がすべてFALSEである場合は、FALSEを返します。
引数名 | 必須 | データ型 | 説明 |
---|---|---|---|
論理式1 | ○ | 論理 | 結果が真(TRUE)または偽(FALSE)となる論理式を指定します。 |
論理式2 ※論理式3以降も同様 |
- | 論理 | 結果が真(TRUE)または偽(FALSE)となる論理式を指定します。 |
引数「論理式n」は最大255まで設定可能。
引数「論理式n」に文字列や空白セルが含まれる場合は無視される。
引数「論理式n」すべてに論理値が含まれない場合、エラー値「#VALUE!」が表示。
【参考】ORは「論理関数」
あくまで参考情報となりますが、ORはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「論理」に分類されています。
実際にORを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。
ORの使用結果イメージ
ORを使い、条件判定するイメージは以下の通りです。
今回は「④達成率」列と「⑤前月比」列を対象に、いずれかが100%以上か否か論理値を返しました。
上記のように計算列としてORを使う場合、1レコードにつき1つの関数を使います。
「計算列」とは、数値/日付/時刻の列の値を計算した新たな列のこと。
ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。
なお、今回は各引数で参照しているJ5セルは全レコードで参照を固定するため、絶対参照にしています。
絶対参照/相対参照の詳細については以下の記事をご参照ください。
関数の数式を直接入力できるようになってきました! もっと関数を実務で役立てていくために、他に覚えておいた方が良いことはありますか?? …
ORの数式の挿入手順
上記の結果を得るための手順は以下の通りです。
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はG5セル - 「=or」等と入力
- サジェストから「OR」を選択し、「Tab」キーで確定
- 1つ目の論理式を入力
※今回は「E5>=$J$5」 - コンマ(,)を入力
- 2つ目の論理式を入力
※今回は「F5>=$J$5」 - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はG6~G8セルへペースト
手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
3つ目以降の論理式を加える場合、手順⑤⑥を繰り返す。
テーブルの場合、手順⑧は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。
【応用】ORはIFと組み合わせることが一般的
本記事では分かりやすいようにOR単独の使い方を解説していますが、実務ではIFと組み合わせて使うことが一般的です。
その際、IFの引数「論理式」へORの数式を代入(ネスト)すればOKです。
これで、OR条件の結果に応じてIFの引数「値が真の場合」・「値が偽の場合」の値を表示できます。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
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ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はG5セル - 「=or」等と入力
- サジェストから「OR」を選択し、「Tab」キーで確定
- 1つ目の論理式を入力
※今回は「E5>=$J$5」 - コンマ(,)を入力
- 2つ目の論理式を入力
※今回は「F5>=$J$5」 - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はG6~G8セルへペースト
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
ORは既存データに対する条件判定を自動化するのに役立つ関数の一つです。
OR条件で判定する機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。
なお、OR以外にもExcel関数の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
ORとセットで覚えておいた方が良い関数は、論理式をAND条件にできる「AND」です。
IFと組み合わせ、実務のケースに最適な数式をつくれるようになりましょう!
“【関数】論理式をOR条件(条件1かつ条件2)にできる「OR」の使い方” への1件のフィードバック