【関数】複数データを1つの文字列に連結できる「CONCATENATE」の使い方
AさんAさん

住所の「都道府県」と「市区町村」以降など、複数のデータを1つにまとめたいですが、どう作業したら効率的ですかね?

森田森田

その場合は、関数のCONCATENATEを活用すると良いですよ!
では、CONCATENATEの使い方について解説していきますね。

はじめに

この記事は関数の概要を把握していることが前提です。

参考記事

関数の概要については以下の記事をご参照ください。

元データの複数の文字列を連結したい場合は「CONCATENATE」が有効

実務では、既存のデータと使いたいデータで粒度が合っていないケースがあります。

たとえば、「都道府県」と「市区町村+番地」のように、列を分けて管理されているものを一つにまとめたいといったイメージです。

この解決策は、既存データの複数列を連結した列を用意することです(例:「都道府県」と「市区町村+番地」を連結)。

この連結を行うには、文字列演算子のアンパサンド(&)がオーソドックスです。

ただし、既存データをセル参照で連結することが多いなら、数式の設定がより簡単な関数のCONCATENATEを使うと良いです。
ちなみに、CONCATENATEは「コンカティネート」と呼びます。

CONCATENATE」を使うことで、複数のデータを連結し、1つの文字列にまとめることを自動化できます。

また、アンパサンド(&)より、CONCATENATEの数式の方が、連結対象の文字列の境目が分かりやすく、数式の可読性が上がります。

参考記事

文字列の連結を自動化する関数は、他に「CONCAT」や「TEXTJOIN」があります(詳細は以下の記事を参照)。


CONCATENATEの構文

CONCATENATEの構文は以下の通りです。

=CONCATENATE(文字列1,[文字列2],...)
複数の文字列を結合して1つの文字列にまとめます。

引数名 必須 データ型 説明
文字列1 文字列 連結対象の値またはセルを指定します。
※先頭の文字
文字列2 文字列 連結対象の値またはセルを指定します。

引数「文字列n」は最大255まで設定可能です。
引数「文字列n」はセル範囲を参照することはできません(スピル対応環境の場合、セル範囲を参照することで戻り値がスピルされます)。

【参考】CONCATENATEは「文字列操作関数」

あくまで参考情報となりますが、CONCATENATEは文字列操作関数です。

ただし、リボン「数式」タブの関数ライブラリ上では「その他の関数」の「互換性」に分類されています。
Excel2007以前のバージョン(Excel97-2003ブック(*.xls)含む)と互換性があります。

実際にCONCATENATEを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。

CONCATENATEの使用結果イメージ

CONCATENATEで対象データを連結したイメージは以下の通りです。
今回は「都道府県」列と「市区町村+番地」列の各文字列を連結しました。

なお、上記の通り複数列のレコード単位で連結する場合、CONCATENATEは原則一つの関数で一つのレコードのみが連結対象です。

ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。

CONCATENATEの数式の挿入手順

上記の結果を得るための手順は以下の通りです。

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はE2セル
  2. =conc」等と入力
  3. サジェストから「CONCATENATE」を選択し、「Tab」キーで確定
  4. 連結対象のセルを選択(または定数を入力)
    ※今回はC2セル
  5. コンマ(,)を入力
  6. 連結対象のセルを選択(または定数を入力)
    ※今回はD2セル
  7. Enter」キーで確定
  8. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はE3~E11セルへペースト

手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
引数「文字列n」を連続でセル参照する場合、「Ctrl」キーを押下しながらセル選択を行うことで、引数の間のコンマ(,)が自動入力される。
引数「文字列n」を3種類以上にする場合、手順⑥の後に手順⑥を繰り返すこと。
テーブルの場合、手順⑧は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_ワークシート関数_CONCATENATE.xlsx

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(上記リンクから登録フォームへ遷移します)

ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はE2セル
  2. =conc」等と入力
  3. サジェストから「CONCATENATE」を選択し、「Tab」キーで確定
  4. 連結対象のセルを選択(または定数を入力)
    ※今回はC2セル
  5. コンマ(,)を入力
  6. 連結対象のセルを選択(または定数を入力)
    ※今回はD2セル
  7. Enter」キーで確定
  8. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はE3~E11セルへペースト

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

CONCATENATEはデータの連結に役立つ関数の一つです。

定期的にデータ連結の作業を行う機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。

なお、CONCATENATE以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。



ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

CONCATENATEとセットで覚えておいた方が良い関数は、同じデータ連結に役立つ関数のCONCATTEXTJOINです。
これらはExcel2019以降のバージョンで使用可能な新しめの関数です。
利用可能な環境にある方は、こちらの関数も便利なので、ぜひセットで覚えると良いでしょう。