関数とはどんな機能か?活用の流れや手順、使い方まとめ
AさんAさん

デスクワークでExcel使って数値を入力していますが、手作業で計算するのが面倒で計算ミスも怖いです・・・。
もっと楽に、正確にできる方法ありますかね?

森田森田

デスクワークの効率化には「関数」を使うと良いですね。
良くある作業に適したものから少しずつ覚えていけば難しくないですよ!

では、順番に解説していきますね。

はじめに

本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。

  • 実務でExcelを用いる事務作業が多い方
  • Excelの入力や計算を手作業で行っている方
  • 関数がどんな機能か知りたい方

関数とは

関数とは、特定の計算や処理を行う内容がセットされた数式のことです。
ここでの説明はワークシート上で用いる「ワークシート関数」を指しています。

数式を用いたセルは、数式の計算や処理をした結果がセル上には表示されます。(数式は該当のセルを選択時に数式バーで確認可能)

こうした数式の結果のことを「戻り値(返り値)」と言います。

なお、関数の数は400種類以上あり、代表的なものは「合計」を集計する「SUM」、「個数」を集計する「COUNTA」等があり、それぞれ特有の効果があります。

ご覧の通り、同じ元データであっても関数が違うと結果も異なり、それぞれの役割に関する作業を自動化できます。

なお、関数で自動化できる主な作業は以下の通りです。

  • 数値の計算/集計(合計や個数等)
    SUMCOUNTASUMIFSCOUNTIFS
  • 条件に合致するデータの検索/転記
    VLOOKUPINDEX
  • 条件に応じた値の表示(条件分岐)
    IF
  • 日付/時刻の取得/計算(年・月・日から日付作成、日付間の日数等)
    DATEWORKDAYNETWORKDAYS
  • 文字の整形/変換(大文字↔小文字、全角↔半角、置換等)
    ASC/JISUPPER/LOWERSUBSTITUTE
  • セル番地/行数/列数の取得
    MATCHROW

上記は一例ですが、こうした作業を関数で自動化することで、ワークシート上の手作業を大幅に減らすことができ、作業の時短やミス抑止につながります。

【参考】関数は数式の構成要素の一つ

Excelの数式はイコール(=)の後に次の4つの要素のいずれか、またはすべてを組み合わせて記述されるものです。
ご覧の通り、関数もその構成要素の中の一つです。

  1. 定数:数式上に直接入力する数値や文字列
  2. セル参照:A1等のセル番地
  3. 演算子:「+」や「-」等の基本的な計算や処理を行う記号
  4. 関数
参考記事

数式や各構成要素の詳細を知りたい方は以下の記事もご参照ください。


関数の構成要素

続いて、関数を構成する要素は次の4つです。

  1. イコール(=
  2. 関数名
  3. カッコ()
  4. 引数

~③はすべての関数で共通ですが、④の引数は関数によって異なります。

なお、引数とは、関数の材料となるデータを指し、引数ごとに設定できるデータの種類(データ型)が決まっています。

その他、引数のルールとして、以下があります。

  • 引数が複数ある場合はコンマ(,)で区切る
  • 角カッコ([])で囲まれた引数は省略することも可能
    ※省略した場合にどうなるかは、各関数の詳細を要確認
参考記事

関数の基本ルールの詳細を知りたい方は以下の記事をご参照ください。

関数を使う際の作業ステップ

この関数ですが、大枠のイメージは次の3ステップで設定していきます。

では、各ステップの詳細について、SUMを例に解説していきましょう。

STEP1】元データを準備

関数を活用する上で、最初に行うべきは、元データを準備することです。

なお、その際は使用する関数の引数で指定されたデータ型(SUMなら数値データ等)を用意しましょう。

セル参照する必要がない場合は、このステップは不要です。

STEP2】ベースの数式を挿入

元データが用意できたら、次はワークシート上の任意のセルへ関数の数式を挿入しましょう。

事前にIMEの入力モードは「半角英数」にした上で以下の手順を実施していきます。

関数を挿入するセルを選択(①)したら、=」を入力(②)し、任意の関数名の1~3文字入力(③)します。(SUMなら「su」等)

そこでサジェストされた一覧から該当の関数名を選択し、「Tab」キーで確定(④)すると、「=関数名(」がセットされるため、あとは任意の引数を設定(⑤)(セル参照や定数の入力)し、Enter」キーで確定(⑥)して完了です。

手順⑥にて数式の最後の「)」が自動入力されます。

参考記事

手順⑤でセル参照を行い、かつSTEP2の数式を他セルへコピペして使い回したい場合、状況にあった参照形式(絶対参照/相対参照)を設定する必要があります。
詳細は以下の記事をご参照ください。

参考記事

上記の通り、私は「関数の挿入」ダイアログではなく、関数の数式をセルへ直接入力する方法を推奨しています。理由は以下の2点です。

  • 単純に直接入力の方法がスピード的に速いこと
  • 今後複数の関数を一つの数式に組み合わせて使う際、こちらの方が数式を記述しやすいため

詳細を知りたい方は以下の記事をご参照ください。

STEP3STEP2の数式をコピー&ペースト

最後に、STEP2で挿入したベースの数式をその他のセルへコピー&ペースト(コピペ)します。

コピペはベースの数式をコピー(Ctrl+C)し、他セルへペースト(Ctrl+V)でも良いですし、ベースの数式のセルの右下をダブルクリック(オートフィル)でのコピペのいずれかで対応しましょう。

STEP2をセットしたセルがテーブル内で自動的にコピペされた場合、あるいはそもそもコピペが不要な場合は、このステップは不要です。

関数による効率化は、いかに1つの数式をコピペして複数セルに使い回していくかが非常に重要です。

コピペ後の数式の結果が問題ないか、「F2」キー等で忘れずにチェックすることをおすすめします。

参考記事

数式の代表的なチェック方法は以下の記事をご参照ください。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

関数は、Excelの主要機能の一つであり、これからちゃんとExcelを学びたい方は、最初に覚えるべき機能です。
それは、関数には次のような特性があるからです。

  • セルが対象なので、使う場所の制約が少ない
  • 関数は一つ一つで独立しているため、必要なものを都度学習すればすぐに実務に使える

こうした特性を踏まえ、SUM等の簡単なものから順に主要な関数を一つずつ覚えていくと、ステップアップしている実感が得られ、「もっと新しい関数を覚えたい!」というモチベーションが高まります。

なお、関数の各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

関数はある程度使えるようになった際は、Excelの他の主要機能にもチャレンジしてみると良いでしょう。

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

私がExcelに最初にハマったのはVLOOKUPでした。
1つのセルを書き換えただけで、複数セルの値が瞬時に切り替わるのが魔法のようでワクワクしたのを覚えています。

こうした体験をすると、「自分が知らないだけで、もっと他にも便利な関数や機能があるのでは?」と考えられるようになり、意識せずともスキルアップするものです。
ぜひ、そうした経験を一人でも多くの方に実感していただきたいですね。