

エクセルの関数を使えるようになりたいんですが、最初に知っておいた方が良いことはありますか?

関数は種類が多いですが、まずは共通となる基本的なルールさえ覚えておけば大丈夫ですよ!
あとは、SUM関数などの簡単な関数や、実際に使いたい関数の構文を都度覚えていけば問題ないです。
では、もっと具体的に説明していきますね。
はじめに
本題に入る前に、この記事がおすすめな人を挙げてみます。
- Excel(エクセル)の関数の構文の読み方を知りたい人
- Excel(エクセル)の関数の基本ルールを理解したい人
- Excel(エクセル)の参照演算子の種類ごとの使い方を理解したい人
当てはまる方は読み進めてくださいね。
ちなみに、最低限「数式とは何か」を知っている想定での記事となります。
ご存じない方はこちらを先にご参照ください。
→【超初心者向け】Excel(エクセル)の「数式」とは
関数は400種類以上ある!
まず、前提条件として、関数は400種類以上あり、それぞれが固有の機能を持っています。
たとえば、A1~A5セルに1~5の数値が入っていたとします。
このセル範囲をSUM関数とAVERAGE関数の2つの関数でそれぞれ計算した結果が以下のとおりです。
SUM関数は合計値を求める関数なので、1~5をすべて足しあげた”15”が計算結果となっています。
一方のAVERAGE関数は平均値を求める関数なので、1~5の平均となる”3”が計算結果となっています。
このように、同じ計算対象だとしても、関数によって計算結果が異なるんですね。
ちなみに、他にどんな関数が気になる方はこちらのページもご参照くださいね。
Excel関数一覧(読み方・語源含む) | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~
関数はそれぞれ構文が違う!
関数を実際に使う上で理解しておきたいものが、「構文」です。
構文は以下のようなイメージです。
上記のSUM関数であれば、「=SUM(数値1,[数値2],…)」が構文ですね。
こういった算数や数学でいう「公式」のようなものが構文であり、構文は関数の数だけ存在します。
中には、構文の構成が似ている関数もあり、AVERAGE関数なら「=AVERAGE (数値1,[数値2],…)」となり、関数名のところ以外は共通ですね。
しかし、IF関数なら「=IF(論理式,[真の場合],[偽の場合])」とまったく異なる場合もあります。
こういう各関数の構文の特徴はいろいろと使っているうちに覚えてくる部分なので、各関数に慣れるまではエクセルで指定される都度確認して覚えていきましょう。
関数の基本ルールを理解しよう!
数式の記事でも説明しましたが、セルの数式自体は「数式バー」に、計算結果はワークシートのセル上に表示される点は数式の一部である関数ももちろん一緒です。
戻り値(返り値)
関数の計算結果は、「戻り値」あるいは「返り値」といいます。(名称の違いは"return value"を和訳した際に分かれただけという意見が多いです。)
ちなみに、この戻り値(返り値)のデータ形式は関数によって異なります。
これは、「関数の引数」ダイアログを見れば確認することができます。
関数の機能説明の文章を読み解くしかないですが、慣れてくると分かるようになります。
なお、「関数の引数」ダイアログの表示方法は次の記事のSTEP1をご参照ください。
「関数の引数」ダイアログの入力欄に別の関数を入力する方法 #EXCEL #関数 | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~
構文の構成要素
構文を分解すると、以下の3要素から構成されています。
イコール[=]+関数名+カッコ[()]
こちらは固定値ですね。
SUM関数の例でいえば、「=SUM()」の部分です。
関数名の部分だけは関数ごとで異なります。
引数
構文のカッコ[()]の中にある部分ですね。SUM関数でいえば、「数値1」や「数値2」という名称がついているものが引数となります。
この引数は、いわば関数の計算材料となり、構文内に複数の引数がある場合は、カンマ[,]で区切るというルールになっています。
まれに[]で囲われている引数がありますが、この場合は省略できる引数となりますので、状況に応じて活用しましょう。
なお、それぞれの引数で指定できるデータ形式は決まっており、「関数の引数」ダイアログの以下の部分を見れば判断できますよ。(一部わかりにくいですが)
ちなみに、このデータ形式さえ守れば、数式中に定数を入れようが、セル参照させても良いです。
定数・セル参照の意味が分からない方は、数式の記事をご参照ください。
【超初心者向け】Excel(エクセル)の数式と関数の違いは? | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~
関数の中上級者になると、別の関数と組み合わせて、その関数の戻り値(返り値)を引数として活用する、ということもできますよ。
こちらは、別記事にでも後日まとめてみたいと思います。
参照演算子
参照演算子は主に、引数として複数のセルを対象にセル参照させる場合に活用します。
3種類あり、それぞれ以下の通りです。
演算子 | 読み方 | 説明 | 例 |
---|---|---|---|
: | コロン | セル範囲の参照演算子。指定した2つのセル参照と、その間に含まれるすべてのセルによって構成される1つの参照を作成する | SUM(A1:B5) |
, | カンマ | 複数選択の参照演算子。複数の参照を 1つの参照に結合する | SUM(A1:B2,A4:B5) |
スペース | 共通部分を示す参照演算子。2つの参照に共通するセル参照を作成する | SUM(A1:A5 A2:B3) |
この3種類の参照演算子の違いを理解するために、同じワークシートのセルをSUM関数の引数「数値1」にそれぞれ参照してみます。
コロン[:]
コロン[:]がもっとも使用頻度が高いので、少なくともこれだけは覚えておきましょう。
複数の連続したセルを範囲指定したい場合に使います。
A1~B5セルを指定した場合は以下のとおりです。
上図の例の計算結果はA1~B5セルにそれぞれの値をすべて合計した値の”55”がSUM関数の計算結果となります。
ちなみに、この演算子を用いた際、「〇:□」となりますが、〇のセルがセル範囲の左上、□のセルが右下になるルールです。
カンマ[,]
カンマ[,]も複数セルを指定するためのものですが、コロン[:]と違う点は離れたセルをいっしょの引数にしたい場合に使う点です。
たとえば、A1~B2セルとA4~B5セルをいっしょに引数「数値1」にする場合は以下のとおりです。
上図の例の計算結果はA1~B2セルとA4~B5セルのそれぞれの値をすべて合計した値の”44”がSUM関数の計算結果となります。
計算対象にしたいセルがこのように不連続の場合に使うイメージを持ってください。
スペース[ ]
最後にスペース[ ]ですが、これはかなりマニアックなものなので、あくまでも参考程度に紹介します。
こちらは、2つの参照範囲で共通するセルのみを計算対象にすることができます。
たとえば、A1~A5セルとA2~B3セルの重複するセルのみを引数「数値1」にしたい場合は、以下のとおりとなります。
上図の結果、重複するセルはA2・A3セルとなり、2セルの合計値”5”がSUM関数の計算結果となります。
正直これは実務ではあまり使うケースはないと思います。(少なくとも、私は実務で使ったことがないです)
さいごに
関数は料理でいうレシピみたいなものです。
料理では、ジャガイモ・ニンジン・お肉といった同じ材料でも、カレーや肉じゃがなど複数のメニューがつくれるように、関数も同じ数値データという材料をもとにSUM関数なら合計値、AVERAGE関数なら平均値というまったく別な計算できますし、そもそも別な材料が必要なメニューもある、というようなイメージですね。
最初は使える関数は少ないと思いますし、各関数の固有のルールもあるので戸惑うこともあるかと思いますが、少しずつ実務の中で試してみて、使える関数を増やしていくと良いですね。
次回は関数の引数に指定するのはセル参照を原則にすべき理由について解説したいと思います。
ご参考になれば幸いですm(_ _)m

私も本当に最初はSUM関数くらいしか使えない状態でしたし、上記のルールは本当に手を動かす中で経験則的に覚えていった感じです。
ただ、イチから学習するなら、手を動かすことはもちろんですが、基礎の知識もいっしょに学んだ方が遠回りしなくて済んだなーと思います。