ピボットテーブルとはどんな機能か?活用の流れや手順、使い方まとめ
AさんAさん

Excelでいろいろな切り口で集計するのに、いちいち関数を組み直すのが大変です。。

もっと楽に集計できる方法ってないですかね?

森田森田

いろいろな切り口で集計したいなら、「ピボットテーブル」がおすすめです!

マウス操作中心で集計条件を自由に切り替えて集計することができますよ!

では、詳細を解説していきますね。

Excelステップ講座

解説動画:【ピボットテーブル#1】「ピボットテーブル(Pivot Table)」とはどんな機能か?大枠の流れや手順、使い方まとめ

この記事の内容は下記の動画でも解説しています。

はじめに

本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。

  • Excelでデータの集計・分析作業を行うことが多い方
  • ピボットテーブルを実務で使う機会がある方
  • ピボットテーブルがどんな機能か知りたい方

ピボットテーブルとは

表形式のデータ(A)を元に集計表(B)を作成する機能のことを「ピボットテーブル」と言います。

リボン「挿入」タブ上の「ピボットテーブル」コマンドを実行することで、ワークシート上にピボットテーブルを挿入することが可能です。

ちなみに、元データとなる表Aのことを「データソース」集計表となる表Bのことを「ピボットテーブル(レポート)」と呼びます。

ピボットテーブルのイメージは以下の通りです。

なお、ピボットテーブルを直訳すると、「ピボット」は「回転軸」、「テーブル」は「表」なので、「回転軸のある表」になります。

ここでいう「回転軸」とは、集計を行う「軸」、つまり集計の条件や切り口のことです。

  • 日時
  • 顧客
  • 部署
  • 商品
  • 地域

ピボットテーブルは、こうした集計の軸をマウス操作中心に切り替えでき、集計・分析の時短に役立つので非常に便利です。

このピボットテーブル単体をテーマとした本がいくつも出ているくらい、ビジネスパーソンが覚えたいExcel機能の一つに挙げられます。

ピボットテーブルの作業ステップ

このピボットテーブルですが、大枠のイメージは次の4ステップとなります。

では、各ステップの詳細を見ていきましょう。

STEP1】元データ(データソース)を準備

ピボットテーブルで集計する上で、最初に行うべきは、元データ(データソース)を準備することです。

ここで大事なことが2点あります。

まず、1つ目は元データをピボットテーブルできちんと集計できる表にしておくことです。

実は、ピボットテーブルは元データの表によっては集計ができない、あるいは集計しにくいケースが発生します。

よって、元データがピボットテーブルで集計できるように、あらかじめ表を整形・加工しないといけません。

ちなみに、最低限以下のルールを守る必要があります。

  1. 表の見出しを1行にすること
  2. 表の見出し名をすべて入力しておくこと
  3. 表の中に結合セルがないこと
  4. 表の中に空白レコードをつくらないこと
  5. 1列同一種類のデータにすること

このルールを理解していないと、ピボットテーブルでつまずき、「ピボットテーブルは使いにくい」と苦手意識を持ってしまいかねません。

なので、まずはこのルールをしっかり理解することから始めましょう。

上記ルールの詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

続いて、2点目は、集計の切り口となるデータを列情報として用意することです。

ピボットテーブルでの集計は、列単位を集計条件に設定することが基本となります。

一例として部署別の売上を集計したい場合、最低でも「売上額」と「部署」のデータをまとめた列を用意する必要がありますね。

STEP2】ピボットテーブル(レポート)を挿入

元データが用意できたら、次はピボットテーブル(レポート)をワークシートへ挿入します。

元データの表のいずれかのセルを選択(①)したら、リボン「挿入」タブをクリック(②)し、「ピボットテーブル」をクリック(③)しましょう。

すると、「ピボットテーブルの作成」ダイアログが起動します。

基本はデフォルトの設定のままで問題ありません。

あとは、OK」をクリック(④)すると、新規ワークシートへピボットテーブルが挿入されます。

「ピボットテーブルの作成」ダイアログの主な設定項目

基本的にはデフォルト設定で問題ありませんが、状況に応じて設定変更する可能性が高い項目2点について解説します。

まずは、1点目は最上段の「テーブル/範囲」のボックスです。

こちらは、手順①で選択した元データがテーブルならテーブル名が、テーブル以外ならセル範囲(A1:B10など)が表示されます。

もし、手順①で選択したセルから自動的に読み込まれたセル範囲がおかしい場合は、「↑」ボタンをクリックして、正しい範囲を選択し直しましょう。

続いて、2点目はピボットテーブルレポートの配置場所です。

デフォルトは「新規ワークシート」が選択されていますが、場合によっては1つのシートに複数のピボットテーブルを並べるなど、既存のワークシートへ挿入したいケースがあります。

その場合、「既存ワークシート」を選択の上、該当のセルを選択しましょう。

STEP3】「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウで集計条件をセット

ピボットテーブル(レポート)がワークシート上に挿入されると、シート右側に「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウが表示されます。
(このウィンドウを「フィールドリスト」と言う場合もあります)

「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウの画面構成

このウィンドウの画面構成は以下の通りです。

フィールドセクション

ウィンドウ上部のSTEP1で準備した元データのフィールド(列)が一覧になっている部分です。

こちらが集計条件の候補となります。

エリアセクション

ウィンドウ下部の4つのボックス(「値」・「行」・「列」・「フィルター」)の部分です。

この4つのボックスは集計表(ピボットテーブルレポート)の構成要素となります。

集計条件の設定方法

ピボットテーブルの集計条件を設定するには、フィールドセクションの任意のフィールド(列)をドラッグし、エリアセクションの任意のボックスへドロップすることです。

そうすると、各ボックスに設定された内容をもとに、自動的に集計表(ピボットテーブルレポート)がワークシート上に作成されます。

ちなみに、エリアセクションのボックスで最重要なのは「値」ボックスです。

慣れないうちは、最初に合計や個数を集計したいフィールドを真っ先に「値」ボックスへドロップし、その後にその他のボックスへフィールドを設定すると、集計表を作成しやすいです。

なお、「行」ボックスは集計表の縦軸、「列」ボックスは集計表の横軸を設定できます。

この2つのボックスの設定次第で集計表のレイアウトパターンを変更できます。

代表的な集計表レイアウトの作り方の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

「フィルター」ボックスの詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

STEP4】ピボットテーブル(レポート)の書式設定

集計条件まで設定できたら、最後の仕上げとしてピボットテーブル(レポート)の書式設定を行い、体裁を整えましょう。

書式設定を行う一例としては、以下の通りです。

  • 表示形式を設定する
  • 列の幅や行の高さを整える
  • データの並べ替えを行う
  • 不要なデータはフィルターをかける
  • ピボットテーブルレポートの色を変える

こうした見栄えを整えることで、読み手にとってより見やすく分かりやすい集計表にすることが可能になります。

こちらも各種設定方法の詳細は別記事で解説予定です。

代表的な書式設定の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

元データ(データソース)とピボットテーブル(レポート)の関係性

ちなみに、元データ(データソース)とピボットテーブル(レポート)は常時連動しておりません。

たとえば、関数であれば、元データを修正すると即時で計算結果が変わります。
(計算方法が「手動」の場合除く)

しかし、ピボットテーブルの場合は、元データを修正しても、自動的にピボットテーブル側の計算結果は変わりません。

この場合、元データの修正を反映したい場合は、ピボットテーブルの「更新」を行う必要があります。
(つまり、ピボットテーブルは常時「手動計算」というわけです)

更新する方法ですが、ピボットテーブル上で右クリック(①)し、「更新」をクリック(②)すればOKなので簡単です。

その他、ピボットテーブル側の複製や修正、削除などの各操作は元データ(データソース)には一切影響しません。

複数の条件で集計表を作成する際、この性質を利用すると時短になります。

たとえば、部署別に集計表を作成する場合、1つベースとなるピボットテーブルの集計条件や書式を設定したら、部署の数だけシートとピボットテーブルをコピペで複製し、シート別に部署の情報のみ変更してあげるといったイメージですね。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_ピボットテーブル_挿入.xlsx

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(上記リンクから登録フォームへ遷移します)

ファイルを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)

  1. 元データの表のいずれかのセルを選択
  2. リボン「挿入」タブをクリック
  3. 「ピボットテーブル」をクリック
  4. 「OK」をクリック

ここまでで新規ワークシートへピボットテーブルレポートを挿入できたと思います。

あとは、本記事のSTEP3と同じように「値」ボックスへ「金額」を、「行」ボックスへ「商品名」をドロップして同じ結果になばOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

ピボットテーブルは、Excelの機能の中でも本当に利用頻度が高く、実務への応用範囲も広いため、ぜひとも覚えてほしい機能のひとつです。

また、ピボットテーブルは集計だけでなく、集計表も自動的に作成してくれるので時短効果も大きいですし、何よりマウス操作中心で直感的に操作できるため、簡単かつ便利なので使わないと「損」と言っても過言ではないでしょう。

関連記事を拡充次第、本記事の各ステップへリンクを適宜追加していきますので、実務で活用する際に、ぜひご活用くださいね。

なお、ピボットテーブルの各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

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ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

私は「関数で何でもできる!」と思っていて、ピボットテーブルを覚えることをだいぶ後回しにしていました。

しかし、上司がピボットテーブルでサクッと集計しているのを目の当たりにしてからピボットテーブルを本格的に覚えると、今まで意固地に関数にこだわっていた自分が愚かだったことを思い知りました・・・。

正直、瞬発的な集計でピボットテーブルの右に出る機能はないため、ぜひ皆さんも覚えてみてくださいね!