Excelで数値を切り捨てする機能はありますか?
税金や金額の計算などで切り捨てが必要ですが、できれば自動化したいです・・・。
その場合は、関数の「INT」を活用すると良いですよ!
では、INTの使い方について解説していきますね。
はじめに
この記事は関数の概要を把握していることが前提です。
関数の概要については以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は数式の概要を把握していることが前提です。 参考記事 数式の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。 関数とは 関数とは、数式の構成要素の1つであり、固有の計算/処理の機能がセットされた数式のことです。 …
数値データを整数に切り捨てしたい場合は「INT」が有効
実務では、数値の計算結果を切り捨てし、少数などの端数を丸めたいケースがあります。
たとえば、税金や金額の計算など、支払いや請求ができる整数の金額を算出するイメージです。
こんな場合、関数の「ROUNDDOWN」を使うことが一般的です。
ただし、整数に切り捨てしたいなら、関数の「INT」を使った方が数式をシンプルにできます。
INTは「インテジャー」と読む。
INTを使うことで、対象の数値データを整数に切り捨てできます。
切り捨てのように計算結果の数値を丸める「端数処理」は、他に四捨五入、切り上げがある。
INTは整数限定の切り捨てのため、必要な引数が1つのみです(詳細は「INTの構文」を参照)。
ROUNDDOWNの詳細は以下の記事をご参照ください。
また、四捨五入なら「ROUND」、切り上げなら「ROUNDUP」を使用してください(詳細は以下の記事を参照)。
Excelで数値を切り捨てする機能はありますか? …
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照 …
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照 …
INTの構文
INTの構文は以下の通りです。
=INT(数値)
切り捨てて整数にした数値を返します。
引数名 | 必須 | データ型 | 説明 |
---|---|---|---|
数値 | ○ | 数値 | 切り捨て対象の値や単一セルを指定します。 |
【参考】INTは「数学/三角関数」
あくまで参考情報となりますが、INTはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「数学/三角」に分類されています。
実際にINTを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。
INTの使用結果イメージ
INTを使い、対象の数値データを切り捨てたイメージは以下の通りです。
今回は「金額_税抜」列×「0.1(10%)」の結果を整数で切り捨てました。
上記のように計算列としてINTを使う場合、1レコードにつき1つの関数を使います。
「計算列」とは、数値/日付/時刻の列の値を計算した新たな列のこと。
ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。
INTの数式の挿入手順
上記の結果を得るための手順は以下の通りです。
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はI2セル - 「=int」等と入力
- サジェストから「INT」を選択し、「Tab」キーで確定
- 切り捨て対象のセルを選択 or 数値を入力
※今回はI2×0.1 - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はI3~I11セルへペースト
手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
テーブルの場合、手順⑥は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。
【注意】負の数はROUNDDOWNと結果が異なる
対象の数値データが負の数の場合、INTの使用に注意しましょう。
理由としては、純粋に小数点以下を切り捨てるROUNDDOWNに対し、INTは常に小さい数値へ切り捨てるという仕様の違いがあるためです。
実際に比較したものが以下です。
この通り、正の数は同じ結果ですが、負の数の場合は切り捨て結果に差異が必ず生じます。
INTは正の数を限定に使用することが無難ですね。
なお、類似関数のTRUNCの場合、負の数の処理はROUNDDOWNと同じ結果となります。
TRUNCはINT・ROUNDDOWNと同じ機能のため、あえて使い分ける必要なし。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
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ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はI2セル - 「=int」等と入力
- サジェストから「INT」を選択し、「Tab」キーで確定
- 切り捨て対象のセルを選択 or 数値を入力
※今回はI2×0.1 - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はI3~I11セルへペースト
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
INTは数値データの計算列の追加に役立つ関数の一つです。
定期的に計算列で整数の切り捨てを行う機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。
なお、INT以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
INTとセットで覚えておいた方が良い関数は、同じく切り捨てが可能なROUNDDOWNです。
また、四捨五入/切り上げといった他の端数処理に役立つROUND・ROUNDUPもセットで覚えておくとなお良いですね。