【関数】セル範囲の指定でも複数データを1つの文字列に連結できる「CONCAT」の使い方
AさんAさん

「都道府県」と「市区町村」、「番地」など、複数データの連結を「&」やCONCATENATEで設定するのがやや面倒です。。
もっと楽に行う方法はないですかね?

森田森田

その場合は、関数のCONCATを活用すると良いですよ!
では、CONCATの使い方について解説していきますね。

はじめに

この記事は関数の概要とCONCATENATEの使い方を把握していることが前提です。

参考記事

関数の概要とCONCATENATEの使い方の詳細は以下の記事をご参照ください。


連結対象のデータが多い場合は「CONCAT」が有効

データ連結を行う方法でオーソドックスなものは以下2種類の方法です。

  1. 文字列演算子のアンパサンド(&
  2. CONCATENATE

どちらも文字列もしくは単一セルを一つずつ連結していくため、対象のデータ数が多ければ多いほど数式の記述が大変です。
①②の比較では、①の方がより大変です。

この場合、セル範囲で連結対象のデータを指定できる関数のCONCATを使うと良いです。
ちなみに、CONCATは「コンカット」と呼びます。

CONCAT」を使うことで、複数データを1つの文字列に連結する数式の記述をセル範囲で指定でき、より楽に自動化できます。

なお、CONCATExcel2019以降またはMicrosoft365のバージョンで使用可能です。

参考記事

連結する際、区切り記号(文字)も入れたい場合は「TEXTJOIN」を活用すると良いです(詳細は以下の記事を参照)。

CONCATの構文

CONCATの構文は以下の通りです。

=CONCAT(テキスト1,[テキスト2],...)
テキスト文字列の一覧または範囲を連結します。

引数名 必須 データ型 説明
テキスト1 文字列 連結対象の値や単一セル、セル範囲を指定します。
※先頭の文字
テキスト2 文字列 連結対象の値や単一セル、セル範囲を指定します。

引数「テキストn」は最大254まで設定可能です。
引数「文字列n」で連結した結果が32,767 文字 (セルの上限) を超えると、エラー値「#VALUE!」が表示されます。

【参考】CONCATは「文字列操作関数」

あくまで参考情報となりますが、CONCATはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「文字列操作」に分類されています。

実際にCONCATを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。

CONCATの使用結果イメージ

CONCATで対象データを連結したイメージは以下の通りです。
今回は「都道府県」~「番地」列の3列をレコード単位で連結しました。

なお、上記の通り複数列のレコード単位で連結する場合、CONCATは原則一つの関数で一つのレコードのみが連結対象です。

ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。

CONCATの数式の挿入手順

上記の結果を得るための手順は以下の通りです。

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はF2セル
  2. =con」等と入力
  3. サジェストから「CONCAT」を選択し、「Tab」キーで確定
  4. 連結対象のセル範囲を選択
    ※今回はC2~E2のセル範囲
  5. Enter」キーで確定
  6. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はF3~F11セルへペースト

手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
手順④は矢印キーでもマウスでもOK
テーブルの場合、手順⑧は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_ワークシート関数_CONCAT.xlsx

※サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります。
(上記リンクから登録フォームへ遷移します)

ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はF2セル
  2. =con」等と入力
  3. サジェストから「CONCAT」を選択し、「Tab」キーで確定
  4. 連結対象のセル範囲を選択
    ※今回はC2~E2のセル範囲
  5. Enter」キーで確定
  6. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はF3~F11セルへペースト

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

CONCATはデータの連結に役立つ関数の一つです。

Excel2019以降のバージョンを使える環境であり、かつ定期的にデータ連結の作業を行う機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。

なお、CONCAT以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

CONCATとセットで覚えておいた方が良い関数は、区切り記号(文字)を含めてデータ連結が可能なTEXTJOINです。
こちらもExcel2019以降のバージョンで使用可能な新しめの関数です。
使用可能な環境にある方は、ぜひセットで覚えると良いでしょう。