

エクセルの「数式」ってなんですか?
「数式」と聞くと数学のイメージしかないんですが・・・。

そのイメージでばっちりですよ!
エクセルの「数式」とは、数学と同じで主に計算を行なう機能を指します。
では、もっと具体的に説明していきますね。
はじめに
本題に入る前にこの記事がおすすめな方を挙げてみます。
- エクセルの数式を使ったことがない人
- エクセルの数式をきちんと理解し直したい人
- エクセルの数式で何ができるかを理解したい人
読み進める上での参考にしていただければと思います。
では、本題に入っていきましょう!
「数式」はエクセルの計算&処理機能
エクセルでの「数式」は以下のようなイメージですね。
ルールとしては、セル(マス目のこと)に”=”[イコール、等号]から入力し、あとは自分が計算したい式(たとえば足し算や引き算など)を入力すればOKです。
今回の例で入力した式は「=1+1/2」と簡単な式ですね。数学と同じように足し算・引き算よりも掛け算・割り算が優先的に計算されるのは同一です。
(”/”は割り算でいうところの”÷”です)
ちなみに、各セルの式自体は「数式バー」に、計算結果はワークシートのセル上に表示されます。
【例題】全部のりんごをみんなで同じ数にわけよう!
小学生の算数を題材に、まずは例題の問題の解答を求めてみましょう。
問題
Aくんはりんごを10個、Bさんはりんごを6個買ってきました。
このりんごを4人で同じ数ずつ分けるとしたら、1人あたりのりんごは何個になるか求めてください。
算数上の解答
まず、りんごが全部で何個あるかを求めますね。
これを算数の式にすると、「=10+6」になります。
続いて、4人で割るので、「10+6」に対して4で割り算を行なうことになります。
ただし、算数のルール上、足し算よりも割り算の方が優先されるので、足し算を優先するために、「10+6」には()[カッコ]で囲う必要がありますね。
結果、式は「=(10+6)÷4」となります。
計算を実際にしてみると、()[カッコ]から計算するので、まずは「10+6」で16です。
この16を4で割るので、答えは4となります。
エクセルの数式で表現すると・・・
上記の「=(10+6)÷4」という式をエクセルで表現すると、割り算の記号”÷”を”/”に置き換えるだけですね。
あとは、計算の答えを表示したいセルを選択したら、この数式を数式バー上に入力すればOKです。
今回はA1セルに数式を入れたので、A1セルへ計算結果となる”4”という答えが表示されていますね。
数式はこのような計算がメインですが、その他のさまざまな処理を行なうこともできます。
A1セルとは?
“A1”の部分がセルの場所を示します。
具体的には、ワークシート上の横軸のアルファベットと縦軸の数字の交点がそのセルの場所ということですね。
つまり、A1セルであれば、横軸のアルファベット(”列”といいます)が”A”、縦軸の数字(”行”といいます)が”1”の交点となるセルだということです。
「数式」をどんな時に使うの?
実際、この数式の利用頻度は高いです。具体的にどんな場合に使うか、例を挙げてみましょう。
【その1】数値・日付・時間を計算したい場合
先ほどの例で挙げたような式ですね。
電卓と違って、計算に使った要素や過程もセル上に残るので、後から見直しても計算根拠を確認できることがメリットです。
あと、エクセルの数式を使うメリットは、数字だけでなく、日付も計算できることですね。
普通の電卓で計算できるのは、大概数字と時間くらいですが、意外とビジネスでは日付を計算したい場合が多いです。例をいくつか挙げてみます。
- 今日から2日後が何日か調べたい
- 今日から納期までの日数を調べたい
- 今日から2ヶ月後の期間の営業日数を調べたい
などなど、複数ケースがありますが、自分の脳内で計算するよりも、エクセルに任せるのが賢明です。
参考までに一番上の例の「今日から2日後が何日か調べたい」を数式にしてみたのが以下の内容ですね。
A1セルの”12月25日”にB1セルの”2”を足していますので、結果は”12月27日”になります。
今回の例は簡単な内容ですが、B1セルの日数が増えたり、A1・B1セル以外の計算の要素が増えたりすると、日付の計算が一気に難しくなりますね。
こんな場合に数式でぱぱっと計算できると楽チンで正確ですよ。
ちなみに、気づいた方は素晴らしいんですが、今回の数式はA1セルやB1セルなどのセルを参照しています。
数式内に直接数字を入力する以外にもこのようにセル番地を入れておくことで、A1セルやB1セルの値を変更すると、この数式の結果も自動的に連動するようになります。
計算対象の値が変動する可能性がある数式は、このようにセル参照させておくと便利ですよ。
【その2】テキスト(文字列)をつなぎたい場合
続いて、地味に便利なのがテキストをつなぐという使い方です。
ビジネス上でよくあるのが、氏名や住所のデータを結合したい場合に活躍します。
たとえば、Aという表では「氏名」を1列で管理しているが、Bという表では「氏」と「名」の2列で管理しているという場合に、BをAに合わせるために「氏」+「名」を結合することも数式で対応できます。
上記の図では、A1セルに”東京都”、B1セルに”新宿区”とあるのを、「=A1&B1」という数式でつなげていますね。
このように、&[アンパサンド]をつなげたいテキスト(文字列)の間に入れてあげればOKです。
ちなみに、今回の例ではA1・B1セルを参照していますが、直接数式の中にテキスト(文字列)を入れたい場合は、”[ダブルクォーテーション]で該当のテキスト(文字列)を挟んであげましょう。
具体的には、上記のA1セル、B1セルの値をすべて数式上に入れた場合は次の数式になります。
「=”東京都”&”新宿区”」
これで、C1セルの数式の結果は同じく”東京都新宿区”になるわけですね。
【参考】テキスト(文字列)とは
なお、テキスト(文字列)とは、数字や日付、時刻以外のものと覚えておけば良いでしょう。
具体的には次の文言が含まれたものですね。
- ひらがな
- カタカナ
- 漢字
- アルファベット
- 記号
- スペース(空白)
- 改行
たとえば、”1円”は”円”という漢字が含まれるのでテキスト(文字列)扱いとなります。
【その3】関数を使いたい場合
数式の一部の機能として、「関数」があります。
この関数は現在400種類以上あり、それぞれ固有の機能を持っています。
一番メジャーな関数はSUM関数ですが、これは指定した範囲内の数値をすべて合計して計算してくれます。
上記の図では、A1セルから下方向に”1”、”2”、”3”、”4”、”5”と順番に並んでいます。
これらをすべて足し上げるためにA6セルにSUM関数でA1セルからA5セルまでを指定してみると、計算結果は”15”となりました。
このように、SUM関数は裏側で「1+2+3+4+5」という計算を行なってくれるわけですね。
普通に足し算を複数行なうよりも、関数を使った方が数式をシンプルにできますし、他にも沢山の便利機能がエクセルには用意されているので、少しずつ覚えておくと処理を楽にできますよ。
ちなみに、どのような関数があるかに興味がある方は、こちらのページをご覧ください。
Excel関数一覧(読み方・語源含む) | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~
文字列を結合・分割・置換するものや、条件判定をしてくれるもの、営業日の計算をしてくれるものなど、その機能は本当にさまざまです。
さいごに
数式は簡単な四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)から使い始めればOKです。
そして、それらに慣れてきて、「もっと楽に計算できないかなー」と思ったタイミングでSUM関数やAVERAGE関数などの簡単な関数を学んでいけば良いですね。
実際、ビジネスの大半は四則演算の積み重ねですから、簡単な数式でカバーできる範囲も案外広いものです。
次回は、数式と関数を混同しやすい人が多いので、もっと「数式と関数の違い」を掘り下げたいと思います。
ご参考になれば幸いですm(_ _)m

10年前は私もエクセルで数式は簡単な四則演算くらいしか使えませんでした。
壁にぶつかる度に1つずつ関数を覚えていくことの繰り返しで、いつの間にかいろいろな計算や処理を数式で表現できるようになりました。
何事もコツコツ継続が一番ですね!