

関数って便利ですね!ちょっとした計算が簡単にできちゃいます。
もっと関数を便利に使うために覚えておいた方が良いことってありますか??

そうですね。関数を覚えていくとエクセルが楽しくなってきますね。
ちなみに、Aさんは関数を挿入するときはどう挿入していますか?

えっ、どういう意味ですか??
普通にポップアップされたメニューみたいなものに入力していますが・・・。

あー、それはダイアログで入力しているということですね。
実は、ダイアログ入力よりも直接数式バーに手入力した方が便利ですよ!
では、初心者向けにわかりやすく解説していきますね。
はじめに
本題に入る前に、この記事がおすすめな人を挙げてみます。
- 現在、関数はダイアログで入力している人
- 関数を使う頻度が高い人
- エクセルを用いたデスクワークを時短したい人
ちなみに、最低限「四則演算かSUM関数が使用可能」という想定での記事となります。
関数の挿入方法のおさらい
では、そもそも関数の挿入の方法はいくつあるか、おさらいします。
大別すると、以下の2通りの方法があります。
- ダイアログ経由(「関数の挿入」ダイアログ・「関数の引数」ダイアログ)で入力
- セル(数式バー)へ手入力
では、順番に見ていきましょう。
デスクワークが多い人なら、最初から「手入力」に慣れてしまおう!
結論から言うと、デスクワークが多い人なら、最初から「手入力」に慣れてしまうことがベストです。
理由としては、手入力の方がよりメリットを多く得られ、エクセル関数と仲良くなる近道になるからです。
では、手入力のメリットを見ていきましょう。
メリット
時短できる
Excelに限らず、PC操作を効率的に行なうには、極力ショートカットキーを駆使するなどして、マウス操作を減らしてキーボード入力の比率を上げることが鉄則です。
関数挿入でも同じことが言えて、関数の挿入を手入力にすることで引数選択もキーボードだけで完結できるようになります。
そうすると、かなり処理効率が上がりますよ!
しかも、関数名もすべて丸暗記しておく必要がなく、半角英数モードで途中まで入力すれば候補が表示される入力補助機能もExcelにはついていますよ。
ネストしやすい
関数はネストして使うことで真価を発揮します。
ちなみにネストとは、「関数の中に関数を入れ子状に入れる」状態にすることです。
イメージとしては、以下のような数式のイメージですね。
このネストを行なう場合、「関数の引数」ダイアログだと作業が煩雑になりますが、手入力なら数式バーの該当の部分にネストしたい関数の式を入れるだけで済み、作業がシンプルになります。
数式バー以外(条件付き書式、入力規則など)に入力する際に混乱しない
Excelでは数式バー以外に数式を入れることができる機能は以下の3つです。
- 条件付き書式
- 入力規則
- 名前(名前の定義、印刷範囲、テーブル範囲)
上記のいずれかの機能に対し、関数を用いてカスタマイズしたい場合、「関数の引数」ダイアログは使用できず、手入力しか方法がありません。
よって、常日ごろから数式バーに手入力する習慣をつけておくと、数式バー以外に関数を組み込みたい場合に混乱が少なくなります。
数式を読む回数が物理的に増える
数式を直接入力するため、物理的に記述している関数の数式を読む回数が増えますよね。
これが地味に重要で、自分が記述したことがある関数については、第三者が記述したものも読み解きやすくなります。
つまり、引継ぎをスムーズに受けることができたり、数式の変更や修正も可能になりますね。
デメリット
不慣れな引数があるとエラーになる可能性あり
手入力の難点は、関数を構成する引数が何かは分かるものの、各引数に指定しなければならないデータの型(文字列や数値など)まで分からないことです。
各引数のデータ型に合致しないものを指定すると、関数の戻り値(返り値)がエラーになってしまうケースもあります。
エラーは、上図のようにエラーメッセージが出るものの他、戻り値がエラーになるものもあります。
ただ、これは普段使っていない関数で発生することなので、ヘルプやネット・書籍などを参照しながら記述を何度か反復すれば問題ないですね。
逆に、こうやって各関数の引数に何を指定すべきかを把握できるようになると、すでに記述されている数式の修正を行なうことができるようになりますよ。
ダイアログ入力は不慣れな関数の使い始めに限定しよう!
もう一方のダイアログ経由(「関数の挿入」ダイアログ・「関数の引数」ダイアログ)については、エクセル関連の書籍では当たり前のようにこちらがおすすめされていることが多いです。
しかし、私は先述のとおり、関数初心者のうちから手入力の方をおすすめします。
理由としては、ダイアログ入力は確かに当初便利だと感じるはずですが、変に親切すぎる設計のため、これに慣れてしまうとエクセル関数の経験値を積むうえで遠回りになってしまう可能性があるからです。
よって、ダイアログ入力は不慣れな関数の使い始めに限定した方が望ましいです。
念のため、ダイアログ入力のメリット・デメリットについて解説しますので、ご参考になさってください。
メリット
引数に何を入れれば良いかわかりやすい
ダイアログ内にどの引数にどんなデータを指定すれば良いかわかりやすいです。
また、すべての引数を指定すると、ダイアログ内でも関数の戻り値が確認できますので、明らかなエラーについては早期発見ができますね。
デメリット
ネストしにくい
「関数の引数」ダイアログで複数の関数をネストしようとすると、ダイアログ・名前ボックス・数式バーをいろいろと切り替えながら設定しなければならないため、手順は煩雑になります。
手順は簡単に箇条書きにまとめると、以下の通りとなります。
- メインとなる関数の「関数の引数」ダイアログを起動
- ネストしたい引数のところで数式バーの左隣の名前ボックスからサブの関数をクリック
※希望の関数がない場合は「その他関数」を選択の上希望の関数を選択 - サブの関数の「関数の引数」ダイアログを入力
- 数式バーのメインの関数名をクリックし、「関数の引数」ダイアログをメインのものへ切り替え
- メインの関数の「関数の引数」ダイアログの残りの引数を入力
- メインの関数の「関数の引数」ダイアログの「OK」ボタンをクリック
キャプチャ付きの細かい操作方法はこちらの記事をご参照ください。
「関数の引数」ダイアログの入力欄に別の関数を入力する方法 #EXCEL #関数 | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~
マウス操作が多くなり時間がかかる
上記の手順の通り、マウスでいろいろな箇所をクリックする必要が発生します。また、操作の数が増えることと合わせて、操作に迷う時間も増えるので作業時間がかかってしまいがちです。
慣れていないと「関数の引数」ダイアログの「OK」ボタンをクリックして誤って閉じてしまうこともありますが、その場合は、もう一度やり直しになってしまいます。
数式を読む回数が物理的に減る
ダイアログ入力だと、ダイアログの入力欄を埋めて、希望の結果を得られると、結果として完成した数式をちゃんと確認している人は少数でしょう。
よって、最終的に数式バーに記述された数式を読む回数が減るということです。
そうなると、数式を見て随時修正や変更を施す、ということが苦手になる可能性がありますね。
さいごに
関数の書籍は初心者向けのものが多いため、だいたいダイアログ経由での入力を推奨しているものが多いです。
しかし、上記でいろいろ述べてきた通り、手入力の方がより得られるメリットが多いため、初心者でも、早いうちから手入力で関数を挿入する習慣をつくった方が良いですよ。
その上で、使える関数のレパートリーを増やしていく、というのがおすすめですね。
少なくとも、VLOOKUP関数とIF関数を中心に関連の関数をひとしきり学べば、大抵の事務作業をこなす上で充分です。
VLOOKUP関数とIF関数については、私の書籍にて実務でよく使うテクニックを中心に解説していますので、ご興味があれば、こちらで学習してみてくださいね。
ご参考になれば幸いですm(__)m

私も仕事で時間に追われることが多かったので、関数初心者の頃から時短を意識していた結果、気づけば手入力していました。逆にダイアログ経由で関数を挿入する方が慣れてなくて戸惑ってしまいます。。
最初はダイアログ中の説明文の意味が正直良くわからなかったので、無意識的に避けていたのかもしれませんね(笑)