Excelで「時刻」の列がありますが、「時間」を条件に関数で集計したいですが、どうすれば良いでしょうか?
その場合は、集計の事前準備に関数の「HOUR」を活用すると良いですよ!
では、HOURの使い方について解説していきますね。
はじめに
この記事は関数の概要を把握していることが前提です。
関数の概要については以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は数式の概要を把握していることが前提です。 参考記事 数式の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。 関数とは 関数とは、数式の構成要素の1つであり、固有の計算/処理の機能がセットされた数式のことです。 …
時刻から「時間」のみ取得したい場合は「HOUR」が有効
日付ほどではないですが、実務で扱うデータに時刻の列が用意されているケースもあります。
この時刻の中の「時間」を集計条件にしたい場合、関数で集計するにはハードルが高いです。
一番手軽な解決策としては、時刻の列から「時間」のみ取得した計算列をつくることです。
「計算列」とは、数値/日付/時刻の列の値を計算した新たな列のこと。
この計算列を集計条件にすることで、SUMIFSやCOUNTIFSで集計しやすくなります。
ピボットテーブルで集計する場合、計算列は不要。
この「時間」を取得する計算列を追加する場合、関数の「HOUR」を使うと良いです。
HOURは「アワー」と読む。
HOURを使うことで、時刻(シリアル値)から「時間」を整数で取得できます。
ちなみに、シリアル値は、1900年1月1日を起点に何日目かをカウントした数値です(「44082」なら、1900年1月1日から44082日目)。
シリアル値の「1」は1日(=24h)となり、時刻の場合は時間換算した結果を小数点で示します(1h=1日/24h、1m=1日/24h/60m、1s=1日/24h/60m/60s)。
HOURの構文
HOURの構文は以下の通りです。
=HOUR(シリアル値)
時刻を0(午前0時)~23(午後11時)の範囲の整数で返します。
引数名 | 必須 | データ型 | 説明 |
---|---|---|---|
シリアル値 | ○ | 数値 | 取得対象の単一セル(値が時刻)を指定します。 |
【参考】HOURは「日付/時刻関数」
あくまで参考情報となりますが、HOURはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「日付/時刻」に分類されています。
実際にHOURを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。
HOURの使用結果イメージ
HOURを使い、時刻から「時間」を取得するイメージは以下の通りです。
今回は「受注時刻」列のデータから「時間」を取得しました。
上記のように計算列としてHOURを使う場合、1レコードにつき1つの関数を使います。
ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。
HOURの戻り値は「数値」のため、表示形式を「時刻」にしないこと。
HOURの数式の挿入手順
上記の結果を得るための手順は以下の通りです。
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はI2セル - 「=ho」等と入力
- サジェストから「HOUR」を選択し、「Tab」キーで確定
- 取得対象のセルを選択
※今回はC2セル - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はI3~I11セルへペースト
手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
テーブルの場合、手順⑥は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
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ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はI2セル - 「=ho」等と入力
- サジェストから「HOUR」を選択し、「Tab」キーで確定
- 取得対象のセルを選択
※今回はC2セル - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はI3~I11セルへペースト
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
HOURは時刻データを元にした計算列の追加に役立つ関数の一つです。
定期的に「時間」を取得する計算列を作成する機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。
なお、HOUR以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
HOURとセットで覚えておいた方が良い関数は、「分」を取得できるMINUTE、「秒」を取得できるSECONDです。
また、逆パターンとして、時/分/秒のデータから「時刻」を作成できるTIMEもセットで覚えておくと良いでしょう。