![ピボットテーブルの任意の複数アイテムをまとめて集計する方法(グループ化)[ピボットテーブル基礎]](https://i0.wp.com/excel-master.net/wp-content/uploads/2021/05/%E3%83%94%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB_%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E5%8C%9601.png?fit=750%2C422&ssl=1)

ピボットテーブルの元データにカテゴリー的なフィールドがないですが、特定のアイテムをいくつかまとめて集計したいです。
この場合、何か良い方法はありますか?

そうした場合、ピボットテーブルの「グループ化」を使えば良いです!
では、詳細を解説していきますね。
解説動画:【ピボットテーブル#7】集計表へ計算を追加する方法4選+α – レポートへ比率や差異の比較結果を加える
この記事の内容は下記の動画でも解説しています。
コメント欄の「グループ化」の時間の部分をクリックすると該当の解説へジャンプできますよ!
はじめに
本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。
- Excelでデータの集計・分析作業を行うことが多い方
- ピボットテーブルを実務で使う機会がある方
- ピボットテーブルの複数アイテムを任意にグルーピングして集計したい方
前提条件
この記事はピボットテーブルの概要を理解していることが前提です。
→まず、以下の記事で概要を把握することをおすすめします。
はじめに 本題に入る前に、この記事がおすすめな人を挙げてみます。 データの集計・分析作業が多い人 エクセルを使 …
元データ側に上位の階層のフィールドを加えられない場合に「グループ化」が有効
通常、特定のフィールドのデータが細かい場合、元データ側にそのフィールドの上位の階層のフィールドを差し込んでから、ピボットテーブルで集計することがベターです。
たとえば、商品単位で粒度が細かい場合、「商品カテゴリ」や「産地」などの別軸の上位フィールドを差し込むなどのイメージです。
(他には、担当者単位なら「部署」、都道府県単位なら「エリア」など)
しかし、何らかの事情で元データへのデータ追加が難しいといった場合は、ピボットテーブルの「グループ化」が有効です。
これで、ピボットテーブルレポート側の任意の複数アイテムをひとまとめに集計できます。
では、ピボットテーブルのグループ化の設定手順を確認していきましょう。
ピボットテーブルのグループ化の設定手順
今回の前提として、すでにピボットテーブルの集計条件がセットされた状態からスタートします。
ピボットテーブルのグループ化は、以下の2ステップとなります。
【STEP1】任意のアイテムをグループ化
まず、ピボットテーブルレポート上で任意のアイテムを複数選択(①)の上、右クリック(②)し、「グループ化」をクリック(③)します。
当然ですが、手順①で単一アイテムを選択している状態で手順③まで進むと、以下のエラーメッセージが表示されます。よって、手順①は必ず複数アイテムを選択しましょう。
選択対象をグループ化することはできません。
【参考】手順②③はリボン経由でもOK!
手順②③は以下のようにリボン経由(リボン「ピボットテーブル分析」タブ→「グループの選択」)でもOKです。
どちらでも効果は一緒なので、お好みの方をお使いください。
【STEP2】任意のグループ名を入力
これで手順①で選択していたアイテムが「グループ1」というグループとなります。
あとは、数式バーで任意のグループ名を入力(④)すれば完了です。
手順①で選択していなかったアイテムはそれぞれと同じ名前のグループ扱いとなります。
別のグループを作りたい場合は、手順①~④をグループの数だけ繰り返しましょう。
任意のグループで集計されていればOK!
今回は設定した通り、上から4つのアイテムをひとまとめに集計することができました!
グループ化を行うと、「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウ上には、グループ化を行う元のフィールド名に連番がついたフィールドが新設されます。
例)「商品名」フィールドを元にグループ化した場合は「商品名2」が新たに作成される。
【参考】グループを解除したい場合
グループを解除したい場合は、「グループ解除」というコマンドを使いましょう。
こちらも右クリックメニュー・リボンの2パターンありますが、どちらでも良いです。
いずれも、任意のグループを選択(①)したら、以下のいずれかの手順を踏んでください。
- 右クリック(②)→「グループ解除」をクリック(③)
- リボン「ピボットテーブル分析」タブをクリック(②)→「グループ解除」をクリック(③)
「行」・「列」ボックス内からグループのフィールドを外してもグループは解除された状態となります。
ただし、この方法だと「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウ上にはグループのフィールドが残ったままとなるため、再度グループ化する可能性がある場合はこちらの方法がおすすめです。
(「グループ解除」コマンドは、「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウ上からグループのフィールドを削除します)
【参考】グループは展開・折りたたみが可能
グループにした場合、グループ配下のアイテムの表示・非表示を行うことが可能です。
表示する場合は「展開」、非表示にする場合は「折りたたみ」と言います。
展開・折りたたみする対象のグループを個別・全体にするかで方法は異なります。
それぞれの方法は以下の通りです。
個別のグループを展開・折りたたみしたい場合
ピボットテーブル上の「+」「–」をクリックすればOKです。
ちなみに、「+」をクリックすると展開、「–」をクリックすると折りたたみとなります。
一応、右クリックメニューでも個別のグループの展開・折りたたみは可能ですが、手順が増えるため、「+」「–」をクリックする方法がおすすめです。
全体を展開・折りたたみしたい場合
全グループを一括で展開・折りたたみする方法は、右クリックメニューとリボン経由の2パターンあります。
いずれも、ピボットテーブル上のグループのあるフィールドのいずれかのアイテムを選択(①)した状態で以下のいずれかの手順を踏んでください。
- 右クリック(②)→「展開/折りたたみ」をクリック(③)→「フィールド全体を展開」or「フィールド全体を折りたたみ」をクリック(④)
- リボン「ピボットテーブル分析」タブをクリック(②)→「フィールドの展開」or「フィールドの折りたたみ」をクリック(③)
複数フィールドにそれぞれグループがある場合、手順①で選択したフィールドとその下位のフィールドが展開・折りたたみの対象となります。
下位のフィールドだけを一括で展開・折りたたみしたい場合は注意しましょう。
【参考】日付・時刻のフィールドは自動的にグループ化される
ピボットテーブルの仕様として、日付・時刻のフィールドは自動的にグループ化されます。
たとえば、「受注日」などの日単位のフィールドだと、「月」でグループ化されるなどです。
もし、「年」などの別な単位でグループ化したい場合、上記のグループ化の手順③まで進むと、次のように「グループ化」ダイアログが起動し、グループ化する時間軸の単位を任意のものへ変更できます。
ちなみに、単位は複数選択が可能です。
たとえば、何年か分のデータがあるフィールドの場合、「月」だけでグループ化すると各月の集計が複数年分まとめて集計されてしまうため、「年」と「月」を選択することで、別グループとして集計できます。
日付・時刻の自動グループ化が煩わしい場合、「Excelのオプション」ダイアログ経由で設定をOFFにすることも可能です。
(「Excelのオプション」ダイアログは、リボン「ファイル」タブ→「その他」→「オプション」の順にクリックで起動)
ダイアログの「データ」をクリックし、「ピボットテーブルで日付/時刻列の自動グループ機能を無効にする」のチェックをONにすればOKです。(デフォルトはチェックOFF)
【参考】数値のフィールドは数量の単位ごとにグループ化が可能
数値のフィールドをグループ化する場合、上記のグループ化の手順①で選択するアイテムが単一の場合、「グループ化」ダイアログが起動します。
(同名ですが日付・時刻とは別ダイアログ)
このダイアログの「単位」ボックスへいくつ刻みでグループ化したいか数値入力することで、フィールド内で複数グループを一括で作成できます。
ただし、グループのフィールドが新たに作成されず、そのフィールド自体でグループ化されてしまうため、展開や折りたたみができませんので、ご注意ください。
グループのフィールドを作りたい場合は、上記のグループ化の手順①で複数アイテムを選択し、一つずつグループ化しておけばOKです。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
※サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります。
(上記リンクから登録フォームへ遷移します)
ファイルを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- ピボットテーブルレポート上で任意のアイテムを複数選択
※今回はA4~A7セルを選択 - 右クリック
- 「グループ化」をクリック
- 数式バーで任意のグループ名を入力
※今回は「国産」と入力
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
グループ化は元データを修正できない時でも、集計の粒度を変えることができる緊急用の機能です。
知っておくと、どんなケースでも集計に困るリスクを減らせるため、この機会に覚えておくことをおすすめします。
なお、ピボットテーブルの各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
また、よりコアな情報を発信していくために「公式LINE」を開始しましたので、ご興味があれば以下バナーから友だち追加をお願いします!
特典として、Excelワークシート関数一覧(計22スライド)やExcelショートカットキー一覧(計25スライド)等をプレゼント!
ご参考になれば幸いですm(_ _)m

グループ化は感覚的に操作でき難しい機能ではないですが、改めて解説しようとすると結構なボリュームになっちゃいました。
実際、元データのレコード数が多過ぎる場合など、グループ化で暫定的に対応するといったケースが実務では発生します。
今まで使ったことがなかった方は、ぜひ本記事を参考にお試しください!