Excel(エクセル)の表は、「誰向け」かで2種類のレイアウトを使い分けること
AさんAさん

Excelで表をイチから作成する際、未だにどんなレイアウトが良いか悩んでしまいます・・・。
何か良い考えありますか?

森田森田

分かりやすく「誰向けの表なのか」で整理すると、作成すべき表レイアウトを2種類に大別できますよ。
それでは、詳細を解説していきますね。

解説動画:【前提知識#1】Excelの集計/分析が劇的に捗る2種類の"表"とは

この記事の内容は下記の動画でも解説しています。
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はじめに

本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。

  • 表を作成する際に悩むことがある方
  • データ集計/分析の作業が多い方
  • 実務でExcelに触れる機会が多い方

Excelの主要な表レイアウトは2種類ある

Excelで行う作業は基本的に表データを扱います。

そのため、作業を行う対象の表が「どんなレイアウトか」で作業効率が大きく左右されてしまうのです。
(特にデータ数が多ければ多いほど)

その表レイアウトはさまざまな種類がありますが、「誰向け」かで大別すると、次の2種類となります。

  • 人向け:集計表(レポート)
  • PC向け:テーブル

では、それぞれの詳細を順番に解説していきましょう。

「人向け」の表とは

「人向け」に適した表は、集計表(レポート)です。

こちらの表の特徴は、「人が知りたいことがシンプルにまとまっている」ということです。

上記の図の例だと、どの商品がどの月にいくらの金額だったかが端的に分かりますね。

このように、人がデータを見る際は、「商品」や「月」等の特定の条件単位で集計されていると分かりやすいのです。
もちろん、報告先の関係者の関心にマッチしたデータや、こちらのメッセージとして伝えたいことに関連するデータでないと分かりやすくても意味がありませんのでご注意ください。

よって、集計表(レポート)は、集計/分析の結果を報告先の関係者に見せる場合に有効なレイアウトです。

この集計表(レポート)もいくつかパターンがあるため、主要なものを別記事で解説する予定です。

なお、この集計表(レポート)を作成するのに最適な機能としてピボットテーブルがあります。

参考記事

ピボットテーブルの詳細は以下の記事をご参照ください。

PC向け」の表とは

PC向け」に適した表は、テーブルです。

こちらの表の特徴は、次の3点です。

  1. 見出しが1
  2. 11データ
  3. 1列同一種類データ

Excelには、この3つの特徴を満たしやすくするための機能として「テーブル」があります。

参考記事

テーブルの詳細は以下の記事をご参照ください。

このテーブルだと、詳細のデータを蓄積しやすく、かつPC(つまりExcel)が理解しやすい表形式のため、元データに最適なレイアウトです。

テーブルが元データだと、ピボットテーブル等のExcelの便利な集計機能をフル活用でき、後工程となる集計/分析作業の効率化につながります。

逆に、こうしたテーブルを使わず、人向けの集計表(レポート)へ直接データを手入力するといった作業をしている方は、非効率かつ間違いやすく、さらに第三者が計算のチェックもしにくいといったデメリットが多いことをちゃんと認識しましょう。

よって、最終的に集計表(レポート)にデータをまとめる(集計/分析する)なら、前準備としてこのテーブルにデータをまとめるようにしましょう。

なお、テーブルをイチから作成する際は、集計表(レポート)でまとめるデータから逆算して必要な列データを用意すると二度手間が減るのでおすすめです。

【おまけ】実務では例外パターンのレイアウトが必要なこともある

実務では、上記の2種類に当てはまらない表レイアウトも必要なケースもあります。

たとえば、次のような表です。

こうした表は、リアルタイムに人とやり取りしながら更新する管理用のツールであることが多いです。(WBS等)

最終的にデータ集計/分析の結果を伝えることが目的でない表は、原則として前述の2種類に該当しない場合もあると覚えておきましょう。

もし、こうした表を元データとし、集計/分析を行わざるを得ない場合は、パワークエリという機能を使ってテーブル形式の表へ整形してあげると良いですね。

参考記事

パワークエリの詳細は以下の記事をご参照ください。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

まとめとして、「人向けの表=集計表(レポート)」と「PC向けの表=テーブル」をExcelの作業プロセスで役割を明確に分けることも可能です。

このように、今行っている作業がどのプロセスかを考えることで適した表のレイアウトが分かると思います。

参考記事

Excelの作業プロセスの詳細は以下の記事をご参照ください。

なお、各プロセスや表レイアウトに役立つテクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。



ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

私も最初はいきなり集計表(レポート)の形式でまとめてしまうことが多かったですが、ピボットテーブルを学び始めてから、表は役割を分けた方が効率的なことを実感しました。

回り道をしないためにも、本記事の概念を理解したら、ぜひ実務でいろいろ試してみてくださいね。