Excelで数値データがどれだけバラツキがあるか調べたいですが、何か良い方法ありますかね?
その場合は、関数の「STDEVP」を活用すると良いですよ!
では、STDEVPの使い方について解説していきますね。
はじめに
この記事は関数の概要を把握していることが前提です。
関数の概要は以下の記事をご参照ください。
解説動画 この記事の内容は下記の動画「【数式/関数#2】500種類以上の固有の計算/処理を自動化できる「関数」の前提知識/使い方まとめ」でも解説しています。 コメント欄の各プロセスの時間部分をクリックすると該当の解説へジ …
STDEVP関数とは、指定した数値データを母集団として標準偏差を計算する数式
実務では、品質管理やリスク管理、あるいはパフォーマンス改善のためのデータ分析の一環でデータのバラツキ具合を調べたいケースがあります。
その場合に役立つ指標が「標準偏差」です。
標準偏差とは、「データ全体のバラツキの大きさ(=平均値から離れているデータの多さ)」を数値化したものです。
標準偏差を確認することで、数値データのバラツキ具合を定量的に把握できます。
Excelで標準偏差を算出する場合、関数の「STDEVP」を使うと良いです。
STDEVPは「スタンダード・ディビエーション・ピー」と読む。
STDEVPを使うことで、指定した数値データを母集団(分析対象のデータのすべて)として標準偏差を自動で計算できます。
一例として、「注文テーブル」シートの「金額」列を対象にSTDEVPで標準偏差を算出したものが以下です。
この通り、数式セル(H12セル)へ指定範囲の数値データを母集団として標準偏差を計算できました。
結果、標準偏差は「823」のため、指定した数値データは標準的に平均値「955」の「±823」の範囲に収まっていると言えます。
「平均値±標準偏差」の範囲にないデータのうち、他データより極端に大きい/小さい値は「外れ値」と言う。
なお、STDEVPの引数は「F2:F11」と表示されていますが、これは「F2セルからF11セルまでの範囲」という意味です。
コロン(:)がある場合、連続するセル範囲(起点のセルから終点のセルまで)を示す。
標準偏差の詳細を知りたい方は、必要に応じて総務省統計局・統計研究研修所が共同運営するサイトの記事もご参照ください。
データの散らばりを見る
【参考】ワークシート上のデータが一部サンプルの場合の関数
STDEVPは、ワークシート上に母集団となるデータがある前提で使う関数です。
もし、ワークシート上のデータが一部のサンプル(標本)しかない場合は、「STDEV」(スタンダード・ディビエーション)または「STDEV.S」(スタンダード・ディビエーション・エス)を使うと良いでしょう。
STDEVとSTDEV.Sの使い方はSTDEVPと同じです。
必要に応じ、MicrosoftサポートのSTDEV・STDEV.S関数の記事もご参照ください。
STDEV関数 – Microsoftサポート
STDEV.S関数 – Microsoftサポート
STDEVP関数の構文と引数の基本知識
STDEVPの構文は以下の通りです。
=STDEVP(数値1,[数値2],…)
この関数はExcel2007以前のバージョンと互換性があります。
引数を母集団全体であると見なして、母集団の標準偏差を返します。論理値、および文字列は無視されます。
| 引数名 | 必須 | データ型 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 数値1 | ◯ | 数値 | 計算対象の値や単一セル、セル範囲を指定します。 |
| 数値2 ※数値3以降も同様 | – | 数値 | 計算対象の値や単一セル、セル範囲を指定します。 |
引数「数値n」は数値だけを計算対象とし、空白セル、論理値(TRUE・FALSE)、文字列はすべて無視される(すべて数値以外の場合、STDEVPの戻り値はエラー値「#VALUE!」を表示)。
引数「数値n」にエラー値が含まれる場合、STDEVPの戻り値もエラー値が表示。
引数「数値n」は複数のセルや範囲を指定できるが、連続するセル範囲を指定することが一般的。
必要に応じ、MicrosoftサポートのSTDEVP関数の記事もご参照ください。
STDEVP関数 – Microsoftサポート
【参考】STDEVP関数は「統計関数」
あくまで参考情報となりますが、STDEVPは統計関数です。
ただし、リボン「数式」タブの関数ライブラリ上では「その他の関数」の「互換性」に分類されています。
Excel2007以前のバージョン(Excel97-2003ブック(*.xls)含む)と互換性があるため。
STDEVP関数の数式の挿入手順
STDEVPの数式は、以下の手順で挿入します。
- 数式を挿入するセルを選択
※今回はH2セル - 「=std」等を入力
- サジェストから「STDEVP」を選択し、「Tab」キーで確定
- 母集団にしたいセル範囲を選択
※今回はF2~F11セル - 「Enter」キーで確定
手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
手順④は矢印キーでもマウスでもOK。
手順④の矢印キーに役立つショートカットキーの詳細を知りたい方は、以下の記事の6・7をご参照ください。
Excel(エクセル)のデータ入力に役立つショートカットキー31選
【参考】テーブルを参照した場合のSTDEVP関数の数式
手順④でテーブルの範囲を参照した場合、数式の表記が「構造化参照」に変わります。
上記のSTDEVPの数式で参照したセル範囲は「注文テーブル[金額]」となっており、「注文テーブル」の「金額」列のすべてのセル(見出し除く)を参照している意味となります。
角カッコ([])の中がテーブルの列名。
テーブルの構造化参照の詳細を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
【Excel基本】数式の参照セルを分かりやすくできる「名前」と「構造化参照」とは
【参考】STDEVPの後継関数は「STDEV.P」
STDEVPの後継の関数として、Excel2010から「STDEV.P」(スタンダード・ディビエーション・ピー)という新しい関数が登場しました。
=STDEV.P(数値1,[数値2],…)
引数を母集団全体であると見なして、母集団の標準偏差を返します。論理値、および文字列は無視されます。
この関数の使い方および戻り値の結果はSTDEVPと同じです。
基本的には互換性のあるSTDEVPを使った方が無難だと思います。
必要に応じ、MicrosoftサポートのSTDEV.P関数の記事もご参照ください。
STDEV.P関数 – Microsoftサポート
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
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- 数式を挿入するセルを選択
※今回はH2セル - 「=std」等を入力
- サジェストから「STDEVP」を選択し、「Tab」キーで確定
- 母集団にしたいセル範囲を選択
※今回はF2~F11セル - 「Enter」キーで確定
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
STDEVPは指定した数値データを母集団(分析対象のデータすべて)として標準偏差を自動で計算できます。
定期的に標準偏差を算出する機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。
なお、STDEVP以外にもExcelでのデータ集計の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
ご参考になれば幸いですm(_ _)m


