ヒストグラムの使い方のサムネイル
AさんAさん

Excelで確認テストの点数を集計しましたが、データの分布やばらつきを視覚的に表現したいです。
この場合、どのグラフを使えば良いですか?

森田森田

そんな場合、「ヒストグラム」を使うと良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。

Excelステップ講座

はじめに

この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。

参考記事

グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。

ヒストグラムの使いどころ

分析を進める中で特定の単一データの分布を調べたいケースが出てきます。

たとえば、金額やテストの点数、年齢等から、データの区間ごとのデータ数を調べたいといったケースです。

ヒストグラムの使いどころ

こうした単一データの分布やばらつきを把握したい場合は、「ヒストグラム」を活用しましょう。

ヒストグラムとは、データをいくつかの数値の区間に分け、その区間内のデータ数を棒グラフで表現したグラフのことです。
各データ区間は基本的に同じサイズであり、各データ区間の数値は漏れなく連続している必要あり。
各データ区間を示す棒と棒に間隔は設けず、隙間のない棒グラフとなる。

このヒストグラムは、単一の数値データの分布やばらつきを視覚的に把握できます。
ヒストグラムのデータ区間の定め方は、後日別記事で解説予定。

使用イメージ

点数のデータ区間別の人数をヒストグラムにしたイメージが以下です。

ヒストグラムの使用イメージ

点数のデータ区間ごとの人数の分布をグラフで可視化できました。

ちなみに、後でグラフの元データの数値データが変わっても自動でグラフへ反映されます。

挿入/設定手順

ヒストグラムを挿入/設定したい場合は、2パターンの手順があります。

【パターン①】「集合縦棒」コマンド経由

パターン①は、「集合縦棒」コマンド経由の手順です。

集合縦棒グラフの要素(縦棒)の間隔を「0」にするのみとお手軽で、かつ柔軟にカスタマイズしやすいため、こちらの手順を基本としましょう。

ヒストグラムの挿入/設定手順(「集計縦棒」コマンド経由)

  1. グラフの元データにしたいセル範囲を選択
    ※今回はA3~B13セル
  2. リボン「挿入」タブをクリック
  3. 「縦棒/横棒グラフの挿入」をクリック
  4. 「集合縦棒」をクリック
  5. 任意の場所へ移動
    ※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置)
  6. 任意のサイズへ変更
    ※今回はE3~J14セル
  7. データ系列上で右クリック
  8. 「データ系列の書式設定」をクリック
  9. 「要素の間隔」ボックスを「0」へ変更
  10. 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
    ※今回はグラフタイトル削除、縦軸の目盛の間隔調整

手順①で選択する範囲は、項目名にしたい部分も含めること(含めないと後から項目名の設定が必要)。
表に総計や小計の行/列がある場合、手順のセル範囲に総計/小計を含めないこと(含めると正しい分布にならないため)。
手順⑤⑥は図形と同じくドラッグ操作でOK

参考記事

手順⑩の操作手順については、以下の記事をご参照ください。

【パターン②】「ヒストグラム」コマンド経由

パターン②は、「ヒストグラム」コマンド経由の手順です。

この「ヒストグラム」コマンドは、Excel2016以降のバージョンで利用可能です。

パターン①と比べ、細かなカスタマイズはできませんが、より簡単にヒストグラムを作成できます。

また、グラフ用の集計表を作成せずとも、その元データの表から直接ヒストグラムを作成することも可能です。
集計表の元データから直接ヒストグラムを作成する方法は、後日別記事で解説予定。

Excel2016以降のバージョンを利用、かつスピード重視でヒストグラムを作成したい場合は、こちらの手順を活用すると良いでしょう。

ヒストグラムの挿入/設定手順(「ヒストグラム」コマンド経由)

  1. グラフの元データにしたいセル範囲を選択
    ※今回はA3~B13セル
  2. リボン「挿入」タブをクリック
  3. 「統計グラフの挿入」をクリック
  4. 「ヒストグラム」をクリック
  5. 任意の場所へ移動
    ※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置)
  6. 任意のサイズへ変更
    ※今回はE3~J18セル
  7. 横軸上で右クリック
  8. 「軸の書式設定」をクリック
  9. 「分類項目別」を選択
  10. 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
    ※今回はグラフタイトル削除

手順①で選択する範囲は、項目名にしたい部分も含めること(含めないと後から項目名の設定が必要)。
手順⑨の「ビン」とは、縦棒のデータ区間のこと。

【注意】「ヒストグラム」コマンドのカスタマイズできないグラフ要素

「ヒストグラム」コマンドで作成するヒストグラムでカスタマイズできない要素は、主に以下の2点です。

  1. 縦軸の目盛の間隔を調整できない(目盛線の本数の調整ができない)
  2. プロットエリアの表示範囲を調整できない

「ヒストグラム」コマンドのカスタマイズできないグラフ要素

縦軸の目盛は、最大値/最小値は変更できるものの、目盛線のボックスがないため、目盛線の本数は調整不可です。

プロットエリアも固定範囲(調整不可)となるため、横軸の項目名が隠れてしまう部分がある場合は、グラフ自体のサイズを広げて調整するしかありません。
通常のグラフはドラッグでプロットエリアの表示範囲を調整可能。

上記制約を踏まえて、実務上で活用するかどうかを判断してください。

その他、集合縦棒グラフなら追加できるグラフ要素を追加できないものもありますが、こちらは実務上で大きな影響はないと思います。
集合縦棒グラフでは追加可能なデータテーブル、誤差範囲、近似曲線が追加不可。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_グラフ_ヒストグラム.xlsx

サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。

ブックを開いたら、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。

  1. グラフの元データにしたいセル範囲を選択
    ※今回はA3~B13セル
  2. リボン「挿入」タブをクリック
  3. 「縦棒/横棒グラフの挿入」をクリック
  4. 「集合縦棒」をクリック
  5. 任意の場所へ移動
    ※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置)
  6. 任意のサイズへ変更
    ※今回はE3~J14セル
  7. データ系列上で右クリック
  8. 「データ系列の書式設定」をクリック
  9. 「要素の間隔」ボックスを「0」へ変更
  10. 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
    ※今回はグラフタイトル削除、縦軸の目盛の間隔調整

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

ヒストグラムは、単一の数値データの「分布」や「ばらつき」を把握する際に最適です。

平均値中央値といった代表値とヒストグラムを併用すると、より正しく特定データの分布を把握できますよ!

なお、グラフ以外にもExcelでのデータ分析の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。


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ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

ヒストグラムは、1種類のデータ系列の「ばらつき」を視覚化したい場合に役立ちました。
もし、2種類のデータ系列の「ばらつき」や「相関関係」を視覚化したい場合は、「散布図」を活用しましょう。
分析目的や手持ちの数値データに応じて、活用するグラフを使い分けてくださいね。