Excelで平均気温と売上等、データ間の相関関係を視覚的に表現したいです。
この場合、どのグラフを使えば良いですか?
そんな場合、「散布図」を使うと良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。
はじめに
この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。
グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。
集計表の全体感を瞬時に把握したい場合は「グラフ」が有効 集計表にまとめたデータだけだと、数値の特徴や傾向等の全体感がパッと見で把握しにくいです。 仮に、把握できたとしても、読み手は詳細に集計表を読み込み、全体感をつかむた …
散布図の使いどころ
分析を進める中で特定のデータ間に関連性があるかを調べたいケースが出てきます。
たとえば、「平均気温が高さと売上金額の大きさは比例しているのではないか」等の仮説が考えられるケースです。
こうした2種類のデータ間の相関関係やばらつきを把握したい場合は、「散布図」を活用しましょう。
散布図とは、2種類の項目を縦軸(Y軸)と横軸(X軸)に設定し、各データが当てはまる座標(X,Y)にプロットしたグラフのことです。
この散布図は、2種類の数値データの相関関係やばらつきを視覚的に把握できます。
相関関係の詳細は後日別記事にまとめる予定。
使用イメージ
平均気温と売上金額を散布図にしたイメージが以下です。
平均気温と売上金額の相関関係やばらつきをグラフで可視化できました。
今回のデータは、平均気温と売上金額はある程度比例しており、相関関係にあると言えそうです。
ちなみに、後でグラフの元データの数値データが変わっても自動でグラフへ反映されます。
挿入/設定手順
散布図を挿入/設定したい場合は、以下の手順となります。
- グラフの元データにしたいセル範囲を選択
※今回はB3~C33セル - リボン「挿入」タブをクリック
- 「散布図(X,Y)またはバブルチャートの挿入」をクリック
- 「散布図」をクリック
- 任意の場所へ移動
※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置) - 任意のサイズへ変更
※今回はE3~I17セル - 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
※今回はグラフタイトル削除、縦軸/横軸の目盛の間隔調整、軸ラベルの追加
他のグラフと異なり散布図の場合、手順①で選択する範囲は、項目名にしたい部分は含めないこと(含めると散布図の横軸扱いとなるため)。
表に総計や小計の行/列がある場合、手順①のセル範囲に総計/小計を含めないことを推奨(含めると集計値の相関関係が正しく反映されない恐れがあるため)。
手順⑤⑥は図形と同じくドラッグ操作でOK。
手順⑤⑥はなるべくプロットエリアが正方形になるようにサイズ調整することを推奨(正方形の方がプロットされた点の位置を把握しやすい)。
手順⑦の詳細は本記事で下記参照。
散布図を見やすくする3つのポイント
散布図は挿入後のデフォルトの状態では見にくいため、上記手順⑦で見やすくなるようにグラフ要素を削除/設定変更を行いましょう。
この見やすさに絶対解はありませんが、一例として3つのグラフ要素に対して削除/設定変更したものが以下です。
Before時点で事前にフォントを「Meiryo UI」へ変更。
Afterの方がプロットエリアの表示範囲が広くなり、不要な要素が減ったため、肝心のグラフ内容も見やすくなったのではないでしょうか。
この3つのポイントのうち、POINT1・2の操作手順は集合縦棒グラフと同様です。
散布図の場合のPOINT2は、縦軸/横軸それぞれ最大値~最小値の間の目盛線を1~2本程度(プロットエリアを4分割または9分割)にすることが目安(After例は4分割)。
POINT1・2の操作手順については、以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。 参考記事 グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。 数値データの「量」を比較したい場合は「集合縦棒グラフ」が有効 集計表にまとめたデータだけでは …
【POINT3】軸ラベルの追加
3つ目のポイントとして、軸ラベルを追加しましょう。
軸ラベルを追加することで、縦軸と横軸の数値が何かを分かりやすくすることが可能です。
手順は以下の通りです。
- 編集したいグラフを選択
※今回はE3~I17セルに配置された集合縦棒グラフ - 「+」(グラフ要素)をクリック
- 「軸ラベル」のチェックをON
- 縦軸の軸ラベル上でダブルクリック
- 縦軸の軸ラベルへ任意の名前を入力
※今回は「売上金額」 - 横軸の軸ラベル上でダブルクリック
- 横軸の軸ラベルへ任意の名前を入力
※今回は「平均気温」
手順④⑥は、軸ラベルを選択→「F2」キー押下でもOK。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。
ブックを開いたら、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。
- グラフの元データにしたいセル範囲を選択
※今回はB3~C33セル - リボン「挿入」タブをクリック
- 「散布図(X,Y)またはバブルチャートの挿入」をクリック
- 「散布図」をクリック
- 任意の場所へ移動
※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置) - 任意のサイズへ変更
※今回はE3~I17セル - 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
※今回はグラフタイトル削除、縦軸/横軸の目盛の間隔調整、軸ラベルの追加
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
散布図は、2種類の数値データの「相関関係」や「ばらつき」を把握する際に最適です。
相関分析や回帰分析を行う際に活用していきましょう!
なお、グラフ以外にもExcelでのデータ分析の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
ご参考になれば幸いですm(_ _)m
散布図は、2種類のデータ系列の「ばらつき」を視覚化したい場合に役立ちました。
もし、1種類のデータ系列の「ばらつき」や「分布」を視覚化したい場合は、「ヒストグラム」を活用しましょう。
分析目的や手持ちの数値データに応じて、活用するグラフを使い分けてくださいね。