ピボットテーブル上の合計や個数を集計した列をフィルターで特定のデータだけ抽出したいんですが、フィルターボタンが表示されていません。
この場合、どうすれば良いですかね?
その場合、ピボットテーブル上の「値フィルター」というコマンドを使えば良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。
解説動画:【ピボットテーブル#6】集計範囲を絞り込む方法4選 – レポートの集計範囲を自由自在に切り替える(フィルター/レポートフィルター/スライサー/タイムライン)
この記事の内容は下記の動画でも解説しています。
コメント欄の「フィルター」の時間の部分をクリックすると該当の解説へジャンプできますよ!
はじめに
本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。
- Excelでデータの集計・分析作業を行うことが多い方
- ピボットテーブルを実務で使う機会がある方
- ピボットテーブルで集計した列を対象にフィルター操作を行いたい方
前提条件
この記事はピボットテーブルの概要を理解していることが前提です。
→まず、以下の記事で概要を把握することをおすすめします。
はじめに 本題に入る前に、この記事がおすすめな人を挙げてみます。 データの集計・分析作業が多い人 エクセルを使 …
ピボットテーブルレポートのフィルター操作は「行ラベル」・「列ラベル」経由で行う
通常の表をフィルター設定すると、表の全列にフィルターボタン(▼)が表示されますが、ピボットテーブルは異なります。
ピボットテーブルレポートでは、リボン「データ」タブの「フィルター」コマンドは非活性となり、その代わりに行ラベルと列ラベルへフィルターボタンが表示される仕様です。
「行ラベル」はピボットテーブルレポート上の縦軸、「列ラベル」は横軸となります。
それぞれ「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウの「行」ボックス、「列」ボックスと連動しています。
実は、行ラベルと列ラベルにあるフィルターボタンでピボットテーブル上の集計列(値フィールド)のフィルター操作も行うことが可能です。
そのためのコマンドが「値フィルター」となります。
では、ピボットテーブルレポートの「値フィルター」の操作手順を確認していきましょう。
ピボットテーブルでの値フィルターの設定手順
今回の前提として、すでにピボットテーブルの集計条件がセットされた状態からスタートします。
ピボットテーブルの値フィルターの設定は、以下の2ステップとなります。
【STEP1】「値フィルター」ダイアログを起動
まず、行ラベル(列ラベル)のフィルターボタン(▼)をクリック(①)し、「値フィルター」をクリック(②)します。
続いて、任意の抽出条件を選択(③)してください。
今回は「指定の値より大きい」にしてみます。
【参考】値フィルターの条件
- 指定の値に等しい
- 指定の値に等しくない
- 指定の値より大きい
- 指定の値以上
- 指定の値より小さい
- 指定の値以下
- 指定の範囲内
- 指定の範囲外
- トップテン
【STEP2】任意のフィルター条件を設定
「値フィルター」ダイアログが起動します。
真ん中のボックスへ抽出条件となる任意の値を入力(④)し、「OK」をクリック(⑤)して完了です。
今回は手順④は「2000」にしてみました。
「ピボットテーブルのフィールド」ウィンドウの「値」ボックス上へ複数のフィールドを設定している場合、「値フィルター」ダイアログの左側のボックス上でどのフィールドをフィルター対象とするか選択可能です。
手順③で誤った抽出条件をクリックした場合でも、「値フィルター」ダイアログの右側のボックスで抽出条件を変更可能です。
ピボットテーブルレポートで指定した条件通りに絞込みできていればOK!
今回は「金額」の合計値が2,000以上の条件に該当するデータのみに絞込みすることができました!
【参考】値フィルターの絞込み対象は「総計」
ちなみに、値フィルターで絞込み対象となるのはあくまでも「総計」です。
行ラベルであれば、縦軸の項目の総計(表の右側)が、列ラベルであれば、横軸の項目の総計(表の下側)が対象となります。
なので、クロス集計されている総計以外の部分をフィルター対象になりませんので、ご注意ください。
【参考】行ラベル(列ラベル)自体のフィルター操作は「ラベルフィルター」か「日付フィルター」で行う
行ラベル(列ラベル)自体をフィルター対象にすることもできます。
その場合、「ラベルフィルター」か「日付フィルター」を使います。
このフィルターの種類は、行ラベル(列ラベル)に設定したフィールドのデータ型に応じて自動的に識別される仕様です。
- ラベルフィルター:テキストや数値の場合
- 日付フィルター:日付や時刻の場合
もちろん、これらのフィルターではなく、チェックボックスで表示するアイテムを選択する方法を使っても絞込みできます。
自分のやりやすい方法で設定しましょう。
ラベルフィルターの条件
- 指定の値に等しい
- 指定の値に等しくない
- 指定の値で始まる
- 指定の値で始まらない
- 指定の値で終わる
- 指定の値で終わらない
- 指定の値を含む
- 指定の値を含まない
- 指定の値より大きい
- 指定の値以上
- 指定の値より小さい
- 指定の値以下
- 指定の範囲内
- 指定の範囲外
日付フィルターの条件
- 指定の値に等しい
- 指定の値より前
- 指定の値より後
- 指定の範囲内
- 明日
- 今日
- 昨日
- 来週
- 今週
- 先週
- 来月
- 今月
- 先月
- 来四半期
- 今四半期
- 前四半期
- 来年
- 今年
- 昨年
- 今年の初めから今日まで
- 期間内の全日付
【参考】フィルター解除方法
値フィルター・ラベルフィルター・日付フィルターいずれもフィルターを解除する方法は以下の通りです。
行ラベル(列ラベル)のフィルターボタン(▼)をクリック(①)し、「”フィールド名”からフィルターをクリア」をクリック(②)すればOKです。
ちなみに、リボン「データ」タブの「並べ替えとフィルター」グループにある「クリア」コマンドでも解除できます。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
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ファイルを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- 行ラベル(列ラベル)のフィルターボタン(▼)をクリック
- 「値フィルター」をクリック
- 任意の抽出条件を選択
- 任意の値を入力
- 「OK」をクリック
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
ピボットテーブルの手動でのフィルターも基本中の基本のテクニックです。
ピボットテーブルレポートの表示項目が多い場合、フィルターで絞り込んだ方が集計結果を把握しやすくなりますので、ぜひ使いこなせるようになりましょう。
なお、ピボットテーブルの各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
フィルターができないと地味に集計・分析する際に困りますね。
ピボットテーブルレポートのフィルター操作は若干クセがありますが、仕組みを理解すれば通常の表と同じ感覚でフィルターを扱えると思いますので、本記事を参考にしながらお試しください。