事務作業の時短効果が高いExcel(エクセル)の5大機能まとめ
AさんAさん

事務作業でExcelをよく使うので、もっとスキルアップしたいです。
ただ、Excelはたくさん機能があって、何を学べば良いか迷いますが、学んでおくことがおすすめな機能はありますか?

森田森田

大前提として、実務でどんな作業が多いかによって本当に効果的な機能は変わりますが、一般的にはExcel5大機能を学ぶと時短効果が高いです!

その5大機能について、順番に解説していきますね。

はじめに

本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。

  • 実務でExcelを用いる事務作業が多い方
  • Excelをコスパ良く学習したい方
  • Excelの主要5大機能の概要を知りたい方

Excel5大機能とは

事務作業の時短効果が高いExcel5大機能は以下の内容です。

ご覧の通り、従来のExcel3大機能でしたが、Excel2016以降は「モダンExcel」と呼ばれ、2つの強力な機能が標準搭載され、5大機能になりました。
あくまでも森田の解釈です。

では、それぞれの機能の概要を順番に解説していきます。

関数

関数とは、特定の処理や計算を行う内容がセットされた数式のことです。
ここでの説明はワークシート上で用いる「ワークシート関数」を指しています。

その数は400種類以上あり、代表的なものは「合計」を集計する「SUM」、「個数」を集計する「COUNTA」等があります。

関数は、他セルの値を参照して計算や処理を自動化できるため、うまく活用するとワークシート上で手入力する箇所を大幅に減らすことができ、作業の時短やミス抑止に効果的です。

参考記事

関数の詳細を知りたい方は下記記事をご参照ください。

ピボットテーブル

ピボットテーブルとは、表形式のデータ(A)を元に集計表(B)を作成する機能のことです。

ちなみに、元データとなる表Aのことを「データソース」、集計表となる表Bのことを「ピボットテーブル(レポート)」と呼び、以下のイメージとなります。

ピボットテーブルを直訳すると、「回転軸のある表」となる通り、集計の「軸」(条件、切り口)をマウス操作中心で切り替えでき、集計/分析の時短に役立ちます。

様々な条件で多角的に集計/分析が必要な際はピボットテーブルはなくてはならない機能ですね。

なお、一度集計条件を設定以降、元データ側を追加や修正した場合でも、「更新」をすればピボットテーブル側の集計結果も更新することが可能です。

参考記事

ピボットテーブルの詳細を知りたい方は下記記事をご参照ください。

マクロ(VBA

マクロとは、設定した一連の作業手順を自動化できる機能のことです。

いわば、Excelの標準機能にない、「ユーザー独自の機能をつくることができる機能」とも言えます。

このマクロは、ボタンを用意してクリック時に実行させる、あるいは特定のセルを選択時に実行させる等、実行方法も目的に応じて設定することが可能です。

なお、マクロを設定する際、VBAVisual Basic Application)というプログラミング言語でコーディングが必要です。(以下は簡単な例です)

マクロは、VBAの習得が必要なため、敷居は若干高いものの、他機能と比べて自動化できる範囲が段違いに広いです。

制御できる対象がセルやテーブルだけでなく、シートやブック、または他アプリケーション(OutlookPowerPoint等)まで含み、かつ手順の中でその他の4大機能も実行できます。

また、条件分岐やループ(反復処理)も設定できるため、PCを使う事務作業なら大部分は自動化が可能となります。

参考記事

マクロ(VBA)の詳細を知りたい方は下記記事をご参照ください。

パワークエリ

パワークエリとは、主に各種データの取り込み、そのデータの整形/加工(データの変換、列の追加、並べ替え等)といった一連の定型作業を自動化できる機能のことです。

ざっくり言えば、散らばった汚いデータを1つの綺麗なテーブルに自動的にまとめてくれる機能とも言えます。

このパワークエリはETLツール」と呼ばれており、「ETL」を示す以下3ステップを自動化してくれます。

この一連の作業は「クエリ」として記録され、一度設定すれば元データ側に追加や修正があっても、ピボットテーブルと同様に「更新」すれば一連の作業を自動化してくれます。

なお、このクエリと、先のマクロが似ている概念ですが、クエリの方は自動化できる対象や領域が狭いものだと思って頂ければ良いと思います。(クエリ=データベースに限った命令)

ただし、パワークエリは基本的にはマウス操作中心のローコードで一連の作業手順を記録できるため、マクロと比べると習得ハードルは低く、よりお手軽です。

参考記事

パワークエリの詳細を知りたい方は下記記事をご参照ください。

パワーピボット

パワーピボットとは、ピボットテーブルの強化版であり、データモデルを元データとした集計/分析ができる機能のことです。

なお、データモデルとは、Excelブック内の新しい格納先であり、複数テーブルをリレーションシップ(連携)させ、仮想的に1つのテーブルへ集約させた元データを構築できます。

データモデルはデータを圧縮して格納できるため、従来のExcelワークシート以上のデータ数を扱うことができます。
データモデルの仕様上、1テーブルあたりで管理可能なレコード上限数は約20億(1,999,999,997)です。

パワーピボットは、このデータモデルを元データにできるため、Excelでビッグデータの集計/分析を行う際に有効です。

ちなみに、パワーピボットは前工程でパワークエリを使って併用することが基本となります。

参考記事

パワーピボットの詳細を知りたい方は下記記事をご参照ください。

5大機能のおすすめの学習順は

この5大機能を今から覚える方は、どの順で覚えるべきか悩ましいと思いますので、学習順を整理していきましょう。

まず、大前提は「実務ですぐ使うものから覚えるべし」です。

すでに職場で業務の作業手順として使うべきと定められているものがあれば、それから覚えると良いです。

そうした制約がない場合、私としては以下の順で覚えると良いかなと思います。

まず、最初に覚えるべきは関数です。
理由は、以下2点です。

  • セルが対象なので、使う場所の制約が少ない
  • 関数は一つ一つで独立しているため、必要なものを都度学習すればすぐに実務に使える

こうした特性を踏まえ、SUM等の簡単なものから順に主要な関数を一つずつ覚えていくと、ステップアップしている実感が得られ、「もっと新しい関数を覚えたい!」というモチベーションが高まります。

このように、Excelを学んですぐに効果(リターン)を得られると、Excel自体に慣れ、さらにハマるきっかけになり得ます。
(私自身はExcelにハマったきっかけはVLOOKUPでした)

次に学習することがおすすめなのはピボットテーブルです。

ピボットテーブル自体の操作は難しくはないものの、テーブルの概念をしっかり理解する必要があることが初学者のハードルとなります。

そのテーブルの概念は、ある程度Excelの操作感に慣れてからの方が掴みやすいですし、関数以上の速度で集計できることに感動しやすいため、関数の後に学習した方が良いと考えました。

関数やピボットテーブルに慣れ、段々と集計に使う元データがそのまま使えないことにストレスや疑問を感じてきたら、3番目にパワークエリを覚えると良いです。

パワークエリでデータを集め、きれいに整形することを自動化すると、後工程のピボットテーブルや関数で集計/分析をより早く着手できるようになります。

これで、データの前処理に時間がかかり、肝心の集計/分析が時間切れといった事態は回避できます。

最後に、4番目をパワーピボットかVBAかになりますが、これは完全に人によるかなと思います。

104万行以上のデータを扱う機会があるならパワーピボット、パワークエリで制御できない部分まで自動化したいならVBAを次に覚えると良いでしょう。

仕事内容によっては、3番まででほぼ自動化できてしまう方も多いと思うので、この辺りは必要性に応じて選択すると良いでしょう。

【注意】組織で扱うExcelブックに使う機能の選び方

自分だけが扱うExcelブックは特に問題ないですが、組織で扱うExcelブックの場合、使う機能の選び方には注意が必要です。

具体的には、以下の2つのバランスを踏まえた機能選びが重要です。

  • なるべく作業を自動化する機能を使う(上記の5大機能)
  • 該当のExcelブックに携わる各担当者のスキルで問題なく扱える使える機能を使う

仮に、自動化範囲が広いマクロを多用し、かつメンテナンスができるのが自分ひとりの職場の場合、普通にユーザーが使う分には効率的ですが、仕様変更等の発生時にかかるメンテナンスの工数が自分ひとりにかかってしまいます。

軽微なものなら良いですが、根本から仕様が変わるケースでは莫大な工数が必要となり、マクロのメンテナンスまでに業務が止まる、あるいはマクロのメンテナンスを待てず労働集約的な手作業に戻ってしまう等、様々な業務影響が起こるリスクもあります。

よって、上記2点のバランスをうまくとった機能選びを心掛けましょう。

なお、アプローチ的には現状のスキルを起点に考えるのが無難ですが、自動化範囲が狭いケースもありますので、場合によっては中長期的に各担当者のスキルを教育して伸ばすことも視野に入れると良いでしょう。

参考までに、「自動化範囲」と「難易度」の4象限で5大機能の位置付けを整理したものが以下の図です。

業務内容にもよりますが、できれば関数・ピボットテーブル・パワークエリを関係者に覚えてもらえると、かなりの範囲を自動化することが可能になります。

なお、パワークエリは深いところまで行くと、マクロのようにプログラミング言語(「M」という言語)を学習する必要が出てきますが、基本的にはそこまでは行かずとも標準機能(マウス操作中心)まで覚えれば十分だと思います。

そもそも、パワークエリ(パワーピボットもですが)はまだ一般的な現場には普及しているとは言えませんので、自分が覚えたら標準機能の範囲で周囲へ広めていくと良いでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

この5大機能は、それぞれ単独テーマで書籍になるほど、ビジネスパーソンのニーズが高い機能です。

現状使えていない機能があり、かつ実務上の事務作業で自動化の余地があるのであれば、ぜひ段階的に学習してみてください。

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

私自身は関数→ピボットテーブル→マクロ(VBA)→パワークエリ+パワーピボットの順に覚えていきました。

各機能で優劣はありませんが、使える機能が増えると、どんなケースでどの機能を使った方が良いかが分かるようになり、事務作業をより効率化できるようになります。
ぜひ、実務に必要な範囲で段階的に覚えていきましょう。

なお、Excelの作業プロセス軸で整理した記事もぜひ参考までご覧くださいね。