パワークエリの「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのサムネイル
AさんAさん

表の数値の列を対象に四則演算を行いたいです。
Power Queryエディター上で計算する場合、どうしたら良いですか?

森田森田

その場合、Power Queryエディター上の「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドを使えば良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。

Excelステップ講座

はじめに

この記事はパワークエリの概要を把握していることが前提です。

参考記事

パワークエリの概要については、以下の記事をご参照ください。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」の使いどころ

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドは、クエリの新規作成ステップのうち、STEP2の「取得データを整形/加工(Transform)」に該当する機能です。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのスコープ

機能自体は、ワークシート上の四則演算の数式と似ています。

クエリ内の一連の整形作業の中で、四則演算を計算したい場合に「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドを使いましょう。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドの使いどころ

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドを活用することで、選択した数値列を対象に四則演算を計算できます。

参考記事

ワークシート上の数式での四則演算の詳細は、以下の記事をご参照ください。

使用イメージ

「単価」列と「数量」列を乗算した新しい列を追加したイメージが以下です。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドの使用イメージ

Power Queryエディター上で乗算のステップを登録できました。
リボン「列の追加」タブの「乗算」コマンドの場合、デフォルトのステップ名は「挿入された乗算」になる(クエリ内で2つ目以降の「挿入された加算」ステップは連番が付加)。
※その他の四則演算も「挿入された○」となる(○に計算名)。

リボン「変換」タブの「乗算」コマンドの場合、デフォルトのステップ名は「乗算済みの列」になる。
※その他の四則演算も「○済みの列」になる(○に計算名)。

後は、クエリ新規作成ステップのSTEP2で必要な他ステップを登録したら、STEP3を行いましょう。

これにより、クエリに記録した「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップを自動化できます。
「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップ登録後、計算対象の列名を変更すると、クエリ更新時にエラーになるため注意(対処法は、後述の「登録したステップの変更手順」を参照)。

参考記事

クエリの新規作成ステップのSTEP2に役立つ各種コマンドの詳細は「パワークエリ(Power Query)の記事一覧」を、STEP3の手順はパワークエリの概要記事をご参照ください。


ステップ登録手順

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップを登録したい場合、計算対象により手順が異なります。

複数列での計算

複数列で計算したい場合、以下の手順となります。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップ登録手順(複数列での計算)

  1. 計算したい複数の列を選択
    ※今回は「単価」・「数量」列
  2. リボン「列の追加」タブをクリック
  3. 「標準」をクリック
  4. 「加算」 or 「減算」 or 「乗算」 or 「除算」をクリック
    ※今回は「乗算」

手順①で選択する列の順番で四則演算の式が決まるため、「減算」と「除算」の場合は要注意(例:1列目-2列目)。
手順①で選択した列のデータ型が「数値」以外の場合、手順③以降は非活性となる。
手順①で3列以上を選択した場合、「加算」と「乗算」以外は非活性となる。
手順④は、計算したい内容によって使い分け。

単一の列と定数での計算

単一の列の各数値に対し、一律同じ数値で計算したい場合、以下の手順となります。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップ登録手順(単一の列と定数での計算)

  1. 計算したい単一の列を選択
    ※今回は「単価」列
  2. リボン「列の追加」タブをクリック
  3. 「標準」をクリック
  4. 「加算」 or 「減算」 or 「乗算」 or 「除算」をクリック
    ※今回は「乗算」
  5. 任意の数値を入力
    ※今回は「1.5」
  6. 「OK」をクリック

手順①で選択した列のデータ型が「数値」以外の場合、手順③以降は非活性となる。
手順①の列を上書きしたい場合、手順②はリボン「変換」タブをクリック。
※同じコマンドだが、手順①の列を四則演算の結果となる値で上書きする。

手順④は、計算したい内容によって使い分け。

登録したステップの変更手順

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドで登録したステップを後から変更する場合、変更したい内容が計算対象の列か、計算内容かで手順が異なります。

それぞれの手順を順番に解説していきましょう。

計算対象の列

四則演算の対象列を後から変更したい場合、以下の手順で変更しましょう。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップ変更手順(計算対象の列)

  1. 「挿入された○」 or 「○済みの列」ステップを削除(「×」をクリック)
  2. 再度「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップ登録手順を実行

手順①のステップ名は、「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのデフォルトの名前(自身でリネームしている場合は別表記)。

計算内容

四則演算の計算内容(計算対象の2列目のみ変更含む)を後から変更したい場合、以下の手順で変更しましょう。

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのステップ変更手順(計算内容)

  1. 「挿入された○」 or 「○済みの列」ステップの歯車マークをクリック
  2. 任意の計算内容へ修正
  3. 「OK」をクリック

手順①のステップ名は「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドのデフォルトの名前(自身でリネームしている場合は別表記)。
手順①はステップ名をダブルクリックでもOK。
手順①で起動した「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」ダイアログは、ステップに設定した内容がセットされた状態。
※3列以上の加算・乗算の場合、「カスタム列」ダイアログが起動。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_PowerQueryデータ整形_四則演算.xlsx

サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。

ブックを開いたら、「売上明細」クエリを編集(Power Queryエディター起動)し、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。
ブック起動時、「セキュリティの警告」メッセージが表示された場合は「コンテンツの有効化」をクリック。

  1. 計算したい複数の列を選択
    ※今回は「単価」・「数量」列
  2. リボン「列の追加」タブをクリック
  3. 「標準」をクリック
  4. 「加算」 or 「減算」 or 「乗算」 or 「除算」をクリック
    ※今回は「乗算」

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドは、選択した数値列を対象に四則演算を計算できます。

既存の数値列を使い、新たに計算した列を追加することで、後工程の集計/分析に役立つ機会は多いため、ぜひ覚えましょう!

なお、パワークエリの各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。


また、よりコアな情報を発信していくために「公式LINE」を開始しましたので、ご興味があれば以下バナーから友だち追加をお願いします!
特典として、Excelワークシート関数一覧(計22スライド)やExcelショートカットキー一覧(計25スライド)等をプレゼント!

森田貢士の公式LINEへの友だち追加告知用バナー

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

「加算」・「減算」・「乗算」・「除算」コマンドに慣れたら、他の数値列の計算に役立つコマンドもセットで覚えることをおすすめします。
具体的には、端数処理を計算できる「丸め」コマンドや、剰余(除算の余りの数)を計算できる「剰余」コマンドです。
元データを集計/分析しやすくする際に便利なので、ケースに応じて活用していきましょう!