集計表(レポート)に掲載する情報は「読み手」に合わせよう
AさんAさん

前回のポイントを意識してから、私が作成した集計表は職場で「見やすくなった」と言ってもらえることが増えましたが、時折「データが細かすぎて分かりにくい部分がある」等と言われてしまうことがあります・・・。
他に何か気を付けた方が良いことはありますか?

森田森田

もしかすると、集計表の読み手の求める情報の粒度になっていないのかもしれませんね。
今回は、読み手へ配慮した方が良いポイントについて解説していきましょう。

それでは、詳細を解説していきますね。

はじめに

本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。

  • 作成した集計表(レポート)表に対して「分かりにくい」と言われたことがある方
  • 集計表(レポート)の作成頻度が高い方
  • データ集計/分析の作業が多い方

前提条件

この記事は集計表(レポート)の概要や見やすくするポイントを理解していることが前提です。

参考記事

集計表(レポート)の概要および見やすくするポイントの詳細は以下の記事をご参照ください。


数字の粒度は「読み手」の立場やニーズを踏まえる

集計表の大前提は、読み手が求める情報をシンプルに見せることです。

どのデータにポイントを絞るかについては前回の記事で解説しましたが、さらに読み手の立場やニーズを踏まえ、見せる数字の粒度まで配慮できるとベターです。

例えば、次のような組織の場合で考えてみましょう。

ここで収支に関するデータを求める立場が部長と店長だったとしたら、同じ数字の粒度で良いでしょうか?

「部」と「店」では、対象となる数字の大きさが異なります。

よって、全体感を掴むための「単位」が変わる可能性が大きいです。

店舗の規模感にもよりますが、例えば部長だと「百万円」単位、店長だと「千円」単位等ですね。

この方が、それぞれの立場で全体感を掴むために役立つ数値になるでしょう。

このように、同じデータでも粒度を変えた方が良い場合がありますので、集計表を作成する際はこうした点も留意すると良いですね。

分析手法は「読み手」が理解しやすいシンプルなものがベスト

本人しか理解できないような複雑な分析手法でこねくり回してしまう、あるいはガチガチの統計分析等の高度すぎる分析手法を駆使してしまうことも、実務では読み手に「分かりにくい」と言われてしまう原因となります。

同じ分析結果になるなら、なるべくシンプルで簡単な分析手法を採用するように工夫しましょう。

特に、統計分析等のより専門的な分析手法を身に着けた方は要注意です。

高度で専門的な分析手法を行うことで、より精度の高い分析が出来たとしても「読み手がその分析結果を理解できない」あるいは「読み手に理解してもらうための説明がうまくできない」というリスクがあるためです。

例えば、CS(顧客満足)アンケートの総合満足度を高めるために、対策を打つべきターゲットとなる設問を特定する場合で考えてみましょう。

この場合、ざっくり2通り考えられるとします。(実際は他にもアプローチ方法はあります)

  1. 満足度の低い設問を調べる
  2. 総合満足度と相関の高い(=相関係数の絶対値が大きい)設問を調べる

この場合、の方法は分かりやすいですが、の方法は相関分析の基礎知識がないと分かりにくいですね。

本来はの両方を行い、「総合満足度との相関係数が高く、満足度の低い設問」を特定すべきですが、結果的にの方法単独と同じ結果になるなら、の方法の説明を割愛した方が読み手にやさしいケースもあります。

逆に、の方法の結果も必要な場合は、読み手が分かりやすいように補足情報を併記すると良いでしょう。
(相関係数がいくつ以上なら「相関が強い」と言えるか等)
相関係数は所説ありますが、0.3~0.4以上で「相関がある」と言えます。(私は0.4以上を推奨)

なお、読み手が社内の人なら、理想はその層へ必要な知識を事前トレーニングしておくことです。

名称や用語は「読み手」に通じる表現に統一すること

細かい部分ですが、集計表に用いる名称や用語にも注意しましょう。

具体的には以下の内容です。

  • 読み手に通じない略語や専門用語は使わない
  • 社名や商品名、サービス名等は正式名称を使う

もし、表示領域の兼ね合い等で略さないといけない場合は、注釈を入れる等しておきましょう。

特に、クライアント向けの集計表なのに、クライアントの社名や商品/サービス名の表記が違うといった場合、大変失礼になるため注意しましょう。
案外スペルの小文字/大文字等で誤る人が多いです。(正:iPhone→誤:iphone等)

さいごに

いかがでしたでしょうか?

いずれも「当たり前」ではありますが、案外意識できていない部分がある方も一定数いるものです。

もし当てはまる部分や意識できていない部分があれば、実務で集計表を作成する際に心掛けてみてくださいね。

なお、集計表に関する知識や作成テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

こうした「読み手に対する配慮」に関するポイントは、実務で上司や先輩からのフィードバックで身に着くことが大半だと思います。(最悪はクライアントからのご指摘ですが)

ただ、全員がこうしたフィードバックを受けられるとも限りませんので、この記事にたどり着いた方は、ぜひこの機会に意識してみてくださいね。