Excelで「時」と「分」と「秒」が数値で分かれている場合、つなげて「時刻」を作成したいですが、良い方法はありますか?
その場合は、関数の「TIME」を活用すると良いですよ!
では、TIMEの使い方について解説していきますね。
はじめに
この記事は関数の概要を把握していることが前提です。
関数の概要については以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は数式の概要を把握していることが前提です。 参考記事 数式の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。 関数とは 関数とは、数式の構成要素の1つであり、固有の計算/処理の機能がセットされた数式のことです。 …
別データになった時/分/秒を使って時刻を作成したい場合は「TIME」が有効
データによっては、時/分/秒を3列に分けて管理しているケースがあります。
時/分/秒の軸で集計する際は便利ですが、この3列をつなぎ合わせた「時刻」がほしいことも実務では起こり得ます。
こんな場合、関数の「TIME」を使うと良いです。
TIMEは「タイム」と読む。
TIMEを使うことで、時/分/秒の3つのデータから「時刻」(シリアル値)を作成できます。
ちなみに、シリアル値は、1900年1月1日を起点に何日目かをカウントした数値です(「44082」なら、1900年1月1日から44082日目)。
シリアル値の「1」は1日(=24h)となり、時刻の場合は時間換算した結果を小数点で示します(1h=1日/24h、1m=1日/24h/60m、1s=1日/24h/60m/60s)。
TIMEの構文
TIMEの構文は以下の通りです。
=TIME(Hour,分,秒)
時間、分、秒を数値として指定してExcelのシリアル番号に変換し、時刻形式で書式設定します。
引数名 | 必須 | データ型 | 説明 |
---|---|---|---|
Hour | ○ | 数値 | 「時間」にしたい値や単一セルを指定します。 ※0~23の整数を指定 |
分 | ○ | 数値 | 「分」にしたい値や単一セルを指定します。 ※0~59の整数を指定 |
秒 | ○ | 数値 | 「秒」にしたい値や単一セルを指定します。 ※0~59の整数を指定 |
TIMEの戻り値となる小数(シリアル値)は「0」~「0.99988426」の範囲内の値。
※0:00:00 (午前0時) から23:59:59 (午後11時59分59秒) までの時刻を表す。
各引数の値が負の数、または「32767」より大きい値の場合、エラー値「#NUM!」が表示。
引数「Hour」の値が「23」より大きい値の場合、その値を24で除算した剰余(あまり)の値で処理される。
※例:引数「Hour」に「30」を指定→24で除算した剰余の「6」として処理
引数「分」の値が「59」より大きい値の場合、TIMEの戻り値の「時」・「分」部分に変換される。
※例:TIME(0,1000,0)→TIME(16,40,0)へ変換
引数「秒」の値が「59」より大きい値の場合、TIMEの戻り値の「時」・「分」・「秒」部分に変換される。
※例:TIME(0,0,1000)→TIME(0,16,40)へ変換
【参考】TIMEは「日付/時刻関数」
あくまで参考情報となりますが、TIMEはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「日付/時刻」に分類されています。
実際にTIMEを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。
TIMEの使用結果イメージ
TIMEを使い、「時刻」を作成するイメージは以下の通りです。
今回は「時」・「分」・「秒」の3列のデータから「受注時刻」列を作成しました。
上記のように計算列としてTIMEを使う場合、1レコードにつき1つの関数を使います。
「計算列」とは、数値/日付/時刻の列の値を計算した新たな列のこと。
TIMEをセットしたセルの表示形式を「時刻」にしないとシリアル値(0.513900463等)で表示。
ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。
TIMEの数式の挿入手順
上記の結果を得るための手順は以下の通りです。
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はF2セル - 「=ti」等と入力
- サジェストから「TIME」を選択し、「Tab」キーで確定
- 「時」を示すセルを選択 or 数値を入力
※今回はC2セル - コンマ(,)を入力
- 「分」を示すセルを選択 or 数値を入力
※今回はD2セル - コンマ(,)を入力
- 「秒」を示すセルを選択 or 数値を入力
※今回はE2セル - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はF3~F11セルへペースト
手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
手順④~⑧をすべてセル参照する場合、「Ctrl」キーを押しながらセル選択することで手順⑤⑦の入力を省略可能(コンマ(,)が自動入力)。
テーブルの場合、手順⑩は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
※サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります。
(上記リンクから登録フォームへ遷移します)
ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- 関数を挿入するセルを選択
※今回はF2セル - 「=ti」等と入力
- サジェストから「TIME」を選択し、「Tab」キーで確定
- 「時」を示すセルを選択 or 数値を入力
※今回はC2セル - コンマ(,)を入力
- 「分」を示すセルを選択 or 数値を入力
※今回はD2セル - コンマ(,)を入力
- 「秒」を示すセルを選択 or 数値を入力
※今回はE2セル - 「Enter」キーで確定
- 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
※今回はF3~F11セルへペースト
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
TIMEは時刻データの計算列の追加に役立つ関数の一つです。
定期的に時刻の計算列を作成する機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。
なお、TIME以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
また、よりコアな情報を発信していくために「公式LINE」を開始しましたので、ご興味があれば以下バナーから友だち追加をお願いします!
特典として、Excelワークシート関数一覧(計22スライド)やExcelショートカットキー一覧(計25スライド)等をプレゼント!
ご参考になれば幸いですm(_ _)m
TIMEとセットで覚えておいた方が良い関数は、逆パターンとして時刻から「時」を取得できるHOUR、「分」を取得できるMINUTE、「秒」を取得できるSECONDです。
また、日付計算とセットで扱うことも多いのでDATEも一緒に覚えるとなお良いですね。