売上をレポートする際、目標達成しているかどうかを視覚的に分かりやすくしたいです。
お手軽な方法はありますかね?
そんな場合、条件付き書式の「アイコンセット」という機能を使うと良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。
はじめに
この記事は条件付き書式の概要を把握していることが前提です。
条件付き書式の概要については、以下の記事をご参照ください。
表を色やバー、アイコン等で強調したい場合は「条件付き書式」が有効 実務では、表を色等で強調することで利便性を高めたい場合があり、2種類のケースに大別できます。 集計表の着目すべきポイントを色/バー/アイコンで強調表示した …
特に、条件付き書式の共通操作(ルールの適用先変更/表示順変更/複製/停止/削除/クリア)は上記記事を参照のこと。
集計表の中で特に着目したい数値データの評価を強調したい場合は「アイコンセット」が有効
実務では、既存データに対して基準値を条件に評価や判定を行う機会が多いもの。
たとえば、集計した売上金額が目標達成しているか否かを「◯」や「×」で判定する、あるいはテストの成績に応じて「A」や「B」といったランク付けを行うイメージです。
こうした作業は、人が行うと判断誤りや誤入力を起こす可能性はありますし、都度判断するのに負荷がかかります。
一方、基準値を条件に評価や判定を機械的に行うことはExcelの得意領域です。
こうした場合、関数のIFを用いて「○」や「×」等の記号を文字列で表現することが一般的ですが、評価結果を「アイコン」にすることも可能です。
アイコンで評価したい場合は、条件付き書式の「アイコンセット」を活用します。
アイコンセットを使うことで、数値データを3~5段階のアイコンで評価結果を視覚的に表現できて便利です。
関数のIFの詳細は、以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照ください。 条件判定の結果を値で表示したい場合は「IF」が有効 実務では、既存データに対して基準値を条件に評価 …
アイコンセットの使用イメージ
「達成率」列に対し、「3種類の星」のアイコンセットを設定したイメージが以下です。
F3~G6セルにある評価基準を踏まえ、「達成率」列の数値データに応じて3段階のアイコンのいずれかを表示できています。
なお、アイコンセットのデフォルトの仕様は、指定した数値データ内の最大値と最小値によって各アイコンの基準値が相対的に変動します。
上記の達成基準のように絶対的な基準値で表示するアイコンを条件付けするには、別途「ルールの編集」が必要になりますのでご注意ください(詳細は後述の「各アイコンの基準値/条件の変更」を参照)。
アイコンセットの設定手順
アイコンセットを設定したい場合は、以下の手順となります。
- アイコンセットを設定したいセル範囲を選択
※今回はD4~D7セル - リボン「ホーム」タブをクリック
- 「条件付き書式」をクリック
- 「アイコンセット」をクリック
- 任意のアイコンセットを選択
※今回は「3種類の星」
アイコンセットのルールの編集
後からアイコンセットの詳細ルールを編集できます。
そのためには、以下の手順で「書式ルールの編集」ダイアログを起動しましょう。
- 編集したいアイコンセットルールが設定されたセル範囲を選択
※今回はD4~D7セル - リボン「ホーム」タブをクリック
- 「条件付き書式」をクリック
- 「ルールの管理」をクリック
- 任意のルールを選択
- 「ルールの編集」をクリック
- 任意の内容へ編集
- 「OK」をクリック
- 「OK」をクリック
手順⑤⑥は任意のルールをダブルクリックで省略可能。
手順⑧は「適用」ボタンをクリックすると、「条件付き書式ルールの管理」ダイアログを閉じずにワークシート上でルール編集した結果を確認することが可能(「OK」ボタンをクリックするとダイアログが閉じてしまう)。
以降、手順⑦で編集できる内容別に解説していきます。
各アイコンの基準値/条件の変更
前述の通り、アイコンセットのデフォルトの仕様は、指定した数値データ内の最大値と最小値によって各アイコンの基準値が相対的に変動します。
具体的には、「(最大値–最小値)×n%+最小値」という計算が自動的になされ、各アイコンが割り振られます。
この「n%」の部分が3~5段階のアイコンセットで以下のような内訳になります(以下、数値が大きい順のアイコンの基準)。
- 3段階:67%以上、33%以上、33%未満
- 4段階:75%以上、50%以上、25%以上、25%未満
- 5段階:80%以上、60%以上、40%以上、20%以上、20%未満
たとえば、今回の「3種類の星」のアイコンセットを設定したケースでは、最大値が「155.4%」、最小値が「64.5%」のため、「(最大値–最小値)×n%+最小値」で計算し、各アイコンを実際の値に直すと以下の条件だと分かります。
- 67%以上:125.4%以上
- 33%以上:94.5%以上
- 33%未満:94.5%未満
これを評価基準の通り、絶対値でアイコンの基準値を変更したい場合は、各アイコンの「値」ボックスと「種類」ボックスの部分を変更しましょう。
- 値:任意の値を入力 or セル参照
- 種類:「数値」を選択
「値」ボックスはワークシート上に基準値を用意している場合はセル参照を優先すること(基準値の変更時、ワークシート上で変更が完結するため)。
「値」ボックスに少数ありの数値を直接入力したい場合は、小数点含めた数値または%表示で入力(例:50%なら「0.5」か「50%」のいずれかで入力)。
「種類」ボックスの「パーセント」は、デフォルトの仕様通り相対的な基準値を意味する。
その他、使用頻度は多くないと思いますが、各アイコンの基準値の条件は「>=」(以上)がデフォルトですが、「>」(より大きい)にすることも可能です。
必要な際に設定変更してください。
アイコンスタイルの変更
通常は新規設定時に任意のアイコンセットを選択しますが、設定後に別のスタイルに変更することも可能です。
その場合、アイコンスタイルの「▼」ボタンをクリックし、任意のスタイルを選択し直しましょう。
選択できるスタイルの種類は、新規設定時と変更はありません。
アイコン順序の反転
アイコンセットは通常、数値の大きい順にアイコンも良い意味のものが割り当てられる仕様です。
ただし、数値データによっては、数値が小さい方が良い意味の場合もあります。
その場合、「アイコンの順序を逆にする」ボタンをクリックすることで、アイコンの割り当て順序を反転できます。
反転後、当初の順序に戻したくなった場合は、再度「アイコンの順序を逆にする」ボタンをクリックすればOKです。
アイコンのみ表示(数値非表示)へ変更
通常、アイコンセットを設定したセルは、元々の数値データ+アイコンの両方が表示される仕様です。
集計表のスペースに限りがあって表示する列数を最小限にしたい場合等、アイコンのみを表示(=数値データを非表示)させることも可能です。
その場合、「アイコンのみ表示」のチェックをONにしましょう。
後で、再度数値データを表示させたい場合は、このチェックをOFFにすればOKです。
アイコンのみ表示の活用例については、以下の記事をご参照ください。
先日の記事で条件付き書式のアイコンセットの設定方法について解説しましたが、今回は応用編について解説していきます。 各アイコンの境目の数値は変動してしまう 先日の記事でも解説しましたが、条件付き書式のアイコンセットは書式設 …
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。
ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)
- アイコンセットを設定したいセル範囲を選択
※今回はD4~D7セル - リボン「ホーム」タブをクリック
- 「条件付き書式」をクリック
- 「アイコンセット」をクリック
- 任意のアイコンセットを選択
※今回は「3種類の星」
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
アイコンセットは、数値データの良し悪しを3~5段階のアイコンで可視化できる機能です。
集計表の数値データの評価を視覚化したい場合に役立ちます。
なお、アイコンセット以外にもExcelでのデータ分析の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
ご参考になれば幸いですm(_ _)m
アイコンセットとセットで覚えた方が良いのは、関数の「IF」です。
同じく集計表の数値データの評価に役立つ機能ですが、アイコンセットは「アイコン」、IFは「文字列」で評価結果を表現できます。
ケースに応じて使い分けできると便利ですよ!
“【条件付き書式】数値データの良し悪しを3~5段階のアイコンで可視化できる「アイコンセット」の使い方” への1件のフィードバック