【Excel基本】集計したデータの特徴や傾向を可視化できる「グラフ」の前提知識や使い方まとめ
AさんAさん

集計表を色付け等で見やすくしてみましたが、もっとパッと見てどんなデータなのか視覚的に分かりやすくしたいです。
何の機能を使えば良いですかね?

森田森田

そんな場合、「グラフ」という機能を使うと良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。

集計表の全体感を瞬時に把握したい場合は「グラフ」が有効

集計表にまとめたデータだけだと、数値の特徴や傾向等の全体感がパッと見で把握しにくいです。

仮に、把握できたとしても、読み手は詳細に集計表を読み込み、全体感をつかむために負荷がかかってしまいます。

こんな場合、「グラフ」を活用しましょう。

グラフは、数値データをグラフ化することで、特徴や傾向を可視化できるExcel機能です。

このグラフを集計表とセットで配置することで、全体のイメージはグラフ、詳細は集計表で確認することが可能です。

これにより、読み手が集計表にまとめた結果をより楽に正確に把握できます。

グラフの使用イメージ

各商品の9月の売上金額を集合縦棒グラフにしたイメージが以下です。

商品別の金額の大小をグラフで可視化できました。

ちなみに、後でグラフの元データの数値データが変わっても自動でグラフへ反映されます。

なお、グラフを活用する際のポイントですが、なるべくファーストビューで集計表+グラフが確認できるとベストです。
ファーストビューとは、スクロールせずに表示される画面領域のこと。

そうすることで、読み手は集計表とグラフを見比べやすくなります。

また、集計表と同様、グラフも極力シンプルにすることが大前提です。

グラフに掲載する要素は、特に読み手に伝えたいポイントに絞り、それ以外の不要なものはそぎ落とすイメージだと思ってください(下記手順⑦で設定)。

グラフの挿入/設定手順

グラフを挿入/設定したい場合は、以下の手順となります。

  1. グラフの元データにしたいセル範囲を選択
    ※今回はA4~B13セル
  2. リボン「挿入」タブをクリック
  3. 任意のグラフ種類を選択
    ※今回は「縦棒/横棒グラフの挿入」
  4. 任意のグラフを選択
    ※今回は「集合縦棒」
  5. 任意の場所へ移動
    ※今回はD3セル(グラフの左上隅の位置)
  6. 任意のサイズへ変更
    ※今回はD3~H14セル
  7. 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
    ※今回はなし

手順①で選択する範囲は、項目名にしたい部分も含めること(含めないと後から項目名の設定が必要)。
表に総計や小計の行/列がある場合、手順①のセル範囲に総計/小計を含めないことを推奨(含めると総計/小計の値が大き過ぎて、正確に比較しにくくなるため)。
手順④は3-Dグラフは読み手に誤った印象を与える恐れがあるため、非推奨。
手順⑤⑥は図形と同じくドラッグ操作でOK
手順⑦はグラフにより設定可能なグラフ要素が異なる部分あり(詳細は各グラフの個別記事参照)。

「グラフ要素」とは

グラフ要素とは、その名の通りグラフの構成要素のことです。

具体的には、グラフ要素は以下の種類があります。

グラフを見やすくするためには、グラフ要素を必要最小限のもののみを残すように追加/削除が必要です。

そして、残したグラフ要素に対し、必要に応じて書式設定を行います。

こうした作業を行うためにも、どの部分がどういう名称かを把握しておきましょう。

特に実務で頻出なグラフ要素は以下の通りです。

  • グラフエリア
  • グラフタイトル
  • プロットエリア
  • 横軸
  • 縦軸
  • 凡例
  • データ系列
  • データラベル

グラフの種類によって横軸・縦軸は「項目」か「値」のいずれかとなる。

まずはこれら優先的に覚えましょう。

【参考】主要なグラフ要素が集計表のどの部分なのか

主要なグラフ要素のうち、横軸・縦軸・凡例・データ系列が集計表のどの部分になるか、集合縦棒グラフを例に解説します。

  • 横軸:集計表の縦軸の見出し部分
  • 縦軸:集計表の集計値(集計した数値)の最小値・最大値に応じて自動設定
  • 凡例:集計表の横軸の見出し部分
  • データ系列:集計表の集計値(集計した数値)部分

扱うグラフの種類や元データのレイアウトにより、上記と異なる場合もありますが、詳細は各グラフの記事をご参照ください。

グラフの基本種類

Excelで設定できるグラフは30種類以上も用意されています。

ただし、実務ではすべての種類を使うわけではなく、何を比較したいかによって最適なグラフを選択しましょう。

本記事では、実務に頻出な基本のグラフのみに絞り、使用イメージや用途について、順番に解説していきます。

集合縦棒グラフ

集合縦棒グラフは、金額や人数等、数値データの「量」(大小)の比較に最適です。

実務で最も使われるグラフと言っても過言ではないでしょう。

参考記事

集合縦棒グラフの詳細は、以下の記事をご参照ください。

【参考】横軸の項目名が長い場合は「集合横棒グラフ」がおすすめ

数値データの量(大小)の比較する際、集合縦棒グラフでは横軸の項目名が収まらない場合があります。

そんな場合は、同じく量の比較に適した集合横棒グラフを活用しましょう。

縦軸が項目名となり、同じ情報量でもより見やすくグラフ化できます。

参考記事

集合横棒グラフの詳細は、以下の記事をご参照ください。

折れ線グラフ

折れ線グラフは、数値データの時系列(年//日等)の「トレンド」を把握するのに最適です。

折れ線グラフは、グラフの横軸を時系列にして使うケースが一般的です。

また、データ系列が複数要素ある場合に量を比較したい場合、同じ情報量ですっきりグラフ化できます。

参考記事

折れ線グラフの詳細は、以下の記事をご参照ください。

円グラフ

円グラフは、構成比等、数値データの「比率」の把握に最適です。

元データがパーセンテージ(%)を示すものであれば、基本は円グラフを使用しましょう。

ただし、円グラフのみデータ系列が1種類のみに限定されています。
たとえば、9月と10月等、2種類ある場合、同じ円グラフ上で比較できない。

この場合、後述の100%積み上げ縦棒グラフ等で代用すると良いです。

参考記事

円グラフの詳細は、以下の記事をご参照ください。

その他の実務で使う可能性があるグラフ

その他、実務で使用する可能性が高めのグラフは以下の通りです。

他にも様々なグラフが用意されていますが、上記を使い分けできるだけでも十分でしょう。

【参考】使用するグラフの判断チャート

前述のグラフ種類をどのように使い分けすれば良いか、以下のチャートに判断軸を整理してみました。

ひとつの参考にしてみてください。

グラフ共通の編集手順

グラフを編集する際、グラフ種類によって異なる部分もありますが、まずは共通する編集手順から押さえておきましょう。

参考記事

グラフ共通の編集手順の詳細は、以下の記事をご参照ください。

【参考】グラフ自体の複製や削除等の方法は図形と同じ

グラフ自体は大枠ではExcelの図形機能と同じ扱いとなるため、複製や削除等の操作は以下の通りとなります。

  • 複製:グラフを選択して「Ctrl+C」→(任意のセルを選択し)「Ctrl+V
  • 削除:グラフを選択して「Enter」キー押下(「Back Space」キーでも可)

その他、「書式のコピー/貼り付け」コマンドを使えば、特定のグラフの書式をコピーし、別のグラフへその書式を貼り付けすることも可能です。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_グラフ_挿入・設定.xlsx

サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。

ブックを開いたら、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。

  1. グラフの元データにしたいセル範囲を選択
    ※今回はA4~B13セル
  2. リボン「挿入」タブをクリック
  3. 任意のグラフ種類を選択
    ※今回は「縦棒/横棒グラフの挿入」
  4. 任意のグラフを選択
    ※今回は「集合縦棒」
  5. 任意の場所へ移動
    ※今回はD3セル(グラフの左上隅の位置)
  6. 任意のサイズへ変更
    ※今回はD3~H14セル
  7. 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
    ※今回はなし

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

グラフは、集計表でまとめた数値データをグラフ化し、特徴や傾向を可視化したい場合に役立つ機能です。

集計表とグラフをセットで配置し、全体のイメージはグラフ、詳細は集計表で確認できるようにすることで、読み手目線でデータを読み取りやすくしていきましょう!

なお、グラフ以外にもExcelでのデータ分析の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。


ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

グラフとセットで覚えた方が良いのは、集計表が大きい場合のデータ可視化に役立つ機能です。
具体的には、条件付き書式の「カラースケール」「データバー」、加えて「スパークライン」という機能です。
これらは集計表自体に色付けして分布を可視化する、あるいは集計表の中に簡易的なグラフを表示できるため、グラフなしで数値データの特徴や傾向を把握しやすくできますよ!