【エクセル中級者向け】1日のスケジュールの内訳を示す24時間円グラフの作り方
AさんAさん

自分の1日のスケジュールを円グラフで表現したいんですけど、その方法がわかりません。
どうすれば作成できますか??

森田森田

簡単なものであれば円グラフのちょっとした設定を変更するだけで作成できますよ!
円グラフの周囲に時間の目盛を表示して見やすく作成したいなら、レーダーチャートを組み合わせる応用テクニックがおすすめです。
それでは、作成方法について解説していきますね。

Excelステップ講座

はじめに

本題に入る前に、この記事がおすすめな人を挙げてみます。

  • 1日のスケジュールをグラフにきれいに表示したい人
  • 円グラフの応用テクニックを身に付けたい人
  • いろいろなグラフの作成方法を知りたい人

24時間円グラフの作成手順

24時間円グラフは次の12ステップで作成することができます。

それでは、順番に確認していきましょう!

【STEP1】1日のスケジュールを表にまとめる

まずは、上記のような表で1日のスケジュールを作成(①)しましょう。

最低限必要なデータは以下の3つです。

  • 開始時刻
  • スケジュール内容
  • 所要時間

ここで作成するデータは、0時近辺のスケジュールから作成すると円グラフの頂点から始まるので修正しやすいです。

なお、「所要時間」は全データの合計値が24時間になるようにしましょうね。

【STEP2】レーダーチャート用のダミーデータを表にまとめる

今回のテクニックは、円グラフとレーダーチャートの組み合わせを行なうことで、円グラフの周囲に時間の目盛を表示します。

そのレーダーチャート用にダミーデータの表も作成(②)する必要がありますよ。

具体的には、以下のようなデータを表にまとめておきましょう。

最低限必要なデータは以下の3つです。

  • 時刻
  • 表示時刻
  • ダミー

ちなみに、「時刻」は、STEP1で「開始時刻」を何分刻みにしたかでデータ数が変わります。

上記のサンプルでは、30分刻みであったため、”0:00”から24時間分を30分刻みで48データを用意しましたが、60分刻み、20分刻み、15分刻みなどでデータ数が変わりますのでご注意ください。

また、「表示時刻」は、STEP1で「開始時刻」に該当するところに、その時刻を入力してください。

ここに入力された内容が円グラフの周囲に表示される時間の目盛となります。

最後の「ダミー」はすべての行に”0”を入力してください。

【STEP3】STEP1の表からドーナツグラフを作成

ここから実際にグラフ作成に入っていきます。

STEP1の「スケジュール内容」「所要時間」のデータを選択(③)し、リボン「挿入」タブをクリック(④)します。

ちなみに、③は見出し部分の選択は不要です。

そして、「円またはドーナツグラフの挿入」をクリック(⑤)し、「ドーナツ」を選択(⑥)すればOKです。

設定によっては、グラフの「行/列の切り替え」やグラフタイトル・凡例の削除が必要になりますので、該当する場合はこのタイミングで対応してしまいましょう。

「行/列の切り替え」の方法

グラフを選択した状態で、リボン「グラフツール」の「デザイン」タブにある「行/列の切り替え」をクリックすればOKです。

「グラフタイトル」・「凡例」の削除の方法

「グラフタイトル」や「凡例」は、それぞれ選択した状態で「Delete」キーや「BackSpace」キーで削除することができます。

【STEP4】STEP3のドーナツグラフへSTEP2のデータを「系列を選択して貼り付け」

STEP2の「表示時刻」「ダミー」のデータを選択の上コピー(⑦)し、STEP3で作成したドーナツグラフを選択(⑧)します。

次に、リボン「ホームタブ」をクリック(⑨)し、「貼り付け」の下にある「▼」をクリック(⑩)すると表示される「形式を選択して貼り付け」をクリック(⑪)します。

【STEP5】「系列を選択して貼り付け」ダイアログで「新しい系列」を追加

「系列を選択して貼り付け」ダイアログが表示されます。

「貼り付け方法」は「新しい系列」を選択(⑫)し、「OK」をクリック(⑬)すればOKです。

ちなみに、ダイアログ内の他項目は、通常はデフォルトのままになっていれば問題ないです。

具体的には、「Y/データ系列の向き」は「列」が選択された状態、ダイアログ下部のチェックは「先頭列を項目列として使用する」のみに入っている状態ですね。

【STEP6】リボン「グラフツール-書式」タブの左上のボックスで「系列2」を選択

ここからSTEP5で追加した「系列2」をレーダーチャートにしていく作業になりますね。

まず、「系列2」はグラフ上から選択できないため、リボン「グラフツール-書式」タブをクリック(⑭)し、タブ内の左上に「グラフ要素」というボックスから「系列2」を選択(⑮)します。

【STEP7】「系列2」からレーダーチャートを作成

「系列2」が選択された状態のまま、リボン「挿入」タブをクリック(⑯)しましょう。

「等高線グラフまたはレーダーチャートの挿入」をクリック(⑰)し、「レーダー」を選択(⑱)します。

これで「系列2」をレーダーチャートにすることができました。

ちなみに、⑰の部分は、Excel2010だと「その他のグラフ」になりますよ。

【STEP8】STEP7で作成された「レーダー(値)軸」を削除

ドーナツグラフにレーダーチャートの要素も入ってきましたが、「レーダー(値)軸」は不要なため削除(⑲)します。

「レーダー(値)軸」は、選択した状態で「Delete」キーや「BackSpace」キーで削除することができますよ。

【STEP9】STEP3のドーナツグラフ(系列1)を円グラフへ変更

あとは、ドーナツグラフが役目を終えたので円グラフへ変更します。

まず、ドーナツグラフであった「系列1」を選択(⑳)します。

選択方法はSTEP6と同じです。

次に、ドーナツグラフ上にカーソルを合わせてマウス右クリックで表示されるメニューから「系列グラフの種類の変更」を選択(㉑)し、グラフは「円」を選択(㉒)「OK」で確定(㉓)します。

【STEP10】STEP9の円グラフを選択してマウス右クリック→「データ系列の書式設定」を選択

もう一息です。

STEP1で用意したスケジュールが0時開始でない場合、レーダーチャートで表現した円グラフの周囲の時間の目盛と、円グラフの要素の区切りが合わないため、円グラフ側の調整が必要となります。

つまり、STEP1の表の1番目のデータの「開始時刻」が”0:00”であれば、STEP10・11は不要です。

STEP9で「系列1」は選択状態のため、そのまま円グラフ上にカーソルを合わせてマウス右クリックで表示されるメニューから「データ系列の書式設定」を選択(㉔)します。

【STEP11】「系列のオプション」にある「グラフの基線位置」の角度を調整

「データ系列の書式設定」の作業ウィンドウ(Excel2010以前ならダイアログ)が表示されます。

デフォルトで「系列のオプション」メニューになっているため、そのままにしてくださいね。

そのメニュー内に「グラフの基線位置」があるため、任意の角度を設定(㉕)します。

ちなみに、デフォルトは”0℃”になっているため、24時間の時刻でいうと”0:00”から円グラフは始まると考えてください。

角度の設定にあたっては、1時間あたり15℃(360℃÷24h=15℃/h)になりますので、STEP1の表の1番目のデータの開始時刻が”1:00″なら”15℃”に、”23:00”なら”345℃”です。

上記をもとに、㉕は自分で計算した値を入れましょうね。

【STEP12】STEP9のグラフをお好みで書式設定して完成!

最後は、円グラフの見た目を自分好みに変更して終了です。

ぱっと思いつくもので、以下のような内容が挙げられますね。

  • グラフタイトルを追加
  • グラフの文字スタイルを変更
  • 円グラフの各要素のデータラベルで「スケジュール内容」を表示
  • 円グラフの各要素の塗りつぶしの色を変更

少なくとも、上記の上から3つ目のデータラベルは設定しておくと見やすいですね。

参考までにデータラベルの追加方法も解説しておきます。

円グラフ上にカーソルを合わせてマウス右クリックで表示されるメニューから「データラベルの追加」を選択(㉖)します。

データラベルのデフォルトが「値」なので、「分類名」に変更します。

任意のデータラベルを選択(㉗)し、マウス右クリックで表示されるメニューから「データラベルの書式設定」を選択(㉘)すると、「データラベルの書式設定」の作業ウィンドウ(Excel2010以前ならダイアログ)が表示されます。

あとは、「ラベルオプション」内の「ラベルの内容」は、「値」のチェックを外し、「分類名」にチェック(㉙)を入れ、「ラベルの位置」は「内部外側」を選択(㉚)しましょう。

もし、データラベルの文字が小さい場合や、円グラフの色が濃くて文字が見にくい場合は、データラベルの文字サイズや色など、適宜調整しましょうね。

完成!

ここまでで完成です!

苦労しただけあって見やすい24時間円グラフにすることができました。

まとめ動画(GIF)

テキストと画像だけでわかりにくかった場合はこちらもどうぞ。(繰り返し再生)

さいごに

いかがでしたでしょうか?

私は、こちらのグラフは別ブログの記事で扱う際に使用しました。

24時間だけでなく、8時間や60分などの所定の時間内の内訳を図示したい場合にも応用できそうなテクニックですね。

時間の内訳をわかりやすく伝えたい場合にご活用ください。

ご参考になれば幸いですm(__)m

森田森田

複合グラフの解説は毎回かなりの文字数と画像数になるので、意外とブログ記事に仕立てるのは大変ですね(汗)
実際につくる分にはそんなに時間がかかるわけではないので、動画の方が楽かもです。

サンプルファイル

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして実際に操作してみてください。
サンプルファイル_24時間円グラフ
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参考書籍

対応バージョンは古いですが、豊富なグラフ作成のテクニックが掲載されているので大変参考になりますよ。

書評はこちら↓