【関数】PCの文字セットのコード番号に対応する文字を返すことができる「CHAR」の使い方
AさんAさん

Excelの数値や日付のデータを使って、定型のメール用の文章へ連結して、メールへコピペするようにしています。
この連結している文字列に改行まで含められたら最高ですが、何か良い方法ありますかね?

森田森田

その場合は、関数のCHARを活用すると良いですよ!
では、CHARの使い方について解説していきますね。

はじめに

この記事は関数の概要を把握していることが前提です。

参考記事

関数の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。

改行を含めて文字列を連結したい場合は「CHAR」が有効

メール等の別アプリケーションで使用する文章を、Excelのワークシート上のデータを連結して事前に作成しておいた方が効率的なケースがあります。

こうした場合、文字列演算子のアンパサンド(&)や文字列操作関数(CONCATENATETEXT等)で文字列を連結することが一般的です。

ただし、改行を含んだ文字列にしたい場合、どうすれば良いか悩ましいもの。

こんな場合、関数のCHARを使うと良いです。
CHARは「キャラクター」と読む。

CHARを使うことで、PCの文字セットのコード番号に対応する文字を返すことが可能です。

改行は「10」を指定することで設定できます。

後は、連結する文字列の中にCHARも含めればOKです。

参考記事

CONCATENATETEXTの詳細については以下の記事をご参照ください。


CHARの構文

CHARの構文は以下の通りです。

=CHAR(数値)
使っているコンピューターの文字セットから、そのコード番号に対応する文字を返します。

引数名 必須 データ型 説明
数値 数値 変換する文字を表すコード番号(値が1255 の数値)を指定します。

PCOSによって文字セットのコード番号は異なる。
WindowsANSIASCII/JISコード形式と同じ番号)、MacMacintosh 文字セット(本記事はWindowsベースで解説)。

Web版のExcelは「9」、「10」、「13」、「32」以上のみをサポート。

【参考】頻出のコード番号

実務でCHARを使う際に頻出のコード番号は、上記で例に挙げた改行を示す「10」です。

それ以外だとアルファベットを示すコード番号(「A」を示す「65」から、「Z」を示す「91」まで)を使うくらいです。

COLUMN等と組み合わせるとアルファベットの連続データを自動作成することが可能です。

ちなみに、どのコード番号でどの文字が割り当たるか、サンプルファイル(本記事下部)の「文字コード」シートをご参照ください。

参考記事

COLUMNの詳細については以下の記事をご参照ください。

【参考】CHARは「文字列操作関数」

あくまで参考情報となりますが、CHARはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「文字列操作」に分類されています。

実際にCHARを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。

CHARの使用結果イメージ

CHARを使い、改行を含んだ文字列を連結したイメージは以下の通りです。

今回は「郵便番号」列と「住所」列の間に改行を含んで連結しました(郵便番号+改行+住所)。

上記のように計算列としてCHARを使う場合、1レコードにつき1つの関数を使います。
「計算列」とは、数値/日付/時刻の列の値を計算した新たな列のこと。

ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。

なお、改行を指定したCHARをセットしたセルの書式は「折り返して全体を表示する」をONにしておく必要があります。

CHARの数式の挿入手順

上記の結果を得るための手順は以下の通りです。

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はE2セル
  2. =」を入力し、連結対象のセルを選択
    ※今回はC2セル
  3. アンパサンド(&)を入力
  4. ch」等と入力
  5. サジェストから「CHAR」を選択し、「Tab」キーで確定
  6. コード番号を入力 orセルを選択
    ※今回は「10」を入力
  7. )」とアンパサンド(&)を入力
  8. 連結対象のセルを選択
    ※今回はD2セル
  9. Enter」キーで確定
  10. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はE3~E11セルへペースト

手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
テーブルの場合、手順⑩は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。
必要に応じてセルの書式の「折り返して全体を表示する」をON、行の高さを調節すること。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_ワークシート関数_CHAR.xlsx

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(上記リンクから登録フォームへ遷移します)

ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はE2セル
  2. =」を入力し、連結対象のセルを選択
    ※今回はC2セル
  3. アンパサンド(&)を入力
  4. ch」等と入力
  5. サジェストから「CHAR」を選択し、「Tab」キーで確定
  6. コード番号を入力 orセルを選択
    ※今回は「10」を入力
  7. )」とアンパサンド(&)を入力
  8. 連結対象のセルを選択
    ※今回はD2セル
  9. Enter」キーで確定
  10. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はE3~E11セルへペースト

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

CHARは文字コード改行を含んだ文字列の連結やアルファベットの連続データ作成に役立つ関数です。

なかなかニッチな関数ですが、上記作業を行う機会がある方は覚えてみると良いでしょう。

なお、CHAR以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。


ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

CHARとセットで覚えておいた方が良い関数は、文字列を連結できる「CONCATENATE」と数値や日付を任意の表示形式にできる「TEXT」です。
アルファベットの連続データを作成する機会があるなら「COLUMN」も覚えておくと良いですね。