【Excel機能】区切り文字を基準に1列を複数列へ分割できる「区切り位置」の使い方
AさんAさん

表データの特定の列を複数列に分割したいのですが、この作業が地味に面倒です・・・。
こうした作業をもっと楽にできる方法はないですかね?

森田森田

そんな場合、「区切り位置」という機能が便利ですよ!
複数セルを一括で分割できちゃいます。
では、詳細を解説していきますね。

表の特定の列をまとめて分割したい場合は「区切り位置」が有効

実務では、表の特定の列データ等、複数セルを分割したい場合があります。

たとえば、「氏名」の列を「氏」と「名」の2列にしたいといったケースです。

上記ケースでは、置換+ワイルドカードでも対応可能ですが、列単位で作業が必要となり、列が多ければ多いほど比例して手順が増えてしまいます。

こんな場合、「区切り位置」という機能を使いましょう。

区切り位置を使えば、区切り文字を基準に1列を複数列へ分割することが可能です。
区切り文字とは、「データ抽出/分割の目印となる文字」のこと。

これにより、データ分割の作業効率が上がります。

参考記事

置換+ワイルドカードの詳細は、以下の記事をご参照ください。

区切り位置の使用イメージ

一例として、「氏名」の列を対象とし、半角スペースを基準に「氏」と「名」に分割したイメージが以下です。

上記では、分割前の「氏名」の列も残していますが、分割後の「氏」・「名」の列で上書きして残さないことも可能です。

区切り位置の操作手順

区切り位置を実行したい場合は、以下の手順となります。

  1. 分割したいセル範囲を選択
    ※今回はB2~B11セル
  2. リボン「データ」タブをクリック
  3. 「区切り位置」をクリック
  4. 「次へ」をクリック
  5. 任意の区切り文字を選択
    ※今回は「スペース」のみチェックON
  6. データのプレビューが問題ないか確認
  7. 「次へ」をクリック
  8. 分割後の列の表示形式を選択
    ※今回は2列とも「G/標準」のまま
  9. 分割後のデータの表示先を選択
    ※今回はC2セル
  10. データのプレビューが問題ないか確認
  11. 「完了」をクリック

手順⑤は複数の区切り文字を指定可能(チェックONの文字がない場合は分割されない)。
手順⑥⑩で問題がある場合は、「区切り位置指定ウィザード」の設定を見直すか、分割前のデータ側に他のデータクレンジング作業を行うこと。
手順⑧は分割後の列ごとに設定可能(データのプレビュー上で対象の列をクリックし、対象の表示形式を選択)。
手順⑧で分割後のデータが0始まりの数値(電話番号等)がある場合、Excelの仕様により冒頭の「0」部分が消えてしまうため、表示形式を「文字列」にすること。
手順⑨のデフォルトの設定値は手順①の起点のセルとなるため、上書きしたくない場合は都度対象セルの指定が必要(分割後のセル範囲の左上隅にあたるセル番地)。

【参考】「区切り位置」の注意メッセージ

手順⑨で手順①のセル範囲を上書きする、あるいは指定したセルに何かしらのデータがある場合は、次の注意メッセージが表示されます。

既にデータがありますが、置き換えますか?

置き換えて問題ない場合は「OK」を、問題ある場合は「キャンセル」をそれぞれクリックしましょう。

よくあるのは、手順⑨の設定忘れによる「キャンセル」です。

その際は、区切り位置の操作をやり直し、分割後データの正しい表示先を指定しましょう。

【参考】区切り文字のイメージ

「区切り位置指定ウィザード – 2 / 3」の規定の選択肢になっている区切り文字は以下の4種類です(以下「例」の列の「A」と「B」の間が区切り文字)。

  • タブ
  • セミコロン ※半角のみ
  • コンマ ※半角のみ
  • スペース ※半角/全角どちらも可

タブは半角/全角の区別はなく、主にCSVやテキストファイルが元データの場合に遭遇するケースあり。

上記以外の区切り文字(スラッシュやコロン等)を基準にしたい場合は、「その他」のチェックをONにし、右側のボックスへ指定の区切り文字を入力してください。

なお、ヒューマンエラーで同じ区切り文字が複数連続で入っているレコードがある場合は、「連続した区切り文字は1文字として扱う」のチェックをONにすると良いです。

これにより、すべてのレコードの分割後の列数をそろえることが可能となります。

【応用】区切り位置を手動で選択することも可能

区切り位置は原則区切り文字を基準に分割を行う機能ですが、次の場合に手動で区切り位置を選択して分割することも可能です。

  • 区切り文字を消したくない場合
  • 文字の長さを基準に分割したい場合

この場合の操作手順は以下の通りです。

なお、今回は「住所」列を対象とし、先頭から3文字目まで「都道府県」、それ以降を「市区町村以降」に分割しています。

  1. 分割したいセル範囲を選択
    ※今回はA2~A6セル
  2. リボン「データ」タブをクリック
  3. 「区切り位置」をクリック
  4. 「スペースによって右または左に揃えられた固定長フィールドのデータ」を選択
  5. 「次へ」をクリック
  6. データのプレビュー上で任意の区切り位置をクリック
    ※今回は「県」の後(先頭から3文字目と4文字目の間)をクリック
  7. 「次へ」をクリック
  8. 分割後のセルの表示形式を選択
    ※今回は2列とも「G/標準」のまま
  9. 分割後のデータの表示先を選択
    ※今回はB2セル
  10. データのプレビューが問題ないか確認
  11. 「完了」をクリック

手順④の「固定長フィールド」は文字の長さ(文字数)が決まっているデータのこと(例:郵便番号や電話番号等)。
手順⑥で挿入した区切り位置の矢印を削除する場合、その矢印をダブルクリックする。
手順⑥で挿入した区切り位置の矢印を移動する場合、その矢印を目的の位置までドラッグする。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_区切り位置.xlsx

サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。

ブックを開いたら、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。

  1. 分割したいセル範囲を選択
    ※今回はB2~B11セル
  2. リボン「データ」タブをクリック
  3. 「区切り位置」をクリック
  4. 「次へ」をクリック
  5. 任意の区切り文字を選択
    ※今回は「スペース」のみチェックON
  6. データのプレビューが問題ないか確認
  7. 「次へ」をクリック
  8. 分割後の列の表示形式を選択
    ※今回は2列とも「G/標準」のまま
  9. 分割後のデータの表示先を選択
    ※今回はC2セル
  10. データのプレビューが問題ないか確認
  11. 「完了」をクリック

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

区切り位置は、区切り文字を基準に複数セルを一括で分割することが可能となります。

手作業で表のメンテナンスを行う機会が多い方は、基本テクニックとして覚えておくと良いでしょう。

なお、区切り位置以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

区切り位置とセットで覚えてほしいのは、指定の文字を一括で修正/削除できる「置換」です。
列内の特定の文字を含むレコードをまとめて修正する際に便利ですよ。
なお、定期的にデータ分割を行う機会があるのであれば、LEFTRIGHTMIDFINDといった文字列操作関数を覚えることもおすすめです!