グラフを挿入しましたが、もう少し分かりやすく見た目を整えたいです。
ただ、グラフはいろいろな機能があるので、どこで何を編集できるんですかね?
グラフ種類によっても編集できる要素や編集した方が良い要素は変わります。
まずは、すべてのグラフに共通する編集を押さえておくと、個別のグラフへ応用しやすいですよ!
では、詳細を解説していきますね。
はじめに
この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。
グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。
集計表の全体感を瞬時に把握したい場合は「グラフ」が有効 集計表にまとめたデータだけだと、数値の特徴や傾向等の全体感がパッと見で把握しにくいです。 仮に、把握できたとしても、読み手は詳細に集計表を読み込み、全体感をつかむた …
グラフのデザインや書式を編集するには
設定したグラフは後から編集することが可能です。
編集する場合、以下の2つの経路のいずれかから該当のコマンドを実行することが基本です。
- リボン「グラフのデザイン」・「書式」タブ
※グラフ選択時に表示 - 右クリックメニュー
※任意のグラフ要素にカーソルを合わせて右クリックで表示
グラフ種類によって、編集できる要素や編集した方が良い要素は変わりますが、すべてのグラフに共通する編集のうち、代表的なものは以下の9つです。
- グラフ要素の追加/削除
- フォントの変更
- 色の変更
- グラフスタイルの変更
- 行/列の切り替え
- データ範囲の変更
- グラフ種類の変更
- グラフの移動
- データ要素の書式設定
それぞれどのような編集が可能か、順番に解説していきましょう。
1.グラフ要素の追加/削除
グラフに表示されているグラフ要素は、後から追加や削除が可能です。
グラフに掲載する要素は、特に読み手に伝えたいポイントに絞り、それ以外の不要なものはそぎ落としましょう。
使用イメージ
集合縦棒グラフのグラフタイトルと目盛線を削除し、データラベルを追加したイメージが以下です。
必要なグラフ要素のみに絞ることができました。
なお、縦軸の目盛りの間隔が細かい部分は気になりますが、こちらの編集方法は別記事で解説します。
操作手順
グラフ要素を追加/削除したい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフを選択
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - 「+」(グラフ要素)をクリック
- 任意のグラフ要素のチェックをON/OFF
※今回はグラフタイトルをOFF、データラベルをON、目盛線をOFF
手順③のチェックをONで該当要素を追加、OFFで該当要素を削除。
グラフ要素の削除は、任意のグラフ要素を選択→「Delete」キー or 「Back Space」キーでもOK。
【参考】「グラフ要素を追加」コマンド経由だとグラフ要素の追加と同時に簡単な設定も可能
グラフ要素を単純に追加/削除するだけであれば、前述の手順がもっともお手軽です。
しかし、リボン「グラフのデザイン」タブにある「グラフ要素を追加」コマンド経由だと、グラフ要素を追加すると同時に簡単な設定も行えます。
たとえば、データラベルを追加する際、表示位置も設定できるといったイメージですね。
同時に簡単な設定も行いたい場合、こちらでグラフ要素を追加しても良いでしょう。
ただし、詳細な設定は、各グラフ要素の書式設定(該当のグラフ要素上で右クリック→(該当のグラフ要素名)の書式設定)で行う必要があります。
2.フォントの変更
グラフを挿入直後のフォントは、ExcelバージョンやExcelブックのテーマに応じた規定フォントになっています。
游ゴシックやCalibri等。
このグラフのフォントも後から変更することが可能です。
セルとグラフのフォントを同じ種類にすると統一感があって見やすくなります。
使用イメージ
グラフのフォントを「Calibri 本文」から「Meiryo UI」へ変更したイメージが以下です。
セルとグラフのフォントが統一できました。
操作手順
グラフのフォントを変更したい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフ上で右クリック
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - 「フォント」をクリック
- 任意の日本語用のフォントを選択
※今回は「Meiryo UI」 - 任意の英数字用のフォントを選択
※今回は「(日本語用のフォントを使用)」 - 「OK」をクリック
手順④は日本語用と同じフォントにしたい場合に「(日本語用のフォントを使用)」を選択。
手順①~5は、セルと同じくリボン「ホーム」タブの「フォント」コマンドで変更してもOK(日本語用・英数字用が同じフォントになる)。
3.色の変更
グラフのデータ系列の色も後から変更することが可能です。
集計表とグラフの色合いを統一した方が見やすくなります。
使用イメージ
グラフのデータ系列の色を「カラフルなパレット1」から「モノクロパレット1」へ変更したイメージが以下です。
グラフの色がブルーの濃淡で表示でき、集計表の色合いと統一できました。
操作手順
グラフのデータ系列の色を変更したい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフを選択
※今回はD3~G14セルに配置された円グラフ - リボン「グラフのデザイン」タブをクリック
- 「色の変更」(グラフクイックカラー)をクリック
- 任意のパレットを選択
手順④は同じパレットでも、Excelブックのテーマや配色の設定に応じて色合いが変わる。
4.グラフスタイルの変更
グラフのスタイルも後から変更することが可能です。
なお、スタイルとは、グラフの各書式をパッケージ化したものだと思ってください。
パッケージ化された書式の一例は以下の通りです。
- 各グラフ要素の有無
- 各グラフ要素の色(塗りつぶし、枠線)
- 各グラフ要素の効果(影、光彩等)
- 各グラフ要素のオプション設定
- フォントの色
自分が思い描くグラフの最終形のイメージに近いスタイルを選択することで、その他の編集にかかる手間を軽減できる可能性があります。
使用イメージ
グラフのスタイルを「スタイル1」から「スタイル9」へ変更したイメージが以下です。
規定のグラフスタイルは「スタイル1」。
グラフの見た目がガラッと変えることができました。
操作手順
グラフスタイルを変更したい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフを選択
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - リボン「グラフのデザイン」タブをクリック
- 「クイックスタイル」をクリック
- 任意のスタイルを選択
※今回は「スタイル9」
手順④は同じスタイルでも、Excelブックのテーマや配色の設定に応じて色合いが変わる。
【参考】グラフの左右にある「グラフスタイル」からもスタイル/色は変更可能
リボン「グラフのデザイン」タブ以外にも、グラフを選択時にグラフの右か左に表示される「グラフスタイル」コマンド経由でもスタイルや色は変更可能です。
リボン経由と変更できる内容に変わりはありませんが、マウスの位置によって使い分けると便利ですね。
5.行/列の切り替え
グラフの元データの構成によっては、グラフの横軸と凡例(データ系列の種類)や、X軸とY軸が自分のイメージと逆になってしまうケースがあります。
このグラフの行/列も後から切り替えることが可能です。
使用イメージ
グラフの行/列を切り替えたイメージが以下です。
元々データ系列が「9月」の1種類で横軸が商品名だった集合縦棒グラフが、データ系列の種類が商品名の数だけ増え、横軸は「9月」のみに変更できました。
操作手順
グラフの行/列を切り替えたい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフを選択
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - リボン「グラフのデザイン」タブをクリック
- 「行/列の切り替え」をクリック
元の状態に戻したい場合、手順①~③を再度実行すればOK。
手順②は右クリック→「データの選択」をクリックでもOK。
6.データ範囲の変更
グラフの元データのセル範囲も後から変更することが可能です。
グラフ挿入後、元データとなる表に行/列が追加されたデータがグラフ上に反映しない場合はデータ範囲を変更しましょう。
使用イメージ
グラフのデータ範囲をA4~B13セルからA4~B14セルへ変更したイメージが以下です。
14行目の総計もグラフへ反映できました。
実務で総計を通常は含めないが、上記は変更イメージを伝えるために実施。
操作手順
グラフのデータ範囲を変更したい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフ上で右クリック
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - 「データの選択」をクリック
- 任意の元データ範囲のセル範囲を再選択
※今回はA4~B14セル - 「OK」をクリック
手順③は「グラフデータの範囲」ボックスのセル番地を直接編集するか、「↑」をクリックし、ワークシート上で任意のセル範囲を再選択すること。
手順①は編集したいグラフを選択→リボン「グラフのデザイン」タブをクリックでもOK。
【参考】データ系列や横軸のみのデータ範囲も変更可能
前述の手順はグラフ全体のデータ範囲の変更でしたが、「データソースの選択」ダイアログではデータ系列の種類ごとや横軸のみのデータ範囲を変更することも可能です。
- データ系列:任意のデータ系列を選択→左側の「編集」をクリック→「系列値」ボックスのセル番地を編集
※他にも系列名の参照セルの変更や、データ系列の追加や削除も可能。 - 横軸:右側の「編集」をクリック→「軸ラベルの範囲」ボックスのセル番地を編集
部分的にデータ範囲を行う必要がある場合に活用しましょう。
7.グラフ種類の変更
グラフの種類も後から変更することが可能です。
グラフの種類を見直したい場合に活用しましょう。
使用イメージ
グラフの種類を「集合縦棒グラフ」から「集合横棒グラフ」へ変更したイメージが以下です。
任意のグラフ種類へ変更できました。
操作手順
グラフの種類を変更したい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフ上で右クリック
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - 「グラフの種類の変更」をクリック
- 任意のグラフ種類を選択
※今回は「横棒」 - 任意のグラフを選択
※今回は「集合横棒グラフ」 - 「OK」をクリック
手順①は編集したいグラフを選択→リボン「グラフのデザイン」タブをクリックでもOK。
8.グラフの移動
グラフは配置されているシート内であれば、図形と同様にドラッグ操作で自由に配置場所を移動できます。
グラフを今のシートから既存の別シート、あるいは新たなグラフシートへ後から移動させることも可能です。
グラフの元データの表と別シートに配置したい場合に活用しましょう。
使用イメージ
グラフを「グラフの移動_Before」シートから「グラフの移動_After」シートへ移動したイメージが以下です。
グラフを任意の別シートへ移動できました。
なお、移動先のシートでは同じサイズのグラフが同じ位置(≠セル番地)に配置されます。
操作手順
グラフを別シートへ移動したい場合は、以下の手順となります。
- 編集したいグラフ上で右クリック
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - 「グラフの移動」をクリック
- 任意の移動先のシートを選択
※今回は「グラフの移動_After」シート - 「OK」をクリック
手順①は編集したいグラフを選択→リボン「グラフのデザイン」タブをクリックでもOK。
手順③で「新しいシート」を選択した場合、新たなグラフシートが作成され、そこにグラフが移動する(「オブジェクト」を選択した場合、任意の既存シート名を選択)。
既存の別シートへの移動は、図形と同様に切り取り(「Ctrl」+「X」)→任意のシートの任意のセルを選択→貼り付け(「Ctrl」+「V」)でもOK(新たなグラフシートへの移動は前述の手順が必須)。
9.データ要素の書式設定
グラフの特定のデータ要素(データ系列内の1部分)のみの書式設定を行うことも可能です。
特定の部分だけ強調したい場合等で活用しましょう。
使用イメージ
グラフのデータ系列のうち、「メロン」のデータ要素のみ塗りつぶしの色を「オレンジ,アクセント2」へ書式設定したイメージが以下です。
今回は最大値となる「メロン」のバーを強調できました。
なお、データ要素の書式設定は完全に手動になるため、元データが定期的に更新される場合、都度手作業でグラフ上と整合性があるかは確認しましょう。
操作手順
データ要素の書式設定を行いたい場合は、以下の手順となります。
- 書式設定したい任意のデータ要素を2回クリック
※今回は「メロン」 - 右クリック
- 「データ要素の書式設定」をクリック
- 任意の書式を設定
※今回は塗りつぶしの色を「オレンジ,アクセント2」
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。
ブックを開いたら、「集合縦棒グラフ」シートを対象に、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。
- 編集したいグラフを選択
※今回はD3~H14セルに配置された集合縦棒グラフ - 「+」(グラフ要素)をクリック
- 任意のグラフ要素のチェックをON/OFF
※今回はグラフタイトルをOFF、データラベルをON、目盛線をOFF
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
グラフを分かりやすくビジネス上で有益なものにするためには、グラフ要素を必要最小限に絞った上で、表示している各要素を分かりやすい設定に編集することが非常に重要です。
本記事で解説したすべてのグラフに共通する編集を押さえた上で、個々のグラフを見やすくするための編集ポイントを学んでいくことをおすすめします。
なお、グラフ以外にもExcelでのデータ分析の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
グラフ共通の編集方法を学んだ後は、グラフの基本となる「集合縦棒グラフ」、「折れ線グラフ」、「円グラフ」それぞれを見やすくするポイントを学ぶと良いですね。
その3種類は実務で使用する頻度がめちゃくちゃ高いですし、その3種類で学んでおくと他の種類のグラフにも応用できる部分が多いので、優先的に学んでください!