複数の関数を組み合わせたもの等、複雑になった数式はエラーの原因を特定するのが大変です。。
何か良い方法はありますかね?
Excelには数式チェック/デバッグに有効な機能がいろいろあります!
その中でも実務で使いやすい機能を5つピックアップしましたので、順番に解説していきますね。
解説動画:【数式/関数#7】数式のチェック/デバッグに役立つExcel機能5選+α
この記事の内容は下記の動画でも解説しています。
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はじめに
この記事は関数の概要を把握していることが前提です。
関数の概要については以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は数式の概要を把握していることが前提です。 参考記事 数式の概要の詳細は以下の記事をご参照ください。 関数とは 関数とは、数式の構成要素の1つであり、固有の計算/処理の機能がセットされた数式のことです。 …
複雑な数式のチェック/デバッグは大変
実務では、複数の関数の組み合わせや、参照セルが多い複雑な数式を扱うケースは多いです。
こうした数式のチェック/デバッグは骨が折れる作業の一つです。
デバッグとは、不具合(バグ)を修正すること。
特に、第三者が記述した数式だと、理解するまでに時間がかかり、精神的な負荷も大きいもの。
こうした場合、目検で頑張るよりも数式チェック/デバッグに役立つExcel機能を活用しましょう。
IFERRORの数式を例に、数式チェック/デバッグに役立つ5つの機能を順番に解説していきます。
なお、自身で数式を記述する際は、作業セル等で数式を分割する等、可読性を高める工夫を行うことをおすすめします。
複数関数の組み合わせや、数式の可読性を高める方法の詳細は、以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照ください。 単独の関数では機能が不足することがある Excelの関数は、さまざまなケースを想定して多種多様な関 …
【機能①】「F2」キー
数式チェック/デバッグに役立つ機能の1つ目は、「F2」キーです。
最もお手軽で使用頻度が高い数式チェック/デバッグ方法とも言えます。
この機能により、数式の参照セルを色付きで確認できます。
参照セルごとに色別で表示される。
なお、色付けされる参照セルは、同一シートのみです。
よって、別シートのセルを参照している場合は効果がありませんので、ご注意ください。
数式チェック/デバッグ手順
「F2」キーでの数式チェック/デバッグを行う手順は以下の通りです。
- 調べたい数式のセルを選択
- 「F2」キーを押下
【機能②】「関数の引数」ダイアログ
数式チェック/デバッグに役立つ機能の2つ目は、「関数の引数」ダイアログです。
この機能により、関数の各引数がどんな値かを確認できます。
数式チェック/デバッグ手順
「関数の引数」ダイアログでの数式チェック/デバッグを行う手順は以下の通りです。
- 調べたい数式のセルを選択
- 「関数を挿入」コマンドをクリック
手順①の対象が複数の関数を組み合わせた数式の場合、数式バー上の関数名をクリックすることで、ダイアログに表示する関数を切り替え可能。
【機能③】「数式の検証」コマンド
数式チェック/デバッグに役立つ機能の3つ目は、「数式の検証」コマンドです。
この機能により、数式の戻り値になるまでの計算過程の値を段階的に確認できます。
数式チェック/デバッグ手順
「数式の検証」コマンドでの数式チェック/デバッグを行う手順は以下の通りです。
- 調べたい数式のセルを選択
- リボン「数式」タブをクリック
- 「数式の検証」コマンドをクリック
- 「検証」ボタンをクリック
手順④は該当の計算過程を確認するまでクリックを繰り返す。
【機能④】「F9」キー→「Esc」キー
数式チェック/デバッグに役立つ機能の4つ目は、「F9」キーと「Esc」キーです。
この機能により、数式の任意の部分がどんな値かを確認できます。
機能②の「関数の引数」ダイアログと比較し、数式バー上で確認できるため、よりお手軽です。
また、引数より小さい粒度(セル参照の値等)も確認できます。
数式チェック/デバッグ手順
「F9」キー→「Esc」キーでの数式チェック/デバッグを行う手順は以下の通りです。
- 調べたい数式の任意の部分を選択
- 「F9」キーを押下
- (調べたら)「Esc」キーを押下
手順③を行わないと「F9」キーで確認した部分を値へ置き換えてしまうため、要注意。
【参考】「Microsoft365」の数式評価ツールヒントはよりお手軽
対象のExcelがMicrosoft365のバージョン2303(ビルド16224.00000)以降の場合、「F9」キー→「Ecs」キーよりお手軽な数式評価ツールヒントを利用可能です。
こちらの機能は、数式の任意の部分を選択する、もしくは関数のヒントの引数をクリックすると、数式バー上に選択範囲がどんな値か表示されます。
こちらは数式を値に置換する恐れがないので、安心して利用できますね。
MicrosoftのリリースノートやMicrosoft365 Insiderブログも併せてご参照ください。
MICROSOFT 365 APPSの月次チャネル リリースのリリース ノートを IT 担当者に提供します。
With the help of newly added tooltips, you can check your formulas directly in the formula bar or in the cell you're editing.
【機能⑤】「Ctrl」+「[」、「Ctrl」+「]」
数式チェック/デバッグに役立つ機能の5つ目は、「Ctrl」+「[」と「Ctrl」+「]」の2種類のショートカットキーです。
それぞれ次の効果があるため、数式の参照先/参照元のセルを選択したい場合に活用すると良いでしょう。
- 「Ctrl」+「[」:数式の参照セル(参照元)を選択
- 「Ctrl」+「]」:参照セルにしている数式のセル(参照先)を選択
別シートのセルを参照している場合、参照元/参照先のセルを選択しない場合あり。
数式チェック/デバッグ手順
「Ctrl」+「[」と「Ctrl」+「]」での数式チェック/デバッグを行う手順は以下の通りです。
- 調べたいセルを選択
- 「Ctrl」+「[」 or 「Ctrl」+「]」
手順②が「Ctrl」+「[」の場合、手順①は数式のセルを、手順②が「Ctrl」+「]」の場合、手順①は数式の参照セルをそれぞれ選択。
【参考】類似機能に「参照元のトレース」、「参照先のトレース」がある
「Ctrl」+「[」と「Ctrl」+「]」の類似機能として、「参照元のトレース」と「参照先のトレース」があります。
セルを選択するのではなく、トレース矢印で関係性を示すことが可能です。
- 参照元のトレース:「Ctrl」+「[」と類似
- 参照先のトレース:「Ctrl」+「]」と類似
各コマンドはリボン「数式」タブの「ワークシート分析」グループに配置されています。
各トレース矢印を削除したい場合は「トレース矢印の削除」コマンドを使用。
【参考】「Excel Labs」アドインに数式デバッガー機能が追加
Excelの実験用アドイン「Excel Labs」に追加された数式デバッガー機能も数式チェック/デバッグに便利です。
この機能は、数式の計算過程とその値を一覧で確認できます。
機能③「数式の検証」コマンドと機能④「F9」キー→「Esc」キーを組み合わせたような機能と言えます。
なお、この機能だと現行の機能では困難なLAMBDAのデバッグも可能とのことです。
現在は「Excel Labs」アドインを追加した方のみが利用できる機能ですが、ゆくゆくは本機能として実装されるかもしれませんね。
「Excel Labs」の数式デバッガー機能のニュース記事も併せてご参照ください。
米Microsoftは12月11日(現地時間)、「Excel」への追加を検討している新機能をテストするためのExcel用Officeアドイン「Excel Labs」に数式デバッガー機能を追加したことを発表した。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
関数の計算/処理ミスを防止するためには、本記事で解説した機能を活用することが大事です。
もちろん、すべて使う必要はありませんが、自分が数式のチェック/デバッグを行う際に、役立ちそうなものから実務で試してみましょう。
なお、数式や関数を拙著で体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
私が数式のチェック/デバッグでよく使う機能は、「F2」キーと「数式の検証」コマンドです。
このように、自分が数式のチェック/デバッグをしやすい機能を使えるようになると、数式や関数の計算/処理ミスを防止しやすくなります。
ぜひ、本記事を参考に1つでも多くのテクニックを習得してください。