いろいろExcelにどういう機能があるかは分かりましたが、どう組み合わせれば作業を効率化できるか、まだイメージが湧きません。。
この辺りをもう少し詳しく教えてください。
分かりました!
作業の効率アップには、Excelの各機能を組み合わせて「いかに仕組みをつくるか」が非常に重要です。
大きく2種類のアプローチがあるので順番に解説していきますね。
解説動画:【前提知識#6】VBAなしでのExcel作業の時短アプローチ2選
この記事の内容は下記の動画でも解説しています。
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はじめに
この記事はExcelの作業プロセスと主要機能をそれぞれ理解していることが前提です。
Excelの作業プロセスと主要機能の詳細は以下の記事をご参照ください。
はじめに 本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。 Excelの困りごとに対し、ネット検索で調べ …
はじめに 本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。 実務でExcelを用いる事務作業が多い方 E …
【アプローチ1】一連の作業プロセスを「自動化」する
1つ目のアプローチは「自動化」です。
これが最も時短効果が高いです。
具体的には、Excelの一連の作業プロセスのうち、最低限以下の範囲を自動化しましょう。
分析のプロセスは集計結果により頭を使う必要があるため、データ可視化までを自動化すると良いです。
結果、前捌きとなる収集~データ可視化までのプロセスを瞬時に処理することができ、それ以降の分析作業を行う時間を確保でき、実務で成果を出しやすくなります。
なお、この自動化を構築するための主要パターンは、以下の2種類です。
マクロ(VBA)は除いたパターンです。
パターン1:関数中心
1つ目のパターンは、関数中心での自動化です。
ここでのポイントは、以下3種類の役割を持つ領域(シートが一般的)を用意しておくこと。
最低3シート、場合によって各役割を複数種類用意することもあります。
- 収集用:収集したデータの入力先
- 整形用:整形結果の出力先
※テーブル(集計/分析の元データ) - 集計+データ可視化用:集計結果(データ可視化含む)の出力先
※集計表(レポート)
最終的なアウトプットとなる集計表の作成までの処理を自動化するために、整形と集計は関数、データ可視化はグラフや条件付き書式をセットしておきましょう。
こうした仕組みをつくることで、収集用シートのデータの入力/更新のみは手作業ですが、以降の整形/集計/データ可視化のプロセスを自動化できます。
イメージ的には、以下の通りです。
このように、基本的な関数や数式だけでも、うまくつなぎ合わせることでプロセスの大部分を自動化することが可能になります。
なお、このパターンは収集用シートへの入力が手入力やコピペで済む場合、あるいは定型の集計で済む場合におすすめです。
パターン2:パワークエリ+ピボットテーブル
2つ目のパターンは、パワークエリ+ピボットテーブルでの自動化です。
このパターンだと、収集/整形はパワークエリ、集計はピボットテーブル、データ可視化はピボットグラフや条件付き書式をセットすることになります。
あとは、収集先のデータを追加/更新後にリボン「データ」タブの「すべて更新」を行えば、整形/集計/データ可視化のプロセスを自動化できます。
試しにパターン1と同じプロセスをこのパターンで自動化したものが以下です。
今回は収集先がブック内の表へ手作業で入力する想定のものですが、パワークエリであれば別ファイルやフォルダー配下の複数ファイルを集約することも自動化が可能です。
よって、こちらのパターンは収集先のデータが別ファイルやフォルダーにまとまっている場合や、定型の集計後に気になった部分を深掘りすることが多い場合におすすめです。
なお、複数のテーブルをつなぎ合わせる、あるいはレコード数が多い(数十万以上)場合などはピボットテーブルの代わりにパワーピボットに置き換えることも可能です。
このように、主要な機能だけでも大部分のプロセスは自動化できるため、後は扱うデータの内容やご自身のExcelスキルを踏まえ、この2パターンのどちらを活用するか選択しましょう。
もちろん、最初から完璧に仕組みを構築するのは難しいです。
その場合、部分的に自動化し、段階的に自動化する範囲を広げていければOKです。
その経験を積むと、一連のプロセスを自動化できるようになります。
ちなみに、自動化範囲をさらに広げたい方は、マクロ(VBA)やPower Automate Desktop等のRPAを用いると良いでしょう。
【アプローチ2】使い回すブックやシートを「テンプレート化」する
2つ目のアプローチは「テンプレート化」です。
テンプレートとは、定型のフォーマットのことだと思ってください。
繰り返し使うものや複製することが想定されるものは予めテンプレート化することで、都度作成するよりも工数を減らせるのはもちろん、作業結果のバラツキを防止することも期待できます。
なお、テンプレート化する内容はブック単位かシート単位が一般的であり、代表例は以下の通りです。
- 同じ種類のテーブル
※時間軸(年や月等)、部署別等 - ピボットテーブルの集計表
※ベースの集計表を複製し、別条件のものを作成時 - WBS等の管理ツール
なお、テンプレートは予め必要な関数や条件付き書式、データの入力規則等の設定は完了させておきましょう。
上記の例は分かりやすいようにデータが入っていますが、テンプレート用のものはデータ部分をブランク(空白)の状態で保管しておくと良いです。(データ削除の工数や誤りの防止)
その上でブックやシートを複製し、使い回すことで余計な設定を二度行う必要がなくなります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
この2つのアプローチは、Excelを実務にうまく活用している方にとっては当たり前の常識です。
Excelの各種機能をうまく組み合わせ、こうした仕組みをつくり、なるべく手入力する箇所を減らすところに時間を使いましょう。
そうすることで、雑務的なルーティンワークは減り、成果を上げるための仕事に頭と時間を使うことが可能となります。
なお、こうした仕組みをつくるための関数やパワークエリ、ピボットテーブルの知識やテクニックは、私の拙著で体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
「Excelの効率アップ=ショートカットキー」というイメージの方もいるかもしれませんが、上記アプローチの方が時短効果は極めて高いです。
もちろん、ショートカットキーも使えると、上記の仕組みを構築する際の作業時間を短縮できますので、主要なものは覚えておくと良いでしょう。
ぜひ、ショートカットキーが使える方は、次のステップとして上記のアプローチを少しずつ実務に取り入れてみてください。