【Excel基本】計算/処理を自動化できる「数式」の前提知識や使い方まとめ
AさんAさん

Excelの「数式」はどんな機能ですか?
「数式」と聞くと数学のイメージしかないんですが・・・。

森田森田

そのイメージで大体OKですよ!
Excelの「数式」とは、数学と同じく主に計算を行う機能です。
他にも行うことができる処理もありますので、もっと具体的に解説していきますね。

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解説動画:【数式/関数#1】計算/処理を自動化できる「数式」の前提知識/使い方まとめ

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Excelの「数式」とは

Excelの「数式」とは、式を用いて計算や処理を自動化できる機能です。

数学等で学んだ計算式に近しいイメージですね。

Excelでは、任意のセルへイコール(=)を入力することで数式となり、任意の式を作成することが可能です。

その結果、数式を記述したセル上に、その計算結果が表示されます。

こうした数式の計算結果のことを「戻り値」と言います。

なお、戻り値ではなく、数式の内容を確認したい場合は、該当のセルを選択し、数式バー上で確認しましょう。

表計算ソフトであるExcelでは、この数式を活用できるか否かが作業効率に直結します。

なぜなら、数式は各種計算/処理を自動化でき、手作業の削減が可能だからです。

その他、次のようなメリットがあります。

  • 対応できる計算や処理の種類が電卓よりも多い
  • 数式の過程がセル上に残るため、第三者も確認しやすい

数式の構成要素

この数式は、4種類の構成要素があり、このいずれか、またはすべての要素を組み合わせて記述します。

一例として、4種類すべての要素を組み合わせた数式が次のイメージです。

それぞれの要素がどんなものかは以下の通りです。

  1. 定数:数式上に直接入力する数値や文字列
  2. セル参照:A1等のセル番地
  3. 演算子:「+」や「」等の基本的な計算や処理を行う記号
  4. 関数

①定数は、数式上で固定値にしたい場合に使うと良いでしょう。
定数に文字列を指定する場合は、ダブルクォーテーション()で囲う必要あり(「=”あい”&”うえお”」等)。

なお、Excelの数式を使いこなす上で大事なのは、定数よりも②セル参照を優先することです。

複数の数式で同じ値を参照する場合、全部の数式の中の定数をいちいち修正するより、セル参照で指定したセルの値を修正する方が少ない手順で簡単に修正できます。

また、セル参照した数式を複数連動させることで入力工数を最小化することも可能です。

③演算子は、さまざまな種類があるため、本記事の後半で解説します。

【参考】数式と関数の違いは?

数式と関数が混在して理解してしまっている方も中にはおりますが、先述の通り、関数は数式の構成要素の一部です。

関数とは、特定の計算や処理を行う内容がセットされた数式のことを指し、500種類以上あります。

関数を活用することで、多様な計算や処理が可能です。

参考記事

関数の詳細は以下の記事をご参照ください。

数式で可能な3種類の計算/処理

関数を使わない数式では、大別して3種類の計算/処理が可能です。

使用する演算子により数式の効果が変わるため、どの演算子でどんな計算/処理が可能か、把握していきましょう。

【計算/処理①】四則演算

数式で可能な計算/処理の1つ目は、「四則演算」です。

四則演算とは、4種類の基本的な計算の総称です。

  • 加算(足し算)
  • 減算(引き算)
  • 乗算(掛け算)
  • 除算(割り算)

Excel上では、次のようなイメージとなります。

この四則演算を行うための演算子を「算術演算子」と呼びます。

この算術演算子の一覧は以下の通りです。

演算子 意味 説明 例(=の後)
+(正符号) 加算(足し算) α+β 1+2
(負符号) 減算(引き算) αβ 5-2
*(アスタリスク) 乗算(掛け算) α×β 3*9
/(スラッシュ) 除算(割り算) α÷β 64/8
^(キャレット) 累乗 αn 4^3
(負符号) 負の値 α
※単一数式の前にある場合
-32
%(パーセント記号) パーセンテージ α% 75%

基本的に四則演算は算数や数学で学んだ記号と同じですが、Excel上だと乗算と除算が若干異なる記号であることに注意しましょう。

計算の種類 算数/数学 Excel
乗算 × *
除算 ÷ /

なお、四則演算以外にも、キャレット(^)を使うことで累乗の計算も可能です。

また、計算以外にも単一の数値をマイナスにする、パーセンテージ表記にするといったことも算術演算子を使うことで表現できます。

その他、Excelの四則演算は数値だけではなく、日付や時刻を計算対象にすることも可能です。

実務で日付や時刻も計算する機会は非常に多いです。

【計算/処理②】文字列の連結

数式で可能な計算/処理の2つ目は、「文字列の連結」です。

Excelでは、数式を活用することで複数の文字列を連結することも可能です。

この文字列の連結を行うための演算子を「文字列演算子」と呼びます。

この種類の演算子はアンパサンド(&)の一種類のみです。

【計算/処理③】2つの値の比較

数式で可能な計算/処理の3つ目は、2つの値の比較」です。

比較の仕方は複数ありますが、一例として「A2セルとB2セルの値が同じか」を判定したものが以下です。

こうした「A2=B2」のような式を「論理式」と呼びます。

論理式は「A2セルとB2セルの値が同じか」のような質問を式にしたものだと思ってください。

この質問に対してYESなら「TRUE」を、NOなら「FALSE」という値(論理値)をそれぞれ返します。

上記の例であれば、A2セルとB2セルの値はパッと見は同じ値に見えますが、「◯」と「〇」で違う値のため、論理式に対して「FALSE」という結果になりました。

このように、2つの値が同じかどうか判定したい場合等で役立ちます。

なお、この論理式をつくるための演算子を「比較演算子」と呼びます。

比較演算子の種類は以下の表をご覧ください。

演算子 意味 説明 例(=の後)
=(等号) 等しい 左辺と右辺が等しい A2=B2
<>(不等号) 等しくない 左辺と右辺が等しくない A2<>B2
>(大なり記号) より大きい(超) 左辺が右辺より大きい A2>B2
<(小なり記号) より小さい(未満) 左辺が右辺より小さい A2<B2
>=(より大か等しい記号) 以上 左辺が右辺以上 A2>=B2
<=(より小か等しい記号) 以下 左辺が右辺以下 A2<=B2

この比較演算子の記号も、基本的には数学と同じルールですが、>=」等の「=」の位置を間違えるとエラーになるのでご注意ください。

また、「<>」は数学と異なる記号のため、この機会に覚えましょう。

なお、比較演算子は数式単独で使うよりも、論理値を扱うIF等の関数とセットで使うことが実務では多いです。

数式の挿入手順

オーソドックスな数式の挿入手順は以下の通りです。

  1. 数式を挿入するセルを選択
  2. =」を入力
  3. 任意の数式を入力
  4. Enter」キーで確定

文字列を入力する以外は、IMEの入力モードを「半角英数」にしておくことがおすすめ。
手順②は「+」や「」を入力で省略することも可能。

手順③は、目的に合った数式を記述する必要がありますが、構成要素によって方法が変わります(本記事では関数は割愛)。

定数や演算子はキーボードで手入力を行います。

セル参照は、単一のセルならクリック、セル範囲ならドラッグ操作で指定します(矢印キー等で指定も可能)。

参考記事

関数は種類によって数式のルールが異なるため、詳細は任意の関数の記事をご参照ください。

数式の計算/処理の優先順位

1つの数式で先述の演算子を複数組み合わせて使うことも可能です。

例えば、次のようなイメージです。

演算子が2種類あるため、どの順番で計算されるかを①と②で示しました。

大前提として、数式は基本的には左から順番に計算/処理されますが、算数や数学と同じく、カッコ内が最優先です()。

次に、除算(②)が計算されます。

ちなみに、カッコがない場合は、算数や数学と同様、除算の方が加算よりも優先順位は高いです。

同じ数式で複数の演算子を使う機会に備え、演算子ごとの計算/処理の優先順位を把握しておきましょう。

優先順位 演算子 意味
1 :(コロン)
,(コンマ)
 (半角スペース)
参照演算子
2 負の値
3 % パーセンテージ
4 ^ 累乗
5 *または/ 乗算または除算
6 +または 加算または減算
7 & 文字列の連結
8 =
<> 


>=
<=
比較演算子

優先順位が一番高い「参照演算子」は関数の引数を指定する際に使うことが一般的。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_数式.xlsx

※サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります。
(上記リンクから登録フォームへ遷移します)

問題は全部で6問あり、以下の内容を数式として挿入してください。

  • 問題1:値①+値②
  • 問題2:値①&値②
  • 問題3:値①=値②
  • 問題4(値①+値②)÷値③
  • 問題5:値①+値②
  • 問題6:値①値②

上記と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

表計算ソフトであるExcelにおいて、数式は中心的な機能の一つです。

数式を積極的に活用して各種計算/処理を自動化し、手作業を削減していきましょう!

なお、数式や関数を拙著で体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

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ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

Excelは、四則演算の数式に慣れておくだけで、だいぶ理解が進みますし、実務へ活用できますよ!
実際、ビジネスの大半は四則演算の積み重ねですから、簡単な数式でカバーできる範囲も案外広いからです。

この四則演算に慣れて、「もっと楽に計算できないかなー」と思ったタイミングでSUMAVERAGEなどの簡単な関数から段階的に学んでいくことをおすすめします。
そうすることで、より多くの計算/処理を自動化できるようになっていきますから。