パワークエリでExcelブック内のデータを対象に整形したいですが、何のコマンドでデータを取得すれば良いですか?
その場合、「テーブルまたは範囲から」コマンドでデータ取得できますよ!
では、詳細を解説していきますね。
解説動画:【パワークエリ#2】同一ブックを対象としたデータインポート手順 – Excelブック内のデータ(テーブル/セル範囲)を自動取得する
この記事の内容は下記の動画でも解説しています。
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はじめに
この記事はパワークエリの概要を把握していることが前提です。
パワークエリの概要については、以下の記事をご参照ください。
この記事は、Excelでパワークエリ(Power Query)を使いたい方向けに、パワークエリの活用ノウハウをExcel本著者が解説。パワークエリの使用イメージ・できること・クエリの新規作成ステップ等を網羅。豊富な図解を用意しています。
「テーブルまたは範囲から」の使いどころ
「テーブルまたは範囲から」コマンドは、クエリの新規作成ステップのうち、STEP1の「データソースを取得/収集(Extract)」に該当する機能です。
継続的に更新/蓄積される表データがExcelブックのテーブルまたはセル範囲で、かつ同じブック内でクエリを記録したい場合に、「テーブルまたは範囲から」コマンドを使いましょう。
「テーブルまたは範囲から」コマンドを活用することで、Excelブック内のテーブル/セル範囲をクエリのデータソースに指定できます。
テーブルの概要については、以下の記事をご参照ください。
はじめに 本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。 Excelでデータの集計/分析作業を行うこと …
使用イメージ
Excelブック内のセル範囲を対象に「テーブルまたは範囲から」コマンドを使用したイメージが以下です。
Power Queryエディター上でセル範囲の表データを取得できました。
「テーブルまたは範囲から」コマンドの場合、デフォルトのクエリ名はテーブル名になる(元がセル範囲の場合は「テーブル1」等)。
なお、セル範囲をクエリのデータソースに指定するタイミングで、セル範囲はテーブルへ自動的に変換される仕様です。
後は、クエリ新規作成ステップのSTEP2とSTEP3を行いましょう。
これにより、データソースにしたテーブル/セル範囲の更新があっても、クエリに記録したステップを自動化できます。
クエリの新規作成ステップのSTEP2に役立つ各種コマンドの詳細は「パワークエリ(Power Query)の記事一覧」を、STEP3の手順はパワークエリの概要記事をご参照ください。
パワークエリ(Power Query)に関してのコンテンツです。
この記事は、Excelでパワークエリ(Power Query)を使いたい方向けに、パワークエリの活用ノウハウをExcel本著者が解説。パワークエリの使用イメージ・できること・クエリの新規作成ステップ等を網羅。豊富な図解を用意しています。
データ取得手順
Excelブック内のテーブルまたはセル範囲をクエリのデータソースにしたい場合は、以下の手順となります。
- データソースにしたいテーブルまたはセル範囲のいずれかのセルを選択
※今回はA1~C6セルのいずれか - リボン「データ」タブをクリック
- 「テーブルまたは範囲から」をクリック
- 「OK」をクリック
手順②は、手順①の表の上で右クリックでもOK。
手順①の表がテーブルの場合、手順④は不要(「テーブルの作成」ダイアログが起動しない)。
【応用】データソースの表をセル範囲のままにしたい場合の回避法
前述の通り、Excelブック内のセル範囲をクエリのデータソースにした場合、自動的にテーブルへ変換される仕様です。
基本的には、テーブル範囲(行×列)を拡大/縮小に合わせて、クエリのデータソース範囲が連動するため、テーブルにしておく方が利便性は高いです。
ただし、データソースに指定後も、元のセル範囲の状態のままにしたいという場合も稀にあるでしょう。
この場合、あらかじめ対象のセル範囲に名前または印刷範囲を設定しておくことで、テーブルへ変換せずに済みます。
デフォルトのクエリ名は、名前または印刷範囲名(シート名!Print_Area)になる。
ケースに応じて使い分けてください。
なお、この回避策はX(旧Twitter)でm.tanakaさん(@Chiquilin365)に教えていただきました。
整形前の表であっても、予め範囲に名前を付けるか、印刷範囲の設定を先にしておけば、テーブル変換しないで読み込めますよ。
私は「単発処理」の時は後者で済ませてます。
「印刷範囲の設定」→「テーブルまたは範囲から」
だけなので。 https://t.co/CPsnfxhDJa— m.tanaka (@Chiquilin365) August 21, 2024
名前の詳細は、以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は関数に指定するデータ型「参照」や参照演算子を把握していることが前提です。 参考記事 関数に指定するデータ型「参照」や参照演算子の詳細は以下の記事をご参照ください。 数式の参照セルにデータ名があると分か …
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
PowerQueryデータ取得_テーブルまたは範囲.xlsx
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ブックを開いたら、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。
- データソースにしたいテーブルまたはセル範囲のいずれかのセルを選択
※今回はA1~C6セルのいずれか - リボン「データ」タブをクリック
- 「テーブルまたは範囲から」をクリック
- 「OK」をクリック
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
「テーブルまたは範囲から」は、Excelブック内のテーブル/セル範囲をクエリのデータソースに指定できます。
データソースの取得/収集の一番基本的なコマンドになるため、まずはここからクエリ新規作成に慣れて行きましょう!
なお、パワークエリの各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
「テーブルまたは範囲から」コマンドに慣れたら、他の種類のデータソース取得に役立つコマンドを覚えましょう。
おすすめのコマンドは、「テキストまたはCSVから」・「Excelブックから」・「フォルダーから」です。
データを更新/蓄積する表データの場所に応じて、各コマンドを使い分けできると、自動化の範囲を広げることができますよ!