【条件付き書式】集計表上に簡易的な横棒グラフを表示できる「データバー」の使い方
AさんAさん

集計表の特定の列だけ視覚的に分かりやすくしたいです。
ただ、データ数が多いのでグラフを挿入しても集計表と見比べにくいので悩ましいです。。
何か良い方法はありますかね?

森田森田

そんな場合、条件付き書式の「データバー」という機能を使うと良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。

Excelステップ講座

はじめに

この記事は条件付き書式の概要を把握していることが前提です。

参考記事

条件付き書式の概要については、以下の記事をご参照ください。


特に、条件付き書式の共通操作(ルールの適用先変更/表示順変更/複製/停止/削除/クリア)は上記記事を参照のこと。

集計表内で1列の数値データの大小を比較したい場合は「データバー」が有効

集計表は一般的に縦方向にデータを蓄積していきます。

こうした集計表の数値の大小を視覚的に分かりやすくする際に有効なのは棒グラフ(縦棒/横棒)ですが、集計表のサイズが大きいと利用しにくい場合があります。

たとえば、集計表のデータ数が多く、縦や横にスクロールが必要な表です。
以下の集計表はグラフと一緒に表示できるサイズ(以降の説明を簡易にするために小さめの集計表を使用)。

これだと、仮にグラフを挿入しても、都度スクロールが必要になり、集計表とグラフが見比べにくいです。

こうした場合、条件付き書式の「データバー」が便利です。

データバーを使うことで、1列の各セルへ簡易的な横棒グラフを表示することが可能です。
データバーを設定する際、対象セルの値が数値である必要あり。

これにより、集計表だけで列の数値データの大小を比較しやすくできます。

データバーの使用イメージ

「構成比」の各セルに対し、「オレンジのデータバー(グラデーション)」を設定したイメージが以下です。

条件付き書式自体はC4~C12セルに設定していますが、その範囲内の数値の大小に応じてオレンジのバーの横棒グラフを表示できています。

このように、データバーは1列単位(縦方向)で設定することが基本です。

なお、データバーのデフォルトの仕様は、指定した数値データ内の最大値/最小値によってバーの高さが相対的に変動します。

基本的にデフォルトの設定で問題ないですが、このバーの最大値/最小値を変更したい場合は、別途「ルールの編集」が必要になりますのでご注意ください(詳細は後述の「最小値/最大値の種類/値の変更」を参照)。

参考記事

最大値(MAX)、最小値(MIN)の詳細は、以下の記事をご参照ください。


データバーの設定手順

データバーを設定したい場合は、以下の手順となります。

  1. データバーを設定したいセル範囲を選択
    ※今回はC4~C12セル
  2. リボン「ホーム」タブをクリック
  3. 「条件付き書式」をクリック
  4. 「データバー」をクリック
  5. 任意のデータバーを選択
    ※今回は「オレンジのデータバー(グラデーション)」

データ数が多い場合、手順①のセル範囲に総計を含めないことを推奨(含めると内訳のデータのバーが小さく、差異が分かりにくくなるため)。
手順①のセル範囲は予め降順に並べ替えした方が見やすい(並べ替え可能な場合)。
手順⑤で指定する色は、セルの数値が見やすいものを選択すること。
手順⑤で選択肢にある色以外を設定したい場合、「その他のルール」を選択すると起動する「新しい書式ルール」ダイアログ上で詳細な条件を設定可能。

データバーのルールの編集

後からデータバーの詳細ルールを編集できます。

そのためには、以下の手順で「書式ルールの編集」ダイアログを起動しましょう。

  1. 編集したいデータバールールが設定されたセル範囲を選択
    ※今回はC4~C12セル
  2. リボン「ホーム」タブをクリック
  3. 「条件付き書式」をクリック
  4. 「ルールの管理」をクリック
  5. 任意のルールを選択
  6. 「ルールの編集」をクリック
  7. 任意の内容へ編集
  8. OK」をクリック
  9. OK」をクリック

手順⑤⑥は任意のルールをダブルクリックで省略可能。
手順⑧は「適用」ボタンをクリックすると、「条件付き書式ルールの管理」ダイアログを閉じずにワークシート上でルール編集した結果を確認することが可能(「OK」ボタンをクリックするとダイアログが閉じてしまう)。

以降、手順⑦で編集できる内容別に解説していきます。

最小値/最大値の種類/値の変更

前述の通り、データバーのデフォルトの仕様は、指定した数値データ内の最小値/最大値で相対的に変動します。

通常、デフォルトのままで問題ないですが、任意の基準値に変更したい場合は、最小値/最大値の「種類」ボックスと「値」ボックスの内容を変更しましょう。
「値」ボックスは直接数値を入力する他、セル参照も可能。
最大値/最小値のデフォルトは「種類」・「値」ボックスの両方がそれぞれ「自動」。

「種類」ボックスは用途に応じて選択内容を変更すると良いです。

  • 最小値/最大値:セル範囲内の最小値/最大値を基準値にしたい場合
  • 数値:実数を基準値にしたい場合
  • パーセント:対象データ内の「最大値と最小値の幅」に占める割合を基準値にしたい場合
  • 数式:数式で高度な条件を設定したい場合
  • 百分位:対象データ内の数値の大きさの「順位」を表す割合を基準値にしたい場合

百分位は、統計の「パーセンタイル」のこと。

通常のグラフの軸の設定と同じ要領で考えれば、パーセント~百分位はほぼ使う必要はないでしょう。

また、最大値を変更する際、この設定を変更するだけでなく、データバーの対象範囲に総計を含めることも有効なケースもあります。
「構成比」列で最大値を100%にしたい場合等。

バーの外観の変更

データバーは、設定後にバーの色等を含む外観を細かに変更することも可能です。

変更したい内容に合わせて該当のボックスの設定を変更しましょう。

変更できる内容は以下の通りです。

  • バーの塗りつぶしの単色↔グラデーション
  • バーの塗りつぶしの色
  • バーの枠線有無(なし↔枠線)
  • バーの枠線の色
  • 棒の方向

色関連は、データバーを設定したセルの値が見やすいものにしておきましょう。

なお、「棒の方向」のデフォルトは、「シートの設定に従う」になっており、正の数値は左から右へ、負の数値は右から左へバーが表現されます。

あえて、この設定を変更するメリットはないでしょう。

【参考】負の数値に該当する場合のバーの外観も変更可能

前述のバーの色関連の設定は、正の数値を対象としたものです。

負の数値も入る可能性があり、その場合のバーの外観を変更したい場合は、「負の値と軸」ボタンをクリックすると表示される「負の値と軸の設定」ダイアログで設定変更しましょう。

変更できる内容は以下の通りです。

  • 負の棒の塗りつぶしの色
  • 負の棒の罫線の色
  • 軸の設定
  • 軸の色

通常は、あえて設定変更する必要はありません。

強いて言えば、デフォルトの色が悪い数値を連想する「赤」になっているため、負の数値が良い意味の場合等に変更すると良いでしょう。

バーのみ表示(数値非表示)へ変更

通常、データバーを設定したセルは、元々の数値データ+バーの両方が表示される仕様です。

集計表内でバーを分かりやすく表示させたい場合等、バーのみを表示(=数値データを非表示)させることも可能です。

その場合、「棒のみ表示」のチェックをONにしましょう。

後で、再度数値データを表示させたい場合は、このチェックをOFFにすればOKです。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_条件付き書式_データバー.xlsx

サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。

ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)

  1. データバーを設定したいセル範囲を選択
    ※今回はC4~C12セル
  2. リボン「ホーム」タブをクリック
  3. 「条件付き書式」をクリック
  4. 「データバー」をクリック
  5. 任意のデータバーを選択
    ※今回は「オレンジのデータバー(グラデーション)」

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

データバーは、1列単位で数値の大小に応じて簡易的な横棒グラフを表示できる機能です。

集計表のサイズが大きく、グラフと一緒に見比べにくい場合の可視化に役立ちます。

なお、データバー以外にもExcelでのデータ分析の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。


また、よりコアな情報を発信していくために「公式LINE」を開始しましたので、ご興味があれば以下バナーから友だち追加をお願いします!
特典として、Excelワークシート関数一覧(計22スライド)やExcelショートカットキー一覧(計25スライド)等をプレゼント!

森田貢士の公式LINEへの友だち追加告知用バナー

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

データバーとセットで覚えた方が良いのは、同じく数値データを可視化できる「カラースケール」「スパークライン」です。
カラースケールは、クロス集計表等の同じ種類の数値データが多量の場合、数値の大きさを2~3色のグラデーションで視覚的に表現できます。
もう一方のスパークラインは、データバーのようにセル内に簡易的なグラフ(縦棒/折れ線)を表示できる機能です。
これらの機能もデータバーと同様、グラフとセットで表示しにくい大きめの集計表を可視化したい場合に役立ちますよ!