Excelで売上高と売上総利益率等、単位が違う数値を同じグラフに表示したいです。
この場合、どのグラフを使えば良いですか?
そんな場合、「複合グラフ」を使うと良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。
はじめに
この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。
グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。
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複合グラフの使いどころ
通常、グラフは同じ単位の数値データを対象にすることが一般的です。
しかし、実務では売上高と利益率等、異なる単位で関連するデータを別種類のグラフで一緒に表示したいケースもあります。
こうした場合、「複合グラフ」を活用しましょう。
複合グラフとは、異なる種類のグラフを組み合わせて作成するグラフのことであり、集合縦棒グラフと折れ線グラフを組み合わせることが一般的です。
この複合グラフは、単位が異なる2種類の数値データを一緒にグラフ化できます。
集合縦棒グラフと折れ線グラフの詳細については、以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。 参考記事 グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。 数値データの「量」を比較したい場合は「集合縦棒グラフ」が有効 集計表にまとめたデータだけでは …
はじめに この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。 参考記事 グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。 数値データの「トレンド」を把握したい場合は「折れ線グラフ」が有効 実務で金額等の数値データを …
使用イメージ
部署別の売上高と売上総利益率を複合グラフにしたイメージが以下です。
売上高は集合縦棒、売上総利益率は折れ線。
部署ごとの売上高と売上総利益率をセットでグラフ化できました。
なお、グラフの右側にも縦軸が増えており、こちらは折れ線側の縦軸となります。
このように、2種類目の縦軸を「第2軸」と言い、単位が異なるグラフを分かりやすく表現できます。
「第2軸」がある場合、左側の縦軸を「主軸」と言う。
ちなみに、後でグラフの元データの数値データが変わっても自動でグラフへ反映されます。
挿入/設定手順
複合グラフを挿入/設定したい場合は、2パターンの手順があります。
【パターン①】「複合グラフの挿入」コマンド経由
パターン①は、「複合グラフの挿入」コマンド経由の手順です。
なお、「複合グラフの挿入」コマンドは、Excel2013以降のバージョンで利用可能です。
Excel2010以前よりも少ない手順で簡単に複合グラフを作成できるため、バージョンの制約がなければ、こちらの手順を基本としましょう。
- グラフの元データにしたいセル範囲を選択
※今回はA3~C7セル - リボン「挿入」タブをクリック
- 「複合グラフの挿入」をクリック
- 「集合縦棒 – 第2軸の折れ線」をクリック
- 任意の場所へ移動
※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置) - 任意のサイズへ変更
※今回はE3~J14セル - 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
※今回はグラフタイトル削除、縦軸の目盛の間隔調整(2軸分)、凡例の位置変更
手順①で選択する範囲は、項目名にしたい部分も含めること(含めないと後から項目名の設定が必要)。
表に総計や小計の行/列がある場合、手順①のセル範囲に総計/小計を含めないことを推奨(含めると総計/小計の値が大き過ぎて、正確に比較しにくくなるため)。
手順④は1軸(縦軸が1種類)で良い場合、「集合縦棒 – 折れ線」を選択。
手順⑤⑥は図形と同じくドラッグ操作でOK。
手順⑦の詳細は本記事で下記参照。
【パターン②】「グラフの種類の変更」ダイアログ経由
パターン②は、「グラフの種類の変更」ダイアログ経由の手順です。
このパターンは、先に集合縦棒グラフを挿入し、後から任意のデータ系列のみグラフの種類を変更して複合グラフにするイメージとなります。
パターン①よりも手順は多いですが、「複合グラフの挿入」コマンドにはない組み合わせの複合グラフを作成することも可能です。
Excel2010以前のバージョンを利用、もしくは「複合グラフの挿入」コマンドにはない組み合わせの複合グラフを作成したい場合は、こちらの手順で対応しましょう。
- グラフの元データにしたいセル範囲を選択
※今回はA3~C7セル - リボン「挿入」タブをクリック
- 「縦棒/横棒グラフの挿入」をクリック
- 「集合縦棒」をクリック
- 任意の場所へ移動
※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置) - 任意のサイズへ変更
※今回はE3~J14セル - リボン「書式」タブをクリック
- グラフ種類を変更したいデータ系列を選択
※今回は「売上総利益率」 - 「選択対象の書式設定」をクリック
- 「第2軸(上/右側)」を選択
- グラフ種類を変更したいデータ系列上で右クリック
※今回は「売上総利益率」 - 「系列グラフの種類の変更」をクリック
- 任意のグラフ種類へ変更
※今回は「折れ線」 - 「OK」をクリック
- 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
※今回はグラフタイトル削除、縦軸の目盛の間隔調整(2軸分)、凡例の位置変更
基本部分はパターン①と同様。
Excel2013以降の場合、手順⑦~⑬はリボン「グラフのデザイン」→「グラフの種類の変更」→「組み合わせ」で任意のデータ系列のグラフ種類と第2軸のチェックが可能。
※Excel2010以前は「グラフの種類の変更」ダイアログ上に「組み合わせ」が存在しない。
手順⑧~⑩は1軸(縦軸が1種類)で良い場合、手順自体を省略。
複合グラフを見やすくする3つのポイント
複合グラフは挿入後のデフォルトの状態では見にくいため、上記パターン①の手順⑦、パターン②の手順⑮で見やすくなるようにグラフ要素を削除/設定変更を行いましょう。
この見やすさに絶対解はありませんが、一例として3つのグラフ要素に対して削除/設定変更したものが以下です。
Before時点で事前にフォントを「Meiryo UI」へ変更。
Afterの方がプロットエリアの表示範囲が広くなり、不要な要素が減ったため、肝心のグラフ内容も見やすくなったのではないでしょうか。
この3つのポイントの操作手順は集合縦棒グラフと同様です。
なお、POINT2は左右の縦軸の間隔を合わせておくと見やすくなります。
3つのポイントの操作手順については、以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事はグラフの概要を把握していることが前提です。 参考記事 グラフの概要については、以下の記事をご参照ください。 数値データの「量」を比較したい場合は「集合縦棒グラフ」が有効 集計表にまとめたデータだけでは …
サンプルファイルで練習しよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。
ブックを開いたら、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。
- グラフの元データにしたいセル範囲を選択
※今回はA3~C7セル - リボン「挿入」タブをクリック
- 「複合グラフの挿入」をクリック
- 「集合縦棒 – 第2軸の折れ線」をクリック
- 任意の場所へ移動
※今回はE3セル(グラフの左上隅の位置) - 任意のサイズへ変更
※今回はE3~J14セル - 任意のグラフ要素を追加/削除/設定変更
※今回はグラフタイトル削除、縦軸の目盛の間隔調整(2軸分)、凡例の位置変更
本記事の解説と同じ結果になればOKです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
複合グラフは、単位が異なる2種類の数値データを一緒にグラフ化する際に最適です。
特に、売上高や利益率等、実数と比率を同じグラフ上で比較したい場合に活用していきましょう!
なお、グラフ以外にもExcelでのデータ分析の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
複合グラフは、基本的に単位が異なる2種類のデータに対して使うことが多く、第2軸を設定することが基本です。
複合グラフの応用として、第2軸を設定しない、縦軸が1種類の複合グラフも実務では使う機会があります。
たとえば、グラフへ比較軸を挿入するケースです。
実績値に対し、目標値や平均値を折れ線等の別のグラフ種類にすると、実績値の良し悪しを視覚的に判断しやすくなります。
このように、複合グラフをうまく実務で活用できると表現の幅が広がり、成果を出しやすくなるので、ぜひ使いこなせるようにがんばりましょう!