自分の部署で使う共通のファイルへ入力が漏れる人がいて困ってます。。
いちいち声を掛けるのも大変ですし、何か良い方法ありませんかね?
あー、組織で働く以上は起こり得るリスクですね。
いろいろ方法はありますが、未入力を防ぐのにIF関数を使って注意喚起のメッセージを表示する、というのも効果的ですよ!
詳しく解説していきますね!
はじめに
本題に入る前に、この記事がおすすめな人を挙げてみます。
- 組織で使う表を作成する機会がある人
- エクセルを扱う機会がある人
- 事務職を目指している人
ちなみに、最低限「IF関数の基礎」を把握している想定での記事となります。
※自信がない方はこちらの記事で学んでください。
→【エクセル初心者向け】データの条件分岐を自動化してストレスフリー!IF関数の使い方
意外と表への入力が漏れてしまう人がいる。。
ビジネスでは、適宜データを入力していく表があるものです。
たとえば、今回の例では、人ごとのテスト結果を記録していく表があったとしますね。(実際はもっと列数が多い場合が一般的ですが、説明をわかりやすくするためシンプルな事例にしています)
会社のような組織で複数人が入力する場合、人によっては未入力が発生することがあって、データの完全性を維持できないことが、意外とあります。
このままですと、都度入力者と思われる人へ声を掛けたり、誰かが代わりに入力したりと、リカバリに割く工数が多くなってしまいますね。
IF関数で入力漏れを未然に防ぐ!
いろいろ対策はありますが、お手軽な対策のひとつとして、「注意喚起のメッセージをIF関数で表示させる」ということも視覚的に入力者に訴えかけることができるので効果的です。
先ほどの表に対して、D列に各行の未入力かどうかの判定用のIF関数を設置します。
まず、入力漏れではない状態は以下の内容と定義します。
- A・B・C列の3セルがすべて未入力(セルの値がブランク)
- A・B・C列の3セルがすべて入力済み(セルの値がブランク以外)
上記に該当する場合は問題ないのでIF関数の結果はブランク、それ以外は注意喚起のメッセージを表示する、という数式にしたのが次の内容です。
引数「論理式」はOR関数とAND関数を組み合わせて、上記の未入力かどうかの判定を行っています。
D3セルの数式でいえば、「AND(A3=””,B3=””,C3=””)」は「A・B・C列の3セルがすべて未入力(セルの値がブランク)」を、「AND(A3<>””,B3<>””,C3<>””)」は「A・B・C列の3セルがすべて入力済み(セルの値がブランク以外)」を意味しています。
この2つのAND関数のどちらかに該当するかどうかを「OR(AND(A3=””,B3=””,C3=””),AND(A3<>””,B3<>””,C3<>””))」のように、OR関数の引数に指定しているわけですね。
あとは普通のIF関数の要領で引数「偽の場合」に注意喚起のメッセージとして、” 未入力があります!”を指定してあげればOKです。
OR関数・AND関数の詳細を詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
【エクセル中級者向け】IF関数の「論理式」をOR条件(○または□)にする方法 | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~
目次1 はじめに2 IF関数の条件分岐をOR条件で判定したい!3 引数「論理式」にOR関数を組み合わせる!4 ・・・
【エクセル中級者向け】IF関数の「論理式」をAND条件(○かつ□)にする方法 | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~
目次1 はじめに2 IF関数の条件分岐をAND条件で判定したい!3 引数「論理式」にAND関数を組み合わせる!・・・
なお、今回のOR関数+AND関数を用いた引数「論理式」の部分は、表の形式に合わせて柔軟に変えていきましょうね。
たとえば、COUNTA関数やCOUNTIF関数などで未入力のデータ数と入力済みのデータ数をカウントして条件判定するなども有効ですよ。
サンプルファイルで練習しよう!
では、今回のテクニックを使ってみましょう!
サンプルの条件
今回の題材は次のとおりです。
「得点記録」というシートに「氏名」・「得点(学科)」・「得点(実技)」の項目があります。
上記3項目が各行で入力漏れを防止するために、D列へ3項目とも未入力か入力済み以外の場合に”未入力があります!”というエラーメッセージを表示できるようなIF関数を設定してみましょう。
実際に練習してみよう!
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして実際に操作してみてください。
サンプルファイル_IF関数_未入力防止
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(上記リンクから登録フォームへ遷移します)
ファイルを開いたら次の手順を実施してください。
- 「得点記録」シートを選択
- D3セルへ「=IF(OR(AND(A3=””,B3=””,C3=””),AND(A3<>””,B3<>””,C3<>””)),””,”未入力があります!”)」を入力
- 赤字の部分をコピーして貼り付けてください。
- D3セルをコピー
- D4~D7セルへ貼り付け(ペースト)
D列の各セルの表示が以下のとおりであればOKです!
A~C列の各値を変えてみて、D列の数式の結果がどう変わるかも試してみてくださいね。
もし、表や数式を加工してしまった場合は、上記手順を実施済みの「得点記録 (関数あり)」シートもサンプルファイル内に用意していますので、必要に応じてご活用くださいね。
【参考】条件付き書式とセットで使うとより効果的!
より視覚的に強調したい場合は、エラーメッセージが表示された際に条件付き書式でセルの塗りつぶしや文字の色を変えてあげると効果的ですよ!
条件付き書式は、以下の手順で設定できます。
- 条件付き書式を設定したいセル範囲を選択
- リボン「ホーム」タブを表示
- 「条件付き書式」をクリック
- 「セルの強調表示ルール」をクリック
- 「指定の値に等しい」をクリック
- エラーメッセージ(今回は”未入力があります!”)の内容を指定
- 任意の書式を設定
- 「OK」をクリック
実際の設定内容はサンプルファイル内の「得点記録 (条件付き書式あり)」をご確認してみてください。
さいごに
エラーは未然に防ぐことができれば、それが一番効果的です。
本来は物理的にミスが発生しないように制御できれば一番ですが、なかなか難しいので視覚に訴えかける方法のひとつとして、IF関数も有効であることを知っておくと良いですね。
他にも、IF関数を便利に使うための応用テクニックを私の書籍で紹介しているので、こちらもご参考にしていただければと思います。
▼IF関数を基本から応用まで体系的に学びたい方向け
▼IF関数の応用テクニックに加えて、その他VLOOKUP関数なども学びたい方向け
ご参考になれば幸いですm(_ _)m
ほんとうに関数をはじめとするエクセルの諸機能は「いかに組み合わせるか」ですね。
創意工夫で大抵のことはエクセルで実現できますので、いろいろ試してみましょう!