4月から社会人になります!
Excelを早く覚えると良いと聞きましたが、具体的にどんなことを知っていると良いですかね?
大学でExcelを触ったこと自体はあるんですが不安です・・・。
入社おめでとうございます!
私の場合、入社してからExcelを覚えたので、そんなに不安を感じることはないと思いますよ!
とは言っても不安は残ると思いますので、特に早く覚えてほしい基本知識/スキルを15ほどピックアップしました。
それでは、それぞれ順番に解説していきますね。
はじめに
本題に入る前に、この記事がおすすめな方を挙げてみます。
- 入社前にExcelでどんなことを覚えていれば良いか知りたい方
- 今までExcelを使う機会が少なかったが、転職や異動等でこれからExcelを新たに覚える必要がある方
- これから新入社員に教育を行う機会がある方
前提条件
この記事は、最低限以下のことができる方を想定しています。
- 特定のExcelブックを開ける
- 特定のExcelブックを閉じる
- セルへ任意の文字を入力できる
会社員の最も利用頻度が高いソフトは「Excel」
職場で最も利用されているソフトが「Excel」という割合は約7割と支配的です。
※引用元:業務標準化実態調査【2020年度版】(ジャストシステム社)
ITサービス選定で重視すること。クラウドは「コスト」でオンプレは「重要データ管理」
よって、デスクワークの比率が低い職種という例外を除き、基本的にはExcelを最低限使えるようになっておくと費用対効果が高いです。
具体的には、デスクワークの作業時間が減り、浮いた時間でより多くの仕事に携われますし、他の知識やスキル習得に時間を回すことも可能になるからですね。
さらに、Excelスキルは今後異動や転職をしても、持ち運び可能なポータブルスキルですし、RPAやBIツールといった他ツールを学ぶ際もExcelのベースがあると速く・深く習得できます。
以上を踏まえると、なるべく早めにExcelスキルを習得することは非常にメリットが大きいのでおすすめです。
Excel基本知識/スキル15選
ここから、早く覚えてもらいたい15のExcelの基本知識/スキルを順番に解説していきますが、大枠で次の2つにカテゴライズできます。
まずは、二度手間を減らすことが最優先。
これは、作業をもう一度やり直すことほどムダで不毛な時間はないからです。
精神的にも自分や周囲に迷惑をかけるときついですからね。
次点で作業効率を上げていくこと。
この時点では、他ソフトでもある程度横展開できる内容を中心に据えています。
では、順番に基本知識/スキルを解説していきましょう。
A:共通
【1】Excelの基本用語を覚える
まず、両方のカテゴリに属する大前提として、Excelの基本用語を覚えておきましょう。
具体的なものは以下の記事をご参照ください。
Excelのノウハウを解説した書籍やサイトで一般的に使われている基本用語の意味をまとめました。 ご参考になれば …
基本用語を覚えておくことで、Excelの各種機能を使う際に表示されるメッセージの意味を理解しやすくなりますし、ネットや書籍等でExcelを学ぶ際にも役立ちます。
B:二度手間を減らす
ここからは二度手間を減らすことに役立つ基本知識/スキルを解説します。
【2】ひな形がある場合はブックを複製する
ひな形のブックがある場合、必ずブックを複製してから編集しましょう。
ひな形のブックを開いてから「名前を付けて保存」をしようと思っていて、間違えて「上書き保存」してしまうと最悪です。
ひな形の状態に戻す必要が出てくるため、余計な工数が発生します。
関係者に迷惑がかかってしまうリスクがあるので、そもそもこうしたことがないよう、ブックの複製から行うと予防できます。
【3】とにかくこまめに「上書き保存」
ある程度の作業が終わってから、まとめて「上書き保存」しようという考え方は危険です。
Excelはたまに落ちてしまうことがあるため、仮に落ちてしまった場合にやり直しの工数が発生してしまうからです。
特に、データ量が大きいブックや共有設定されたブックなどは落ちがちです。
こんな場合に備え、編集したらこまめに「上書き保存」しておきましょう。
ちなみに、「上書き保存」のショートカットキーは「Ctrl」+「S」です。
こまめに「上書き保存」しておけば、万が一ブックが落ちても、最新データの状態なので、やり直しが最小限で済みます。
【4】作業ミスしても焦らず「元に戻す」
ワークシート上で間違ってセルのデータを消してしまう等、作業ミスしてしまった場合は焦りますよね?
そんな場合に備え、Excelには「元に戻す」という機能があります。
この機能を使うと、作業ミスを起こす前の状態に戻してくれます。
ちなみに、「元に戻す」のショートカットキーは「Ctrl」+「Z」です。
なお、万が一間違えて「元に戻す」をしてしまった場合は、反対に「やり直し」という機能もあります。(「元に戻す」の実行前の状態に戻す)
「やり直し」のショートカットキーは「Ctrl」+「Y」
ぜひ、セットで覚えておきましょう。
【5】数値に単位を入力しない
データに詳しくない方がやってしまいがちな「あるある」がこちらです。
- 数値に「円」等の単位まで入力してしまう
- 日付に「曜日」等まで入力してしまう
上記のような対応をしてしまうと、Excel上では「文字列」(文字データの一種)と解釈され、Excelの計算等の機能が使えなくなってしまいます。
よって、セルには数値として扱いたいなら数値のみ、日付として扱いたいなら日付のみ入力するようにしましょう。
なお、データの見た目的に単位や曜日を付けたい場合は、「表示形式」という機能があります。
表示形式を設定することで、実際のデータは数値でも、表示されるデータには単位を付与するといったことが可能となります。
表示形式の詳細を知りたい方は下記記事をご参照ください。
前回セルの書式設定のユーザー定義のメリットについて触れました。 Exceのセル書式設定「表示形式」のユーザー定 …
前回セルの書式設定のユーザー定義の【数値】に関してのおすすめ設定について触れました。 Exceのセル書式設定「 …
【6】コピペで表の書式を崩さない
コピーしたセルと貼り付け先のセルの書式(フォントの色や罫線等)が違う場合、普通のコピペだとコピーしたセルの書式情報まで貼り付け(上書き)されてしまいます。
これでは、表の書式が崩れてしまうため、「形式を選択して貼り付け」という機能を使いましょう。
この機能を活用することで、コピーしたデータのうち、任意の情報(値や書式、数式等)のみを貼り付けられます。
ちなみに、「形式を選択して貼り付け」のショートカットキーは「Ctrl」+「Alt」+「V」です。
あとは貼り付けたい形式を選択して「OK」するのみです。
なお、ダイアログ起動後、貼り付けたい形式の右に記載のアルファベットのキーを押下すると、その形式を選択でき、「Enter」キーで確定可能です。(この操作は他のダイアログも共通)
うまく活用すると、マウス使わずに操作もできます。
例)「値」で貼り付けしたい場合:「Ctrl」+「Alt」+「V」→「V」→「Enter」
【7】セル内で改行するなら「Alt」+「Enter」
セル内に長文を入力する際、改行をしたくなると思いますが、Wordのように「Enter」キーを押すと、1つ下のセルへ移動してしまいます。
この場合、スペースキーでがんばって改行されたようにしてしまう方もいますが、これはブックを開くPCの画面サイズやワークシートの表示倍率によって改行状態に見えない場合がありますし、そもそも多くのスペースが邪魔なデータになるので止めましょう。
セル内で改行したい場合は、「Alt」+「Enter」を使います。
これで、PCの画面サイズやワークシートの表示倍率が変わっても当然問題ありません。
【8】「並べ替え」する際は通し番号があるか確認する
表に対し、フィルターや並べ替えを行いたいケースはありますが、特に「並べ替え」には注意しましょう。
具体的には、並べ替え後に元に戻すために必要な「通し番号」があることが重要です。
通し番号がない場合、並べ替えた後に元に戻せず、途方に暮れるケースがあります。
(最悪、ファイルを以前のバージョンに復元等の処理が必要)
こうした事態を回避するためにも、表を元の並びに戻すための通し番号的な列があるか、その列のデータが直接入力されたものかをきちんと確認しましょう。
なお、通し番号をROW等の関数で行っている場合は、並び替え後で通し番号を再取得してしまい、元に戻せなくなります。
この場合は、並べ替えを行わないか、ワークシートを複製し、複製後のシート上で並べ替えするようにしましょう。
【9】印刷する前に「印刷プレビュー」
Excelワークシートの印刷時、肝に命じておきたいことが、ワークシート上の画面と印刷結果は異なる場合があるということです。
具体的には、画面上ではセル内にぴったり収まっているように見えた文字が、印刷すると文字切れ状態ということが起きてしまいます。
こうなると、ワークシート上の編集と印刷をやり直しの工数がかかるとともに、ムダな印刷コストがかかります。
こうしたことがないよう、必ず「印刷プレビュー」を実行し、印刷結果として問題ないかを印刷前に確認しましょう。
ちなみに、「印刷プレビュー」(印刷)のショートカットキーは「Ctrl」+「P」です。
この時点で文字切れ等あれば、ワークシート上に戻り行・列の幅や文字のサイズ等を調整しましょう。
【10】作業が終わったらすぐにブックを閉じる
組織で仕事を行う場合、複数人で同じブックを編集するケースがありますが、自分の作業が終わったら速やかにブックを閉じましょう。
そうしないと、他の人がブックを開いても「読み取り専用」となり、同じブックに「上書き保存」ができなくなってしまうためです。
こうなると、誰が開いているかの確認や、その人へブックを閉じるように連絡するといった余計な手間がかかってしまうため、マナーの一つとして覚えておきましょう。
C:作業効率を上げる
ここからは作業効率を上げることに役立つ基本知識/スキルを解説します。
ちなみに、Excel以前にタッチタイピングできない場合はタッチタイピングから学びましょうね。
私は社会人一年目で「北斗の拳 激打」というタイピングソフトでひたすら練習しました。
【11】主要なショートカットキーを活用する
ここまでも、よく使う操作はショートカットキーを紹介していますが、それは時短できるからです。
頻度の高い操作はなるべくショートカットキーを使うと同じ手順でもより速く作業を完了できます。
手始めに、次の記事で紹介しているものを少しずつ取り入れてみてください。
Excelの真骨頂はやはり各種の「表」です。 どの業界でも表のデータ入力作業は発生頻度が高いため、入力効率を高 …
【12】入力用の表を新たにつくる際は「テーブル」を使う
入力用の表で注意すべきルールがいくつかありますが、Excelにはそれらのルールを満たした表を簡単に作成できる機能があります。
それが「テーブルとして書式設定」です。
この機能を活用すると、ある程度体裁が整った表を簡単に作成できますし、この表を元データにした他の機能の使い勝手が良くなります。
このテーブルは、実はExcelを今後活用して行く上でベースとなる大事な機能であるため、別記事で詳しく解説予定です。
【13】複数セルに同じデータを一括で入力する
Excelで複数セルに同じデータを入力したい場合、1セルずつ行うのは非効率です。
実は、Excelは複数セルを選択していれば、選択したセルへ同じデータを一括入力することができます。
一括処理は、セル内のデータを入力したら、通常は「Enter」キーで確定するところを「Ctrl」+「Enter」にするのみです。
フィルター機能等と組み合わせて使うと非常に時短になります。
【14】複数セルの文字の修正・削除は「置換」
こちらは複数セルを一括で修正・削除するケースです。
この場合は、「置換」(ちかん)という機能を使いましょう。
文字通り、特定の文字を指定した文字に置き換えることが可能です。
ちなみに、「置換」のショートカットキーは「Ctrl」+「H」です。
置換後の文字をブランク(空白)にすることで置換前の文字を削除することもできます。
【15】計算する際は数式でセル参照する
Excelは表計算ソフトのため、数値の計算に役立つ機能が多くあります。
それらを活用する前に、まずは数式から覚えると良いでしょう。
特に、数式はセル参照(すでに数値が入っているセルを参照すること)を活用することを意識すると、運用・保守しやすいワークシートにすることが可能です。
なお、数式の中でも特に利用頻度が高い四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)とアンパサンド(&)は覚えておくことをおすすめします。
ちなみに、同じ数式を複数セルにセットすることが必要な場合、1つの数式を他のセルへコピペして使い回すことが時短の近道です。
その際、数式でのセルの参照形式の知識が不可欠です。
絶対参照・相対参照・構造化参照等の種類があり、最初はややこしいですが、覚えておくと時短につながるため、ぜひ少しずつ覚えてください。
また、コピペ前に数式が正しいか(セル参照間違い等)を「F2」キー等で確認することは忘れずに行いましょう。
数式の詳細を知りたい方は下記記事をご参照ください。
Excelの「数式」はどんな機能ですか? 「数式」と聞くと数学のイメージしかないんですが・・・。 …
はじめに 本題に入る前に、この記事がおすすめな人を挙げてみます。 エクセルの数式や関数を使う頻度が高い人 エク …
関数の数式を直接入力できるようになってきました! もっと関数を実務で役立てていくために、他に覚えておいた方が良いことはありますか?? …
次のステップとしてキーワードだけでも知ってほしいExcel機能
この記事で紹介した基本知識/スキルを身に着けたら、次のステップで身に着けてほしいExcelスキルをまとめておきます。
上から優先順位高いと思っています。(実務によってバラツキあるとは思いますが)
- 主要関数(SUM、COUNTA、SUMIFS、COUNTIFS、VLOOKUP、IF)
- 条件付き書式
- グラフ
- ピボットテーブル
- パワークエリ
せめて、ピボットテーブルくらいまではビジネスパーソン全員身に着けてほしいと割と本気で思っています。
(ここまででも上位2割に入るExcelスキルになるかも)
早めにExcelの情報源を確保しよう!
理想は職場で実務とセットでExcelを学べることです。
(私は幸い実務もExcelも質問できる先輩がいました)
ただ、職場によってはそういう先輩や上司がいない方もいるっぽいことはSNS等で目にします。
もし、そうした場合は、ネットを活用しましょう。
正直、たいていのことはネットを通じて無料で解決できます。
- Google等で解説記事を探す
- YouTubeで解説動画を探す
- Yahoo!知恵袋等の共有サイトに質問を投稿する
- Twitter等のSNSで質問をツイートする
自分の質問に対し、分かりやすいと思える回答がもらえる方法を早めに見つけ、新たな機能を使う時や、なぜかエラーになってしまった場合等、調べて試すを何セットも繰り返すことがExcelスキル向上の近道です。
よく使うサイトへのブックマークやチャンネル登録等を行い、アクセスしやすくしておきましょう。
それでどうしても解決できない場合に、有料となる書籍や動画、講座等を検討すると良いですね。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
新入社員向けにまとめた記事でしたが、新入社員かどうか問わず、私的に一緒に仕事する上で最低限このくらいのレベルでないと、Excel以外のことを教える時にも困るかなと思います。
人によってはレベルが低過ぎる、あるいは高過ぎるといったいろいろな意見がありそうですが、コメント等いただけると幸いです。
また、よりコアな情報を発信していくために「公式LINE」を開始しましたので、ご興味があれば以下バナーから友だち追加をお願いします!
特典として、Excelワークシート関数一覧(計22スライド)やExcelショートカットキー一覧(計25スライド)等をプレゼント!
ご参考になれば幸いですm(_ _)m
私は本当にExcelを本格的に触ったのが社会人になってからなので、正直「仕事やりながら覚えても間に合うのでは?」と思ってしまいます。
しかも、昔(私が社会人1年目はExcel2003でした)に比べてExcelのUIは分かりやすく、かつ便利な機能も増えましたし、無料で学ぶ方法も昔より格段に増ました。
集中して学習すれば、本記事の知識/スキルなら1~2か月もあれば余裕で習得できるため、ぜひExcelスキルを早期に高めていきましょう!