【関数】文字列として入力された数字のデータ型を「数値」に変換できる「VALUE」の使い方
AさんAさん

見た目は数値なのに、なぜか集計できないケースの場合、いちいち手作業で数値に変換し直すのが面倒です・・・。
こうした場合、もっと楽に修正することができないですかね?

森田森田

その場合は、関数のVALUEを活用すると良いですよ!
では、VALUEの使い方について解説していきますね。

Excelステップ講座

はじめに

この記事は関数の概要を把握していることが前提です。

参考記事

関数の概要については以下の記事をご参照ください。

元データの数字のデータ型を「文字列」→「数値」へ変換したい場合は「VALUE」が有効

実務では、見た目のデータは数字なのに、なぜか集計できないケースがあります。

たとえば、次のように「金額」列の数字を合計したいのに、なぜかSUMの結果が「0」になってしまうといったイメージです。

この原因は「データ型」です。
データ型は、ざっくり「データの種類」だと思ってください。

上記の「金額」列の数字はすべてデータ型が「文字列」になっていたため、数値を対象にした機能であるSUMでは計算できませんでした。

よって、事前にデータ型を「数値」に変換することが必要です。

こんな場合、関数の「VALUE」を使うことで、文字列化された数字のデータ型を「数値」へ自動的に変換することが可能となります。
ちなみに、VALUEは「バリュー」と呼びます。

よって、文字列化された数字のデータ型を「数値」へ変換したい場合はVALUEを使用していきましょう。

参考記事

文字列化された日付のデータ型を「日付」へ変換したい場合はDATEVALUE、文字列化された時刻のデータ型を「時刻」へ変換したい場合はTIMEVALUEを使用してください(詳細は以下の記事を参照)。


VALUEの構文

VALUEの構文は以下の通りです。

=VALUE(文字列)
文字列として入力されている数字を数値に変換します。

引数名 必須 データ型 説明
文字列 文字列 変換対象のセル(値が文字列化された数値)を指定します。

引数「文字列」に数値、日付、時刻以外の値を指定すると、エラー値「#VALUE!」が返ります。
文字列化されていない数値、日付、時刻を指定した場合は、引数「文字列」に指定した値がそのまま表示されます。

【参考】VALUEは「文字列操作関数」

あくまで参考情報となりますが、VALUEはリボン「数式」タブの関数ライブラリの「文字列操作」に分類されています。

実際にVALUEを活用する際は、以下で解説しているように直接入力で挿入していきましょう。

VALUEの使用結果イメージ

VALUEで文字列化された数字のデータ型を「数値」へ変換したイメージは以下の通りです。
今回は「金額」列のデータ型を「数値」へ変換しました。

これでI2セルのSUMで問題なく「金額」列の合計を集計できました。

なお、VALUEは原則一つの関数で一つのセルのみが変換対象です。

ベースの数式をセットしたら、他のセルへペーストしましょう。

【参考】VALUEDATEVALUETIMEVALUEの違い

類似機能の関数であるVALUEDATEVALUETIMEVALUEの違いを把握しておきましょう。

それぞれの関数でA列の値を引数にした結果は以下の通りです。

ご覧の通り、実はVALUEでもシリアル値への変換ができ、DATEVALUEは日付部分、TIMEVALUEは時刻部分にそれぞれ特化していることが分かります。

よって、整理すると次のように使い分けると良いでしょう。

  • 数値の場合:VALUE一択
  • 日付のみの場合:VALUEDATEVALUE(結果は同じ)
  • 時刻のみの場合:VALUETIMEVALUE(結果は同じ)
  • 日付+時刻の場合:必要な部分が日付+時刻ならVALUE、日付のみならDATEVALUE、時刻のみならTIMEVALUE

VALUEの対応範囲の広さが分かりますね。

VALUEの数式の挿入手順

上記の結果を得るための手順は以下の通りです。

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はG2セル
  2. =v」と入力
  3. サジェストから「VALUE」を選択し、「Tab」キーで確定
  4. 変換対象のセルを選択
    ※今回はF2セル
  5. Enter」キーで確定
  6. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はG3~G11セルへペースト

手順②の際にIMEを半角英数モードにすること。
テーブルの場合、手順⑥は不要(全レコードへ数式が自動的にコピーされる)。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_ワークシート関数_VALUE.xlsx

※サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります。
(上記リンクから登録フォームへ遷移します)

ブックを開いたら、次の手順を実施してください。(今までの解説のまとめです)

  1. 関数を挿入するセルを選択
    ※今回はG2セル
  2. =v」と入力
  3. サジェストから「VALUE」を選択し、「Tab」キーで確定
  4. 変換対象のセルを選択
    ※今回はF2セル
  5. Enter」キーで確定
  6. 1行目の数式をコピーし、以降のセルへペースト
    ※今回はG3~G11セルへペースト

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

VALUEはデータ型の変換に役立つ関数のうちの一つです。

定期的にデータ型を変換する機会があるなら、ぜひ覚えておいた方が良いですね。

なお、VALUE以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。



また、よりコアな情報を発信していくために「公式LINE」を開始しましたので、ご興味があれば以下バナーから友だち追加をお願いします!
特典として、Excelワークシート関数一覧(計22スライド)やExcelショートカットキー一覧(計25スライド)等をプレゼント!

森田貢士の公式LINEへの友だち追加告知用バナー

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

VALUEとセットで覚えておいた方が良い関数は、VALUEの日付版のDATEVALUEと、時刻版のTIMEVALUEです。
他にも、セルの値のデータ型を特定できるTYPEも覚えておくとベターですね。