Aさん 表の時刻の列から時間等の部分だけ取得したいです。
Power Queryエディター上で取得する場合、どうしたら良いですか？
森田 その場合、Power Queryエディター上の「時」・「分」・「秒」コマンドを使えば良いですよ！
では、詳細を解説していきますね。
はじめに
この記事はパワークエリの概要を把握していることが前提です。
パワークエリの概要については、以下の記事をご参照ください。
この記事は、Excelでパワークエリ（Power Query）を使いたい方向けに、パワークエリの活用ノウハウをExcel本著者が解説。パワークエリの使用イメージ・できること・クエリの新規作成ステップ等を網羅。豊富な図解を用意しています。
「時」・「分」・「秒」の使いどころ
「時」・「分」・「秒」コマンドは、クエリの新規作成ステップのうち、STEP2の「取得データを整形/加工（Transform）」に該当する機能です。
機能自体は、ワークシート上の関数の「HOUR」・「MINUTE」・「SECOND」と似ています。
クエリ内の一連の整形作業の中で、時刻列の一部を取得したい場合に「時」・「分」・「秒」コマンドを使いましょう。
「時」・「分」・「秒」コマンドを活用することで、選択した時刻列から任意の要素（時/分/秒）を取得できます。
ワークシート上の関数の「HOUR」・「MINUTE」・「SECOND」の詳細は、以下の記事をご参照ください。
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照ください。 時刻から「時間」のみ取得したい場合は「HOUR」が有効 日付ほどではないですが、実務で扱うデータに …
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照ください。 時刻から「分」のみ取得したい場合は「MINUTE」が有効 日付ほどではないですが、実務で扱うデータ …
はじめに この記事は関数の概要を把握していることが前提です。 参考記事 関数の概要については以下の記事をご参照ください。 時刻から「秒」のみ取得したい場合は「SECOND」が有効 日付ほどではないですが、実務で扱うデータ …
使用イメージ
「受付時刻」列から「時間」を取得する新しい列を追加したイメージが以下です。
Power Queryエディター上で「時間」を取得するステップを登録できました。
リボン「列の追加」タブの「時」コマンドの場合、デフォルトのステップ名は「挿入された時間」になる（クエリ内で2つ目以降の「挿入された時間」ステップは連番が付加）。
※その他のコマンドも「挿入された○」となる（○にコマンド名）。
リボン「変換」タブの「時」コマンドの場合、デフォルトのステップ名は「抽出された時間」になる。
※その他のコマンドも「抽出された○」になる（○にコマンド名）。
後は、クエリ新規作成ステップのSTEP2で必要な他ステップを登録したら、STEP3を行いましょう。
これにより、クエリに記録した「時」・「分」・「秒」・コマンドのステップを自動化できます。
「時」・「分」・「秒」・コマンドのステップ登録後、取得対象の列名を変更すると、クエリ更新時にエラーになるため注意（対処法は、後述の「登録したステップの変更手順」を参照）。
クエリの新規作成ステップのSTEP2に役立つ各種コマンドの詳細は「パワークエリ（Power Query）の記事一覧」を、STEP3の手順はパワークエリの概要記事をご参照ください。
パワークエリ（Power Query）に関してのコンテンツです。
この記事は、Excelでパワークエリ（Power Query）を使いたい方向けに、パワークエリの活用ノウハウをExcel本著者が解説。パワークエリの使用イメージ・できること・クエリの新規作成ステップ等を網羅。豊富な図解を用意しています。
ステップ登録手順
「時」・「分」・「秒」コマンドのステップを登録したい場合、コマンドにより手順が若干異なります。
「時」コマンド
「時」コマンドの場合、以下の手順となります。
- 取得対象の時刻列を選択
※今回は「受付時刻」列 - リボン「列の追加」タブをクリック
- 「時刻」をクリック
- 「時」をクリック
- 「時」をクリック
手順①で選択した列のデータ型が「時刻」・「日付/時刻」・「日付/時刻/タイムゾーン」以外の場合、手順④以降は非活性となる。
手順①の列を上書きしたい場合、手順②はリボン「変換」タブをクリック。
※同じコマンドだが、手順①の列を月の整数で上書きする。
「分」コマンド
「分」コマンドの場合、以下の手順となります。
- 取得対象の時刻列を選択
※今回は「受付時刻」列 - リボン「列の追加」タブをクリック
- 「時刻」をクリック
- 「分」をクリック
手順①で選択した列のデータ型が「時刻」・「日付/時刻」・「日付/時刻/タイムゾーン」以外の場合、手順④は非活性となる。
手順①の列を上書きしたい場合、手順②はリボン「変換」タブをクリック。
※同じコマンドだが、手順①の列を月の整数で上書きする。
「秒」コマンド
「秒」コマンドの場合、以下の手順となります。
- 取得対象の時刻列を選択
※今回は「受付時刻」列 - リボン「列の追加」タブをクリック
- 「時刻」をクリック
- 「秒」をクリック
手順①で選択した列のデータ型が「時刻」・「日付/時刻」・「日付/時刻/タイムゾーン」以外の場合、手順④は非活性となる。
手順①の列を上書きしたい場合、手順②はリボン「変換」タブをクリック。
※同じコマンドだが、手順①の列を月の整数で上書きする。
登録したステップの変更手順
「時」・「分」・「秒」コマンドで登録したステップを後から変更する場合、以下の手順が異なります。
- 1. 「挿入された○」 or 「抽出された○」ステップを削除（「×」をクリック）
- 再度「時」・「分」・「秒」コマンドのステップ登録手順を実行
手順①のステップ名は、「時」・「分」・「秒」コマンドのデフォルトの名前（自身でリネームしている場合は別表記）。
サンプルファイルで練習しよう！
可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。
サンプルファイル_PowerQueryデータ整形_時刻.xlsx
サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります（上記リンクから登録フォームへ遷移します）。
ブックを開いたら、「問合せ受付記録」クエリを編集（Power Queryエディター起動）し、次の手順を実施してください（今までの解説のまとめです）。
ブック起動時、「セキュリティの警告」メッセージが表示された場合は「コンテンツの有効化」をクリック。
- 取得対象の時刻列を選択
※今回は「受付時刻」列 - リボン「列の追加」タブをクリック
- 「時刻」をクリック
- 「時」をクリック
- 「時」をクリック
本記事の解説と同じ結果になればOKです！
さいごに
いかがでしたでしょうか？
「時」・「分」・「秒」コマンドを活用することで、選択した時刻列から任意の要素（時/分/秒）を取得できます。
既存の時刻列から取得した要素を新しい列に追加することで、時間別等の集計ができるようになるため、ぜひ覚えましょう！
なお、パワークエリの各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
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ご参考になれば幸いですm(_ _)m
森田 「時」・「分」・「秒」コマンドに慣れたら、他の時刻列の計算に役立つコマンドやM関数もセットで覚えることをおすすめします。
具体的には、時刻間の期間を計算できる「減算」コマンドや、時/分/秒の整数を示す複数列から時刻列を作成できるM関数の「#time」です。
M関数はカスタム列からセットできますが、応用的な時刻計算を行う場合に役立つため、パワークエリに慣れてきたらチャレンジしてみてください！
