ケース別Excelファイルのダイエット方法8選

前回Excel(エクセル)ファイルが重くなる原因について触れました。

あなたのExcelファイルを重くする4つの原因 | Excelを制する者は人生を制す ~No Excel No Life~

今回は重くなったExcelファイルの容量を軽くするための方法についてまとめてみました。

Excelステップ講座

Excelファイルの容量を軽くする8つのテクニック

  1. 新しいファイルにコピー&ペーストする
  2. 最新バージョンのファイル形式(拡張子)へ変更する
  3. 関数を値で貼り直す
  4. 利用していない行・列を削除する
  5. 隠れたオブジェクトやコメントを一括で選択して削除する
  6. 非表示で利用していないシートを削除する
  7. 図や写真を圧縮する
  8. 「ブックの共有」を定期的に解除する

代表的なテクニックは以上の8つです。
それでは、順番に掘り下げていきたいと思います。

1.新しいファイルにコピー&ペーストする

重くなったファイルから新しいファイルへ各種データをコピー&ペーストで移すことで、ほんとうに必要なデータのみになるためにファイル容量が軽くなります。

操作方法は下図の通り。

新しいファイルへコピペ

  1. 重くなったファイルの対象シートの行列の交点をクリック
  2. コピー([Ctl]+C])
  3. 新しいファイルを作成・起動
  4. 新しいファイルのシートの行列の交点をクリック
  5. ペースト([Ctl]+C])

新しいファイルに残らない設定(オートフィルターやウィンドウ枠の固定など)は別途設定が必要です。

このテクニックは前回記事「1.余計なデータ量が多い」「2.ゴミデータが蓄積されている」に有効です。

2.最新バージョンのファイル形式(拡張子)へ変更する

重くなったファイルがExcel2003などの古いファイル形式(拡張子)の場合、2007以降のファイル形式へ変更することで軽くなります。

特に会社では、PCによってExcel2003以前とExcel2007以降のPC間で同一ファイルを使用している場合、互換機能パックがファイル上にデータが上乗せになるため容量が重くなります。

操作方法は下図の通り。

拡張子変更

  1. 「ファイル」タブクリック
  2. 「保存と送信」クリック
  3. 「ファイルの種類と変更」クリック
  4. 最新の拡張子([.xlsx]or[.xlsm])を選択
  5. 「名前を付けて保存」クリック

拡張子変更前と後のファイルが2つになりますので、必要に応じて変更前ファイルを削除しましょう。

[.xlsx]はマクロ「なし」ファイル、[.xlsm]はマクロ「有り」ファイルです。

このテクニックは前回記事「1.余計なデータ量が多い」「2.ゴミデータが蓄積されている」に有効です。

3.関数を値で貼り直す

関数・数式が多く入っていると、都度自動計算を行なっているため、関数が入っているセルが多ければ多いほど動作が重くなる原因となります。

対策としてデータ量の小さい値(テキストデータ)に書き換えることでファイルを軽くすることができます。

もちろん、テキストデータに書き換えることでファイルそもそもの用途に支障がない場合のみに有効なテクニックです。

操作方法は下図の通り。

関数を値のみで貼り付け直し

  1. 対象セルをコピー([Ctl]+C])
  2. 「ホーム」タブクリック
  3. 「貼り付け」クリック
  4. 「値の貼り付け」

このテクニックは前回記事「1.余計なデータ量が多い」に有効です。

4.利用していない行・列を削除する

利用していない行や列にも目に見えないデータ(スペースなど)や設定(書式設定や入力規則など)が残っている場合があるため、削除することもファイル容量を軽くする上で有効です。

操作方法は下図の通り。

今回は列削除の方法です。

列削除

  1. 削除したい範囲の起点となる列をクリック
  2. [Ctrl]+[Shift]を押しながら[→]で削除したい列をすべて選択
  3. 列の上でマウス右クリック
  4. 「削除」クリック

行を削除する場合は、上記操作方法内の「列」を「行」に、[→]を[↓]に読み替えてください。

このテクニックは前回記事「1.余計なデータ量が多い」「2.ゴミデータが蓄積されている」に有効です。

5.隠れたオブジェクトやコメントを一括で選択して削除する

図形などのオブジェクトやコメントなどのデータが大量にある場合、ファイル容量が重なりますが、1つ1つを削除するのは非効率です。

ジャンプ機能で該当のデータを一括で選択できますので、選択後にまとめて削除しましょう。

操作方法は下図の通り。

セル選択

  1. 削除したいデータのあるワークシート上で[Ctrl]+G
  2. 「セルを選択」クリック
  3. 削除したい条件を選択
  4. 「OK」クリック

コメントを削除する場合は、「校閲」タブの「削除」(「コメントの挿入」の右横)で削除です。

このテクニックは前回記事「1.余計なデータ量が多い」に有効です。

6.非表示で利用していないシートを削除する

非表示となっているワークシートが大量のデータを持っている場合には、再表示した上で削除することも有効です。

操作方法は下図の通り。

シート非表示の再表示

  1. シート名の上でマウス右クリック
  2. 「再表示」クリック

シートを削除する場合は、上記操作方法の「再表示」を「削除」に読み替えてください。

このテクニックは前回記事「1.余計なデータ量が多い」に有効です。

7.図や写真を圧縮する

図や写真のデータサイズが大きい場合は圧縮することも有効です。

操作方法は下図の通り。

図の圧縮方法

  1. 圧縮したい図をクリック
  2. 「図ツール」タブをクリック
  3. 「図の圧縮」クリック
  4. 圧縮内容を選択
  5. 「OK」クリック

このテクニックは前回記事「3.写真・画像データがある」に有効です。

8.「ブックの共有」を定期的に解除する

「ブックの共有」が設定されている場合、変更履歴を定期的に解除してあげることもファイル容量を小さくすることに有効です。

操作方法は下図の通り。

ブックの共有解除

  1. 「校閲」タブクリック
  2. 「ブックの共有」クリック
  3. 「複数のユーザーによる同時編集と、ブックの結合を許可する」のチェックを外す
  4. 「OK」クリック

このテクニックは前回記事「4.変更履歴が蓄積されている」に有効です。

まとめ

Excelファイルが重くなると、作業効率の悪化に加え、最悪のケースはデータ破損(つまりファイルが壊れる・・・!)につながります。

重くなっている原因を予測した上で、今回ご紹介したテクニックを駆使してファイル容量の適正化してくださいね。

ファイルが重くなってお困りの方のお役に立てれば幸いです。