【Excel機能】数式や参照セルの矛盾/エラー内容の確認や解消ができる「エラーチェック」の使い方
AさんAさん

見た目は数値なのに、なぜか集計できないことがあります。。
良く見ると、その数値セルの左上隅が緑の三角形になっていますが、どうしたら良いのでしょうか?

森田森田

その場合、「エラーチェック」という機能を使うことで、数値として集計できるようになりますよ!
では、詳細を解説していきますね。

Excelステップ講座

手作業で数値のデータ型を「文字列」→「数値」へ変換したい場合は「エラーチェック」が有効

実務では、見た目のデータは数字なのに、なぜか集計できないケースがあります。

たとえば、次のように「金額」列の数字を合計したいのに、なぜかH2セルのSUMの結果が「0」になってしまうといったイメージです。

この原因は「データ型」です。
データ型は、ざっくり「データの種類」だと思うこと。

上記の「金額」列の数字はすべてデータ型が「文字列」になっていたため、数値を対象にした機能であるSUMでは計算できませんでした。

よって、事前にデータ型を「数値」に変換することが必要です。

こんな場合、「エラーチェック」という機能を使うことで、文字列形式の数値のデータ型を「数値」へ一括で変換することが可能となります。

「エラーチェック」とは

エラーチェックとは、数式や参照セルに対し、数式の結果へ影響しそうな矛盾やエラーを検知し、ユーザーへアラートを出してくれる機能です。

このエラーチェックにより、矛盾やエラーがありそうだと判定されたセルは、「エラーインジケーター」(セルの左上隅に表示される緑の三角形)が表示されます。

このエラーインジケーターが表示される理由は複数ありますが、代表的なケースは以下の通りです。

  • 数値データが文字列形式またはアポストロフィ()から始まる
  • 数式の結果がエラー値
  • テーブル内の数式列の中で別の値や数式あり
    ※テーブルは原則的に同じ列内では同一数式

エラーインジケーターが表示された場合、矛盾やエラーの内容を確認し、その原因の解消が必要かどうかを判断する必要があります(状況によって、おせっかいな場合もあるため)。

参考記事

テーブルの詳細は、以下の記事をご参照ください。

エラーチェックの使用イメージ

エラーチェックは、矛盾/エラーの内容の確認や解消が可能です。

エラーインジケーターが表示されたセルへカーソルを合わせると表示される!」の三角形のアイコン上で操作します。

一例として、文字列形式の数値になっている「金額」列のデータ型を「数値」へ変換したイメージが以下です。

「金額」列のデータ型が「数値」になったため、H2セルのSUMで問題なく集計できました。

エラーチェックの操作手順

エラーチェックを実行したい場合は、以下の手順となります。

  1. データ型を変換したいセル範囲を選択
    ※今回はF2~F11セル
  2. エラーチェックの「▼」をクリック
  3. 「数値に変換する」をクリック

手順②のエラーチェックは手順①の選択範囲の左上隅のセルに表示される。

エラーチェックルールの変更手順

特定の場合にエラーインジケーターを表示したくない場合、エラーチェックのルールを変更することも可能です。

その場合の手順は以下の通りです。

  1. エラーインジケーターが表示されたセルを選択
  2. エラーチェックの「▼」をクリック
  3. 「エラーチェックオプション」をクリック
  4. 任意のルールのチェックOFF
  5. OK」をクリック

手順①~③は、リボン「ファイル」タブ→「その他」→「オプション」→「数式」の順にクリックでもOK
Excelのバージョンによって、「その他」のクリックが不要な場合あり。

【参考】エラーインジケーターを非表示にしたい場合は

エラーインジケーターを表示したくない場合、以下の手順でエラーチェックを停止することも可能です。

  1. リボン「ファイル」タブをクリック
  2. 「その他」をクリック
  3. 「オプション」をクリック
  4. 「数式」をクリック
  5. 「バックグラウンドでエラーチェックを行う」のチェックOFF
  6. OK」をクリック

手順②はExcelのバージョンによっては不要な場合あり。

【参考】「形式を選択して貼り付け」でも数値のデータ型を「文字列」→「数値」へ変換可能

手作業で文字列形式の数値のデータ型を「数値」へ変換したい場合、エラーチェック以外に「形式を選択して貼り付け」でも対応可能です。

1」をコピーし、「形式を選択して貼り付け」で「値」のみを「乗算」で貼り付けすることで、数値を変えずにデータ型のみを「数値」へ変換できます。

これは、Excel側でセルの値に応じてデータ型(場合によっては表示形式も)を自動で変換してくれる仕様を利用したテクニックです(入力以外にも「形式を選択して貼り付け」もその契機にできる)。

このテクニックの詳細な手順は以下の通りです。

  1. 任意のセルへ「1」を入力
  2. 手順①のセルをコピー
  3. データ型を変換したいセル範囲を選択
  4. 右クリック
  5. 「形式を選択して貼り付け」をクリック
  6. 「値」を選択
  7. 「乗算」を選択
  8. OK」をクリック

手順①⑦は「0」を「加算」等でも代用可(数値が変わらない計算ならOK)。
※手順①の値は必要に応じて削除すること。
手順②はショートカットキー(「Ctrl」+「C」)で行うことも可能。
手順④~⑧はショートカットキー(「Ctrl」+「Alt」+「V」→「V」→「Tab」→「M」→「Enter」)で行うことも可能。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_エラーチェック.xlsx

サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。

ブックを開いたら、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。

  1. データ型を変換したいセル範囲を選択
    ※今回はF2~F11セル
  2. エラーチェックの「▼」をクリック
  3. 「数値に変換する」をクリック

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

さいごに

いかがでしたでしょうか?

エラーチェックは、数式や参照セルに対し、数式の結果へ影響しそうな矛盾やエラーを検知し、ユーザーへアラートを出してくれます。

特に、文字列形式の数値のデータ型変換等、集計/分析前のデータクレンジングに役立ちますので、ぜひ覚えておきましょう!

なお、エラーチェック以外にもExcelでのデータ整形の各種テクニックを拙著で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。



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ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

文字列形式の数値は、表示形式を「文字列」にする、数値の頭にアポストロフィ()を付けている以外にも、システム上の出力データの設定でデータ型を制御していない場合があります。
もし、こうしたエクスポートデータを定期的に使って集計/分析を行う場合、都度エラーチェックでデータ型を変換するよりも、関数で自動化した方が便利です。
該当する方は、データ型の変換に役立つ関数のVALUEを中心に覚えることをおすすめします!