パワークエリの「パラメーター」クエリのサムネイル
AさんAさん

複数のクエリ・ステップで共通する値が変更になる場合、いちいち各ステップを修正していくのが、めちゃくちゃ面倒です。。
何か良い方法はないですか?

森田森田

その場合、Power Queryエディター上の「パラメーター」を使えば良いですよ!
では、詳細を解説していきますね。

Excelステップ講座

はじめに

この記事はパワークエリの概要を把握していることが前提です。

参考記事

パワークエリの概要については、以下の記事をご参照ください。

「パラメーター」とは

パラメーターとは、Excelブック内の複数クエリ・ステップで共通する値を一元管理できる機能です。

機能自体は、ワークシート上の「名前」やVBAの「変数」と似ています。

パラメーターとして任意の名前と値を設定し、そのパラメーターを各ステップで参照することで、該当のパラメーターの値を計算/処理の対象として扱えます。

パワークエリの「パラメーター」クエリとは

このパラメーターを活用することで、複数クエリ・ステップで共通する値に変更があった際、パラメーターだけ修正すれば全部のステップへ変更内容を反映できます。

このように、メンテナンス工数の削減や、メンテナンス漏れのリスクを低減できるため、複数のクエリやステップで共通する値を扱う場合はパラメーターを活用しましょう。

なお、パラメーターは「パラメーター」クエリというクエリの一種です。
通常のクエリはデータクエリ。

参考記事

ワークシート上の「名前」の詳細は、以下の記事をご参照ください。

使用イメージ

名前が「Aランク基準」、値が「500000」というパラメーターを作成し、そのパラメーターを「売上明細」クエリの「追加された条件列」ステップの「値」ボックスへ変更したイメージが以下です。

パワークエリの「パラメーター」クエリの使用イメージ

パラメーターを後から作成した場合は、該当するステップの登録内容を変更し、パラメーターを参照しましょう。

パラメーター内の値がステップ変更前の値と同じであれば、当然該当ステップは同じ処理結果となります。

参考記事

「条件列」コマンドの詳細は、以下の記事をご参照ください。

パラメーターの新規作成手順

パラメーターを新規作成したい場合は、以下の手順となります。

  1. リボン「ホーム」タブをクリック
  2. 「パラメーターの管理」の下部をクリック
  3. 「新しいパラメーター」をクリック
  4. 任意のパラメーター名を入力
    ※今回は「Aランク基準」
  5. 任意のデータ型選択
    ※今回は「10進法」
  6. 任意の値を入力
    ※今回は「500000
  7. OK」をクリック

パラメーターの変更手順

パラメーターの名前や値等を後から変更する場合、以下の手順となります。

(画像5

  1. リボン「ホーム」タブをクリック
  2. 「パラメーターの管理」の上部をクリック
  3. 任意のパラメーター名を選択
  4. 任意の箇所を修正
  5. OK」をクリック

【ポイント】各パラメーターの値だけを修正したい場合、「パラメーターの管理」の下部をクリック→「パラメーターの編集」をクリックでもOK

【ポイント】パラメーターを削除したい場合、通常のクエリと同様にナビゲーションウィンドウやワークシート上の「クエリと接続」ウィンドウで任意のパラメーター上で右クリック→「削除」をクリック。

サンプルファイルで練習しよう!

可能であれば、以下のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作練習をしてみてください。

サンプルファイル_PowerQuery_パラメーター.xlsx

【注意】サンプルファイルのダウンロードには無料メルマガに登録いただく必要があります(上記リンクから登録フォームへ遷移します)。

ブックを開いたら、「売上明細」クエリを編集(Power Queryエディター起動)し、次の手順を実施してください(今までの解説のまとめです)。

【注意】ブック起動時、「セキュリティの警告」メッセージが表示された場合は「コンテンツの有効化」をクリック。

  1. リボン「ホーム」タブをクリック
  2. 「パラメーターの管理」をクリック
  3. 「新しいパラメーター」をクリック
  4. 任意のパラメーター名を入力
    ※今回は「Aランク基準」
  5. 任意のデータ型選択
    ※今回は「10進法」
  6. 任意の値を入力
    ※今回は「500000
  7. OK」をクリック

本記事の解説と同じ結果になればOKです!

必要に応じて、「追加された条件列」ステップの「値」ボックスを上記で作成したパラメーターへ変更してみてください。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

パラメーターを活用することで、複数クエリ・ステップで共通する値に変更があった際、パラメーターだけ修正すれば全部のステップへ変更内容を反映でき、メンテナンス工数の削減や、メンテナンス漏れのリスクを低減できます。

目標値や基準値、閾値(しきいち)、消費税率等、複数クエリ・ステップで共通する値を扱う場合、ぜひパラメーターを活用してください。

なお、パワークエリの各種テクニックは、私の拙著でも体系的に解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

(商品リンク)

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森:パラメーターは応用テクニック的な機能ですが、実務で同じ値を複数のクエリやステップで扱うことがあれば、ぜひお試しください。

後からパラメーターを作成し、関連するステップの内容を変更するための工数はかかりますが、以降はブック内のクエリの管理がしやすくなるはずです。

また、パラメーターの概念は、ワークシート上の「名前」やVBAの「変数」にも共通するため、これらを活用して行く上での土台にもなりますよ!