外資系金融のExcel作成術 (2)

森田森田

どれどれ、何か面白い本ないかなー??ん、「外資系金融」だって?エクセル強そう!

こんな感じで本屋のPC書籍コーナーを物色していた際、「外資系」と「金融」という2つのワードが入ったタイトルのエクセル書籍を発見。

気になったのですぐさまAmazonでポチっとしてしまいました。

その書籍は「外資系金融のExcel作成術―表の見せ方&財務モデルの組み方[Kindle版]」というExcelの「表」に特化して体系的に解説されている珍しい本です。

本書を読んで、今まで表を作成する際に気に留めていなかった部分にも明確なルールがあり、「なぜ、そうするのか」という根拠とともに解説されていて大変参考になりました。

本書で紹介されていたテクニックを用いると、どのような効果があるのかを踏まえてご紹介していきます。

はじめに

本題に入る前にこの書籍がおすすめな人を挙げてみます。

  • Excel(エクセル)で見やすい表をつくりたい人
  • Excel(エクセル)でお金やKPIのシミュレーションを素早く・正確に行えるようになりたい人
  • Excel(エクセル)で数字の入った表を使用して計算や分析を行なう頻度が高い人

また、私が本書を読んだ上で、本書の内容を実際に生かすためには以下の前提条件を満たしていることが望ましいと感じましたので、ご参考になさってください。

  • Excel(エクセル)の最低限の基本操作(数式の入力や罫線を引く等)が問題なく行えること。
  • 自宅もしくは職場で本を見ながらPC操作をする時間を確保できること

では、本題に移っていきます。

外資系金融のエクセルの表作成ルールを活用してみた結果

まず、本書で紹介されている表の見せ方のルールを遵守してみた結果を見ていただきましょう。

Before

まずは、本書のルールを適用前の表です。

よく見るような表ですが、若干情報量が多い印象を感じますね。

After

そして、こちらが本書のルールを遵守した結果です。

いかがでしょうか?

だいぶ余計な罫線や色などの視覚的な「ノイズ」が減り、見やすい表になったと思います。

ちなみに、本書で紹介されているルールから一例をあげると以下のとおりです。

  • 論理は「上から下」に、時系列は「左から右」になるように項目を並べる
  • フォントは日本語にはMSPゴシック(ヒラギノ角ゴ)、英数字にはArialをデフォルトにする
  • 項目はすべて1列に揃え、小項目には必要に応じてインデントを使う
  • 文字サイズは基本10ポイント
  • 配色は多くても2色まで
  • 縦の罫線は使わない、表の中の横の罫線は細かい破線、表の枠の横の罫線は普通の太さの実線を使う
  • タイトル項目は左揃え、それ以外の項目は右揃え

これらを踏まえて、もう一度上記の表を見てみましょう。

特に工夫したポイントは表の中にコメントを入れてみました。

ただし、重要なのは「見やすい」表の原則を理解し、自分の「表の型」を見つけること

上記のとおり本書のノウハウを使うと、見やすくてスマートな表にすることができます。

しかし、実際「表」を用いてコミュニケーションをとる相手によっては、上記ノウハウを完全コピーでは使えない、という方もいるでしょう。

そこで、大事なのは本書で提唱されている「見やすい」表の原則の2点を理解することです。

原則1:情報の並べ方が人間の認知の仕組みに従っている。 たとえば、人はものを左から右に、上から下に見るようにできています。ならば、表の中にものを並べる順序もこれに従うべきでしょう。

原則2:情報が必要最低限である。ここでいう情報とは、表に入る数字や項目などの要素だけでなく、文字のサイズ、線や色付けなど、すべてが含まれます。情報が必要最低限であり、不必要な情報(ノイズともいえます)が少ないほど見やすい表になります。

その上で、自分が作りやすく、表を用いてコミュニケーションをとる相手にもわかりやすい「表の型」を見つけることが最も重要です。

ちなみに、私が最近作成する表は以下のようなイメージが多いです。

独自の追加ポイントは上記の表の中にコメントを入れたとおりです。

なお、本書のルールから逸脱している部分もありますが、「見やすい」表の原則の2点を抑えつつ、作成工数も極力かけないようにしています。

たとえば、縦の罫線は本書のルール上は不要ですが、私は以下の理由で残しています。

  • 罫線の「格子」を用いて表全体に罫線を引き、不要な罫線を除去しているが、除去する罫線の量を減らしたい
  • 数値以外に文字列をフラグや評価結果で組み込むことが多いため残した方がわかりやすい(項目以外の文字列を右揃えにすると見にくい)

ちなみに罫線の「格子」とは以下のイメージですね。

問題はどのように組織でルールを定め、浸透させるか

本書の著者が勤めていた外資系金融系の企業のように、企業全体で統一ルールが敷かれていることが一番理想ですね。

なぜなら、客先に提出する資料の体裁が均一化しますし、社内でも表の見方に頭を悩ませずに、純粋に表の中身で意思決定や議論が進みます。

何より作成する側も、表を作成する際に無駄な悪戦苦闘が減り、生産性向上につながります。

実際、私自身も新入社員時代のExcelに不慣れなときは、表をつくる際に「タイトルはどうしよう」「フォントは何にしよう」「配色はどうしよう」など、いちいち悩んで手が止まっていました。

しかし、私の実感として、自分が勤めている会社はもちろん、クライアントでお付き合いのあった複数業界の複数企業(官公庁・外資系含む)を見ても、企業レベルで明確なExcelのルールがあるところは今のところ出会っていません。

強いていえば、ロゴやイメージカラーなどのCI(コーポレート・アイデンティティ)はきちんとルール化されている企業はあったので、このレベルまで行かずとも企業内でExcel等の資料作成のルールを定めてほしいところです。

コーポレート・アイデンティティ(英: Corporate Identity 略称: CI)は、企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、またわかりやすいメッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつ。 CI、CI 計画、CI プロジェクトなどとも呼ばれる。

ただ、そんなことを悠長に待っていてもしょうがないので、まずは自分の部署など働きかけられる範囲から表の作成ルールを定め、関係者全員が同じルールで表の作成ができるようにすると良いのではないでしょうか。

私も今の部署では表のフォントや配色などは全員共通ルール化されていて、自部署が作成したデータはすぐにわかるようになっています。

思いのほか組織全体の作業効率に関わってきますよ。

さいごに

Excelの表作成は基本ですが、奥が深いです。

表づくりがうまい人は「情報整理がうまい」=「仕事ができる」というイメージを周囲に与えられますし、事実そういった方が多いように感じます。

しかし、何事もコツやポイントがあるものなので、本書を用いて知識を習得し、日々の業務で試行錯誤を繰り返すことで身に付けることが可能です。

なお、本書は見やすい表作成だけでなく、「モデル」という最小の入力データをもとに求めたい結果を計算できる表のつくり方まで記載されています。

これは、収支やKPIを管理する方は知っておくと良いスキルです。

より詳細を知りたい方やご興味を持った方は、ぜひ本書を手にとってみてください。

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

日本人は罫線好きらしく、ここまで罫線を引きまくる国は他にないとネットニュースで見ました。余分な情報は意識的に減らすように工夫が必要ですね。

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