複数のエクセル関数のハブ「IF関数」を身に付ける

本書はタイトルのとおり、IF関数をまったく知らない知識ゼロの状態から、応用レベルまで使いこなせる中級者以上になるためのノウハウを学ぶことができる本です。

この一冊で書籍やネットなどで世に出ているIF関数にまつわるテクニックの大部分を体系的に網羅しています。

森田森田

書評をブログやFacebookなどにポストされた方は、ぜひ@glucosamineZまでご連絡ください。本ページでご紹介させていただきます。

感想を頂きました!

yosatonetさま

IF関数の紹介のされ方の徹底ぶりに脱帽です。ここまで細かく関連関数、エラーまでもが一か所で解説されている書籍は見たことがありません。
前半では、数式とはなにか、関数とはなにかも丁寧に解説されているので、数式初心者の方にもやさしいかと。

運営堂さま

前回のVLOOKUPは複数のデータを合体させるときに便利な関数でしたが、IF関数はデータいじりの基本ともいえる関数なので使っている人も多いと思います。他の関数と組み合わせることで真価を発揮しますので、そのあたりのテクニックを知りたい人にはもってこいの書籍ですね。

本書は次の3人のために書きました

  1. 条件に応じて入力内容が変わる事務作業が多い人
  2. エクセルを使う頻度自体が高い人
  3. 事務職を目指している人

ちなみに、対象のエクセルレベルを明記しておくと、以下の④⑤⑧が本書のカバー範囲です。

IF関数とは?

エクセルの便利機能である関数のひとつです。読み方はイフ関数と読み、関数名の”IF”は「もしも~」を意味する英単語から来ていると推測されます。

IF関数の具体的な機能は、英単語と同じく「もしも~の場合」という条件を設定し、その条件に該当した場合と該当しない場合にどの値を表示させるかを設定することができます。

一言でいえば、「指定した条件に合わせてセルの値を変えてくれる関数」といえます。

なぜ、IF関数なのか?

なぜ、「IF関数なのか」というと、さまざまな関数や機能を使う上で、IF関数はハブとして非常に活用シーンが多いためです。

また、ビジネスシーン(広くは社会全般)では、「●の場合は▲」という条件分岐の積み重ねで構成されているため、条件分岐を自分自身で設定できるIF関数は、発想次第でさまざまなケースに応用でき、作業の精度・効率の向上には欠かせない存在です。

ビジネスにIF関数が活躍する具体的なケースを見ていきましょう。

IF関数が活躍するサンプルケース

困っている会社員

ごめん。Aさん、いま時間とれる?

AさんAさん

Bさん、どうしたの?

困っている会社員

実は今日締切のテスト結果の入力作業が終わってないんだけど、部長に呼ばれているから代わりに進めててくれない?
あと、30人分なんだけど。。

▼Bさんから依頼されたフォーマット

AさんAさん

(入力くらいなら時間までに終わるか。)今日中か。よし、手伝うよ!

困っている会社員

ありがとう!あと、申し訳ないけど、国数英の3教科すべてで60点以上の生徒と、それ以外の生徒がわかるように何でも良いから印つけておいてくれないかな!?

AさんAさん

し、印も!?わかった。やっておくよ。

Aさん②Aさん②

こんなとき、もっと楽に判断できたらな~。。。

いかがでしょうか?似たような経験はありませんか?

実は、AさんがIF関数を使いこなせるなら、自動的に条件に応じて国数英の3教科すべてで60点以上か否か判断できます。
(厳密にいうと、上記のケースでは、IF関数とAND関数を組み合わせます)

そうであれば、定時までに入力と条件判断まで含めて余裕をもって対応できることでしょう。

学習のステップ

本書は以下の3ステップでIF関数を学んでいただきます。

  1. 数式・関数の基本
  2. IF関数の基本
  3. IF関数の応用

では、各ステップの詳細を見ていていきましょう。

【STEP1】数式・関数の基本

そもそも、IF関数を使いこなすためには、前提知識として数式・関数の基本をしっかりと理解しておく必要があります。

よって、エクセルをテキスト入力するくらいには使用している方でも、まずは数式・関数の基本知識と、数式・関数を効率的に使うためにはどうしたらよいかというノウハウから学んでいただきます。

【STEP2】IF関数の基本

次のステップとして、本書の本題となるIF関数の基本についてしっかりと学んでいただきます。

  • どんなときにIF関数を使うと良いか
  • IF関数の構文や仕組みはどうなっているのか
  • IF関数をうまく使っていくためのポイントは何なのか

サンプルファイルも用意したので、上記のインプットした内容をアウトプットすることで、知識の定着化を図ります。

【STEP3】IF関数の応用

最後の仕上げとして、IF関数の応用テクニックについて学んでいただきます。

  • IF関数と他のエクセルの機能や関数の組み合わせテクニック
  • IF関数の意外な使い方
  • IF関数で発生しうるエラーの原因と解決策

こちらは応用なので、難易度が高いものも含まれますが、16のサンプルファイルを用意したため、自身が良く困っている部分から段階的に覚えていけると良いでしょう。

なお、この3ステップ目まで完璧に使いこなせたなら、あなたはIF関数マスターです!

目次

はじめに
【事前準備】PCにKindle本をダウンロードする方法
0章:【超初心者向け】数式・関数の基本知識

0-1:エクセルの「数式」とは
0-2:エクセルの数式と関数の違いは?
0-3:エクセル関数の基本ルール
0-4:エクセルの数式・関数は「セル参照」を原則とすべき4つの理由
0-5:エクセルで1つの数式をコピペで使い回すために知っておきたい絶対参照・相対参照の使い分け方
0-6:エクセルの四則演算の使い方と計算の優先順番
0-7:「関数の挿入」はダイアログ入力より手入力がおすすめ!

1章:【初心者向け】IF関数の基本テクニック

1-1:IF関数とは?
1-2:IF関数が活躍する条件分岐の3ケース
1-3:IF関数の構文を理解しよう!
1-4:サンプルファイルで練習しよう!
1-5:IF関数の仕組みを理解しよう!

2章:【中級者向け】IF関数の「あるある」5選と応用テクニック

2-1:【あるある①】IF関数の条件分岐を増やしたい!
2-2:【あるある②】複数の条件分岐ネストをシンプルにしたい!
2-3:【あるある③】IF関数の条件分岐をAND条件で判定したい!
2-4:【あるある④】IF関数の条件分岐をOR条件で判定したい!
2-5:【あるある⑤】数式・関数でエラー表示になってしまう!

3章:【中級者向け】IF関数の意外な使い方5選と応用テクニック

3-1:【CASE1】入力漏れを未然に防ぐためのアラートを出す
3-2:【CASE2】定型文を自動生成する
3-3:【CASE3】作業効率を高めるためのフラグ・コードをつくる
3-4:【CASE4】他の関数を条件付きにグレードアップさせる
3-5:【CASE5】セルのデータ種類を調べる

4章:【中級者向け】IF関数の7つのエラーの原因と解決策

4-1:IF関数でエラーになるケースは全部で7種類
4-2:【エラー1】「この数式には問題があります~」というメッセージが表示
4-3:【エラー2】「この関数に対して~」というメッセージが表示
4-4:【エラー3】戻り値が”#NAME?”というエラー値
4-5:【エラー4】戻り値が”#VALUE!”というエラー値
4-6:【エラー5】戻り値が”#REF!”というエラー値
4-7:【エラー6】戻り値が”#N/A”というエラー値
4-8:【エラー7】戻り値がユーザーの想定外の値

おわりに
著者紹介

著者略歴

通信会社勤務。主にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスに10年以上従事し、様々なクライアント企業のバックオフィス業務等の非コア事業の運営管理や業務設計を担当。

クライアントや業務内容によって異なる環境・状況下でもエクセルを駆使して業務整理、プロセスの効率化、コスト削減に取り組む中で、創意工夫次第で仕事の精度・効率を高めてくれるエクセルの可能性や魅力にどっぷりとハマる。

エクセルを10年間以上ほぼ毎日数時間触り続け、本業で複数の業界・業種のバックオフィスの設計~運営に携わってきた経験を踏まえ、業務効率・精度を高めるエクセルの活用方法をブログやSNSで発信中。